2008年東海大学医学部予想

2008東海大学医学部予想

   

フェニックスゼミ講師陣

 

 注意:東海大は過去の2月7日実施分を参考に予想しています。

 

 【数学】

東海大の数学は第1問は小問集合で基本問題である。第2問、第3問は分野別出題である。分野は年度により変化するが、数学Uと数学Vからの出題が多い。2008年度を予想する。1つの分野は「三角関数」であろう。加法定理や最大最小が出題されそうである。数学Vは「積分の計算」と「面積」であろう。指数関数exが絡んできそう。その他の分野では「いろいろな数列」「場合の数」が要注意である。図形と関連させた問題になるのではないか。また「整数問題」の出題可能性が高まっていると予想する。

 

 【化学】

東海の化学(2月7日分)は次の特徴を持つ。

時間が70分であるが、複雑な計算問題は少ない。後半の大問3問は全て有機分野で複雑な内容が含まれる。

以上のことから後半の有機の出来が勝負を分けるようになる。今年度の対策として脂肪族、芳香族、共に種々の反応(酸化、付加、置換、エステル化、けん化、カップリング等)における反応条件(温度、圧力、触媒など)をよくチェックしておくこと。また、化学U内容の出題は、ここ数年見られなかったが、
今年度は炭水化物(糖類)が狙われるように思われる。理論・無機内容では

熱化学、コロイド、浸透圧、ハロゲンの反応あたりが要注意ではないかと思う。

 

 【物理】
大問4題 70分 選択問題2題と記述問題2題の構成で,標準レベルの問題である。[力学][電磁気][波動][熱力学]のセットで, すべての範囲をまんべんなく出題されている。 今年度の予想は[1]力学 … 単振動と衝突(運動量保存,反発係数)[2]電磁気 … コンデンサーと直流回路 または 交流回路[3]波動 … 光の干渉 または 気柱の共鳴[4]熱力学 … 状態方程式, 熱力学第一法則, PVグラフ, 気体がする仕事 

力学は 運動方程式,摩擦力に関する問題が多い。最近,単振動が出題されていないので,順序からいって, 単振動が出題される可能性が高い。衝突をからめた問題になるかもしれない。波動に関しては, 屈折や反射の出題率が極めて高く, ときどき,他のテーマが出題される。屈折や反射に関する問題が続いているので, 今年度は 光の干渉の出題が予想される。

  

【英語】

今年も昨年同様、読解、文法・語法4択、熟語、会話文、整序英作、間違い箇所指摘(または和文対照英文)、和訳、英作から成る大問78題構成でくると思われる。難易度はごく標準的で、英語の得意な者には平易とすら言えるレベルであろう。それだけに取りこぼしはあまり許されないが、時間が70分と、かなりきつい。本番は時間配分に十分配慮すべきである。直前対策として効果的なのは、頻出の文法4択問題や、頻出構文チェック。それと頻出基礎熟語のチェックは必ずしておくこと。文法題は、時制、(準)動詞の語法、仮定法、比較の基本、代名詞や形容詞の基本の語法などが非常に多く、それらの項目にも穴がないようにしておきたい。 

 

2008年東京医科大学予想

2008東京医科大学予想

 

フェニックスゼミ講師陣

【数学】

東京医科大の数学の特徴は数学Vと数学BCからの出題が多いことである。頻出分野は数学Vの「微積」「2次曲線」「ベクトル」である。数学TUAからの出題も見受けられるが、量的にも分野的にもあまり特徴はなく、分野は年度によりばらつきがある。2008年度を予想してみる。微積の面積・体積は毎年出されているの本年度も出題されるであろう。「分数関数や指数関数の面積・体積」と予想する。2次曲線はやはり「楕円」であろう。楕円の焦点、接線・法線、面積が関係してくるのではないか。「無限級数の和」を求めるΣ計算も可能性が高い。ベクトルは「内積や絶対値」を含む計算問題で成分算出か内積の最大・最小であろう。そろそろ「整数問題」が出題される時機になっている。

【化学】

東京医大の化学は、計算力の勝負と言っても過言ではない。無機、有機は確実に得点にしたいので基本的なポイントを一通り見直しておくこと。今年度の対策として電離平衡、蒸気圧、混合気体、浸透圧、熱化学の計算練習が効果的であろう。また、炭水化物が大問で出題されるように思われる。糖類の構造や性質は特に重点的にチェックしておきたい。

 

 

 【英語】
2007年は、2006年の第5問の読解問題の空所補充と内容真偽がそれぞれ独立した形で、大問が1題増え6題となり、全体の設問数も若干増えたが、基本的には「発音・アクセント」「文法・語い4択」「整序」「会話文」「長文空所補充」「長文内容真偽」の問題傾向はここ数年変わらず、2008年も同様の傾向で来ると思われる。

 第1問の発音問題は、これまで発音の異同とアクセント問題が毎年交互にきており、2007年がアクセント問題だったので、今年は発音の異同問題。その発音問題を含め第4問までの「文法・語い4択」「整序」「会話文」は非常に標準的なレベル。ここで手こずっているようでは東医合格は望めない。イージーミスに気をつけながら出来るだけ短時間で処理したいところ。問題は何と言っても後の「長文空所補充」「長文内容真偽」。試験時間が60分と非常に短いため、この長文問題にどれほど時間を残し正答率を上げるかが合否を左右するだろう。空所補充も内容真偽も、パラグラフリーディングの意識を徹底的に持って読むこと。

段落中の大きな流れ、そして段落毎の要旨、それを繋いだパッセージの大きな流れ、それを明確に意識し読むことで、判断に迷う選択肢の数はぐっと減る。

 

2008年兵庫医科大学予想

2008兵庫医科大学予想

 

フェニックスゼミ講師陣

【数学】 
兵医の出題傾向はここ数年で少しずつ変化している。頻出分野から予想してみる。数学Aは「場合の数」か「確率」であろう。球を取り出すときの「確率」の可能性の方が高いと思われる。数学Uからは本年も「整数問題」が出されるであろう。そして「軌跡と方程式」「三角関数の最大値・最小値」が出題されるのではないか!数学Bからは「いろいろな数列」であろう。群数列が狙われるのではないか。本学の定番であった「平面図形とベクトル」の可能性も捨てきれない。微積は数学Vから「回転体の体積」であろう。空洞のある回転体の体積や指数対数関数のグラフで囲まれた図形の回転体の体積の求め方を確認しておこう。

 

 【化学】

兵庫医大の化学は、昨年度の問5(後半)のようなややマニアックな出題が一部含まれる。今年度の予想として(石油等の)分留が狙われるように思われる。

また、直前準備として@窒素・リン・ケイ素化合物 A気体反応の化学平衡B油脂のけん化とセッケン水の性質を重点的に見直しておくとよい。

 

 【物理】(別紙:ひと目でわかる過去10年の分析シート参照)
大問3題が出題される。2004年度から第1問に小問集合が出題されており,2008年度も出題されると予想される。小問集合で各テーマをまんべんなく出題しようという意図が感じられるが, 大問の出題に関しては, 偏りがある。難易度は,易しい問題とやや難しい問題が混在している。平均すると,やや難しいといえる。小問集合は単なる一問一答のような問題もあるが, きっちとした手順を踏まなければならない問題もある。大問は典型的な問題もあれば, やや難しい問題もある。典型問題を探し出し,効率よく解くことが肝要である。今年度の予想は
[1]小問集合…10問 選択形式
[2]で熱力学が出る場合,力学分野の出題数が増
える。
[2]熱力学 … 状態変化, 熱力学第一法則, 内部エネルギー,気体がする仕事, 効率
[3]電磁気… 電磁誘導 または 荷電粒子の運動(ローレンツ力による円運動)小問集合に原子の光子放出が出題されるので気をつけること。原子核の範囲の難しいものではなく,対策は容易なのであきらめてはいけない。 電磁気は, 荷電粒子の運動の出題率が高いのが特徴である。ローレンツ力と円運動には注意が必要である。波動の出題率が若干低いようで,今年度は熱力学の可能性が高い。「単振動」の可能性もあるので, 練習しておくこと。 

 

【英語】
長文のレベルは標準的で、取り組みやすい問題と言えよう。問題はやはり最後の和訳、テーマ英作であろう。

 
一問でもかせぐためにぜひとも直前でやっておくべきこと。
(1)アクセント問題の頻出語のチェック。
  または接尾辞の形でアクセントの位置が決まる語の確認。
(2)前置詞問題を集中的に解いておく。
(3)中級以上の単語のチェック。


 最後のテーマ英作に関して、試験中気をつけたいこと。
(1)日本語で素早く論点を箇条書きにしてから書き出す。
(2)1文をだらだら長くするのではなく、簡潔で平易な文を重ねていくようにする。
   複雑な複文構造の文はなるべく使わない。
(3)  最低限、動詞(時制や自動詞/他動詞などの語法)や名詞(可算/不可算、単数/複数、
   冠詞の有無)などに間違いがないかどうかチェックする。

 

 <NEWS>

「ひと目でわかる物理過去10年の分析シート」兵庫医大、関西医大にて配布予定

以下のファイルからダウンロードできます。

ひと目でわかる兵庫医大物理過去10年の分析シート

兵庫医大傾向-2008予想.pdf

 

【小論文】 2001年からは今年の赤本に問題が掲載されています

 年度  字  時間  配点  テーマ  
 1990  600  40  100  ドストエフスキー「白痴」抜粋文を読み設問に答えさせる。
 1991  600  40  100  救急医療の現状を述べた文を読んで、人命救助に必要なものや人材の育成方法などについて見解を述べさせる。
 1992  600  40  100

 「捕虜収容所の兵士が見えない美少女を想定して節度や規律を守ろうとした」という文を読んで「見えない美少女に」について見解を述べさせる。

 1993  600  40  100

 地球環境問題についての文を読み、地球規模の環境問題への対応について述べさ せる。

 1994  600  40  100  日野原重明「生きることの質」の抜粋文を読み、「病にある患者がなおもよりよく生きるために、患者と医師との間に求められるコミュニケーション」について見解を述べさせる。
 1995  600  40  100

 生命の始期と秋期についての長文を読み、豊かな生を送る潜在的可能性と社会性について読み取らせ、「ひとと認知する時期の設定」について見解を述べさせる。

 1996  600  40  100  堺屋太一「大変な時代」の抜粋文を読み、「21世紀の日本の医学・医療に携わる自己の価値とそれを高める方法」について見解を述べる。
 1997  600  40  100

 「延命治療」についての文章を読み、「医師を目指す者としての延命治療についてどう思うか」を述べさせる。

 1998  600  40  100  「人間活動と環境リスク」に関する図を見て、読み取らせ、また「遺伝子操作」を例として見解を答えさせる。
 1999  600  40  100  「高齢社会」についての抜粋文を読み、超高齢化社会に至った理由と充実した超高齢化社会を実現するための方策について述べさせる。
 2000  600  40  100  「環境白書」の抜粋文を読み、地球温暖化の影響と二酸化炭素排出量を中心にした地球温暖化防止策について述べさせる。

2008年順天堂大学医学部予想

2008順天堂大学医学部予想

フェニックスゼミ講師陣

【数学】 
順天堂大の数学は大問3題で第1問は小問集合の形式である。出題の特徴を調べた。第1問はこの4年間では主に数学2Bからの出題である。第3問は公式証明に関係する出題である。10年間のデータより2008年度を予想してみる。第1問は「二次関数の最大・最小、順列・組合せ、整数問題、点の軌跡、三角関数の最大・最小、漸化式、関数の極限、定積分で表された関数」の可能性が大きいだろう。第2問は放物線・円・楕円・双曲線などの図形が関係する問題で、「接線・法線」と「面積・体積」であろう。第3問については三角関数の定理「正弦・余弦・加法定理」の証明法をチェックしておきたい。 

【化学】 
順天堂の化学は量がすさまじく多いので、特に計算問題を解くスピードが大きなポイントとなる。今年度は、混合気体、電気化学、弱酸(塩基)のPH、濃度、溶解度(再結晶)の計算をよく練習しておくと良い。無機は、気体の発生、有機ではエステルのけん化あたりが要注意と思われる。また、1番の第1問は、計算問題の集合であるので、これをいったん後回しにして問題に取りかかるのも作戦として有効な手段であろう。

 

 【小論文】 
過去3年間、資料・データ型小論文のなかでも、絵や写真を見て論述する形式で出題されている。出題意図を考えると受験生の個性・感性をはかる試験といえるか。’05は英国マンチェスターの病院の外来待合室の絵(1952年)を見て、この絵の中の一人の患者を選んで、その人物になった気持ちで、この場面を説明する問題(800字/75分)。「この絵の中の一人の患者を選んで、その人物になった気持ちで」という指示は患者の立場から病院(医療)を眺めるというものだろう。自分が治療を待つ患者の気持ちになれるか、素直に問う問題だろう。’06は、集中豪雨による土石流のため倒壊した家屋から一匹の犬が救出されている場面をうつす写真から思うことを述べる(800字/75分)。この写真から受け取るべくは「命」の尊さを分け隔てなく認める人間の姿を捉え、それが医療の本質でもあることが指示できればよいだろう。’07は昭和を代表する日本画家・東山魁夷の「道」という作品を見て、思うところを自由に書く(800字/75分)。視点をどこに定めるかが難しい。人のいない風景(まだ人の手が入る前の光景)ととれば、人工的な光景と対比的に論じられるだろう。また、この道をしるべとして進んでいくことの意義を云々することもできるだろう。また、道と周りの緑、空との配置に目を配れば、自然の偉大さが感じられ、われわれ人間は謙虚にならざるを得ない。いずれにせよ、自らの視点を明確に示し、一貫した論展開を試みる。 

 【英語】 
長文2題、文法・語い2題、そしてテーマ英作文という出題形式がここ2年続いており、多少の変動はあるにしても、2008年もほぼ同様の内容でくることが予想される。長文の難度は標準または、やや難というレベルで、それほど難しいものではないが、テーマ英作を含めての時間70分というのはかなりきつく、相当の速読力を要する。また、そのテーマもほとんどすべて医学、医療や健康、生命や体の仕組みに関するもので、医学部を志す受験生として、そういうテーマの長文を数多くこなしてきた者が断然有利であることも言うまでもない。直前にできることと言えばその点を意識しつつ、ひたすら中級以上の単語を覚えることだろうか。試験中においては、パラグラフリーディングの意識をしっかり持って読み進めること。
 最後のテーマ英作文であるが、試験時間が70分と限られていることもあり、平素からかなり訓練しておかないと対処できるものではないが、自信のない者は、論点を箇条書きにして、日本語で簡潔で平易な文を素早く組み立ててから、それに沿って英文を並べていく方が短時間で、しかも一貫したものが作れる。英文を書きながら考え、考えながら書く、というような場当たり的なやり方や、複雑な複文構造の文は出来るだけ避けること。

 

2008年藤田保健衛生大学医学部予想

2008藤田保健衛生大学医学部予想

                       フェニックスゼミ講師陣
 

【数学】
藤田の数学は、2008年度も80分大問6題で、すべて空欄を完成する形式であろう。出題内容の特徴は「三角比と図形」「積分による面積・体積計算」「軌跡の方程式」が頻出であること。2008年度も当然この三分野からの出題が予想される。微分は「曲線と直線の共有点の数」や「接線・法線の方程式」であろう。3年ほど出題されなかった「場合の数」「確率」が狙われそうである。
公式と典型問題を確認しておくこと。
 

【化学】

藤田の化学は、各単元から均等に出題されるが、グラフに関する問題が必ず含まれる。今年度は、溶解度曲線、二段階中和のPH曲線などが要注意である。また、無機では同素体の性質、乾燥剤、有機ではエステルの加水分解、抽出の問題を念入りに見直しておくことが必要だろう。

 

 【生物】
分野:出題範囲は医学部に直結するものが多い。大問4問中、神経や筋肉、恒常性・腎臓などからだのしくみから1問、DNAの分野から1問、遺伝から1問出されるのがよくあるスタイルである。
あとの1問は、時事問題のことが多く、ヒトゲノム(01)、狂牛病(02)、エイズ(03)、温暖化防止(06)などが出題されている。
また、時々植物分野も出題されるので油断はならない。
生物2の分野では、0607年とも生態系、分類のどちらとも出題されていない。
レベル:問題のレベルはそんなに難ではないが、2科目120分の持ち時間の中で、論述や計算をしなければならないので忙しい。
攻略法としては、冷静にわかるところから書いていくのがおすすめだろう。
直前対策としては、図表のコラム欄に目を通しておくこと(時事問題対策)、
からだのしくみではしばらく出題されていない受容器やホルモンあたりをチェックしておきたい。
  

 【英語】
2006年以降、80分読解問題2題となっており、今年も同じ構成だと思われる。難度は標準的で、特に難しいものではないが、記述題が適度に織り交ぜられ、文脈をしっかり把握し文の内容を読み取っているかを試す、これまでの傾向には変化はないであろう。論旨の流れを決定する語句、特に逆接、結論、理由、追加(but,however, therefore, thus, in addition 等)に十分気をつけながら、代名詞や指示語の指すものを正確に追いかけて読むことが必要。時間は2題で80分だから、それほどきついとは思えないが、2007年には、英語の質問に対する自分自身の考えを2、3文の英文で述べさせる問題が出されており、やはり、しっかりした時間意識をもって臨む必要があることは言うまでもない。 

 

2008年近畿大学医学部予想

2008近畿大学医学部予想

 

                        

                        フェニックスゼミ講師陣

【数学】
近大(前期)の出題傾向の特徴は、ほとんど数学U、数学Bからの出題にかたよっていることである。2008年度を予想してみる。数学Uからは例年通り、図形と方程式の「円と直線」と「軌跡」は必出といって良いであろう。三角比が絡んでくる可能性もある。微分の「極値」「最大値最小値」の計算の可能性が大きい。数学Bからは例年、数列の「漸化式」または「群数列」である。2008年度は「ベクトル」になる可能性も大きい。メネラウスの定理の図形のベクトル的な処理法を確認しておくこと。数学Aからは「三角比の平面図形への応用」が狙われそうである。 

【化学】
近畿の化学は、反応式や計算問題の割合が多い。直前の準備として、@硝酸、硫化水素、過酸化水素等の反応式は速く書けるようにしておくこと。A有機では、炭水化物を念入りにチェックしておくこと。(消化酵素名を含む)また、化学平衡、気体に加えて今年度は、溶解度積、浸透圧の計算あたりが狙われるのではないかと思われる。

 【物理】
例年, 大問3題の記述問題である。[力学][電気,磁気]は必ず出題され,もう1題が[熱力学][波動]のどちらかが出題されているが, 昨年度は小問集合となっていた。新傾向といえる。まんべんなく出題されるので,近年の出題されていないテーマが出題される可能性が高い。難易度は ほとんどは標準レベルであるが,やや難しい問題も出題される。 今年度の予想は[1]力学 … 衝突(運動量保存則,反発係数),放物運動 または, 2物体の運動[2]熱力学 … 状態方程式, 熱力学第一法則, 断熱変化に注意したい。[3]電磁気 … 直流回路, 非線形抵抗 または 自己誘導昨年度からの新傾向として, 小問集合の出題も考えられる。    

【英語】 
近大医学部の英語は、英語の問題として非常に標準的な出題形式で、難度も特に高いものとは言えず、毎年傾向がほぼ完全に一定しているので、十分準備した者は攻めやすいはずだが、それは他の受験生もまったく同じなので、日頃から穴のない総合的な力をどれだけ蓄えているかで決まると言える。基本的な問題を落としたり、凡ミスをするようでは合格にはほど遠く、取れるところはすべて確実に取らなければ勝利はないと思わなければならない。
直前の対策と
しては、間違い箇所指摘問題を集中的にやりこんで、ポイントを見抜く目を鋭くしておくことが、もっとも効果的である。

【小論文】 2001年からは今年の赤本に問題が掲載されています

合否判定の参考資料

 年度  字数  時間 テーマ
 1990  400字  40分  「望ましい医師像」について述べさせる
 1991  400字  40分  「豊かな人生」について述べさせる
 1992  400字  40分  「安楽死」について述べさせる
 1993  400字  40分  「飽食の時代に思う」というテーマで述べさせる
 1994  400字  40分  「相手の立場に立つ」というテーマで述べさせる
 1995  400字  40分  「信頼される人」について述べさせる
 1996  400字  40分  「望ましい医師像」について述べさせる
 1997  400字  40分  「遺伝子治療」について述べさせる
 1998  400字  40分  「高齢化社会と医学」について述べさせる
 1999  400字  40分  「医療とQOL」について述べさせる
 2000  400字  40分  「医療における情報開示」について述べさせる

 

 

2008年金沢医科大学予想

2008金沢医科大学予想

フェニックスゼミ講師陣

【数学】 

大問の数は毎年のように変化している。昨年度は大問3題だった。2008年度は3題であろう。「微積分」「図形と方程式(軌跡と領域)」は頻出分野で2008年度も出題が予想される。微積分からは減衰曲線あたりが面積や極限として扱われるのではないか?また数学Cとの関係で「双曲線」の可能性も高い。昨年度は出題されなかった「ベクトル」は出題されそうである。特に「空間ベクトル」について、平面との垂直条件、四面体の体積はチェックしておきたい

 【化学】

 金沢の化学は小問集合であり、勝負を分けるのは計算問題よりむしろ、無機、有機内容の知識の正確さである。対策としては、

@代表的な有機物(アセトン、フェノール等)は反応だけでなく、性質(水溶性、におい、結晶か液状か、溶液の酸や塩基の強さ)などを中心に見直しておくこと。A生活と物質内容、特にナイロン、PET、ビニロン、樹脂などは原料名と反応様式をすぐ言えるようにしておくこと。また、計算内容は、1、濃度、溶解度、2、混合気体の計算、3、電気分解、4、弱酸(塩基)のPHを中心に練習しておけ。 

【小論文】

昨年と同じ形式が踏襲されれば300字の要約問題が出題される。ただし、過去3年間を見た場合、出題形式が変化している。従来は資料と課題文が融合された問題(グラフや図表の読み取り問題)であったが、’05ではグラフを読み取る要素は無くなり、’06、’07と課題文を要約するのみの問題(07年は井村裕夫『ヒトはなぜ病気になるのか』の一節(一部改変)を読み、要約する[300字/60分]。06年は富山和子『環境問題とは何か』の一節(一部改変)を読み、要約する[400字/60分])になった。この傾向をみる限り、分析力をみる問題から読解力をみる問題へと変わったと言えるだろう。要約問題は一読の仮定で具体的例示と抽象的まとめを明確に分けて理解し、記述の際には具体例を極力削り、抽象的まとめ文をつなげていくよう心がける。その際、課題文の中心となるキーワードは外さないよう意識する。

【英語】 

2007年は前年より大問数が2問増えたが、2006年には大問4に含まれていた文整序や語句整序がそれぞれ独立しただけで、全体の問題数自体には変わりなく、2008年も同じような量、傾向でくると思われる。形式はすべてマーク式で、出題内容も難度もごく標準的で、比較的取り組みやすいものばかりだ

が、時間が60分とかなりきつめなので、しっかりした時間意識をもって臨む必要がある。直前の対策としては、中級よりやや難度の高めの単語に穴がないかどうか、集中的にチェックしておくことと、2007年には前年までの発音アクセント問題に代わり文強勢問題が出題されたことから、またその他、例年出されている会話問題や文整序なども過去のセンター試験の同種の問題に似ていることから、センター試験の過去問を何年分かやりこんでコツをつかんでおくことも効果的であろう。

 

  【生物】
ほとんどは基本的な知識を問う問題であり、レベルとしてはやや平易である。

従来の傾向と、マークという形式より、実験考察問題はあまり出ないと考えて良い。ほとんどの問題は設問文と選択肢をあわてずに読めば、答えられるだろう。しかし、05年のビタミンと欠乏症など、ふだんあまり見かけない分野の出題も見られる。図表のすみずみまで目を通しておけば、答えられるだろう。

また、0506年度は「進化・分類」と「生物の集団」の生物2の両分野が出題されていたのにも注意したい。しかし、直前・本番の対策とすれば、まず、基本問題をきっちり答えることである。よく知らない選択肢が出てきてもあせらず、消去法で消していけば、ほとんどが答えられる。わかる分野の問題をしっかり解いてから、「よく知らない分野」にとりかかる方が良いと思われる。この大学では、細胞小器官・初期発生・血液・タンパク質の名称については頻出であり、わりと細かいところまで出題される。また、医学部生がおろそかになりがちな植物の組織、植物ホルモンや光合成に関しても問われている。これらの分野については、今回も出題が予想されるので、しっかり直前に見直しておきたい。直前に見直しておきたいところは、1、植物ホルモンの名称と働き 2、タンパク質の名称とどの細胞に含まれているか・細胞分裂の過程とそれに登場する細胞小器官

 

2008年度岩手医科大学予想

2008岩手医科大学予想

フェニックスゼミ講師陣

【数学】
過去10年間の出題傾向を見ると、ほぼ全ての分野から出題されている。それを踏まえて2008年度の出題を予想してみる。まず微積分は例年通り、積分で「面積」であろう。数学Aからは「確率」であろう。条件付き確率になるかもしれない。数学Uからは、そろそろ「三角関数」になりそうである。正弦定理・余弦定理、三角形の五心、加法定理などを確認しておきたい。数学Bからは「ベクトル」になりそうである。メネラウスの定理・チェバの定理も確認しておこう。数学Cからは「楕円」になりそう。楕円の長軸、短軸、焦点や接線の公式等はチェックしておこう。 

 

【化学】

岩手の化学は、ほとんどが化学Tの内容の標準問題であるが、時間が45分しかないことを意識しておくこと! 対策としては、
@酸化還元、電気化学の計算問題を早く解く練習をしておくこと
A気体発生の反応式、実験装置、(乾燥剤、加熱の有無など)を総整理しておくこと。

Bフェノール、アニリンの製法、反応を総チェックしておくこと。また、今年度は濃度と溶解度、溶液の沸点、凝固点の計算あたりが要注意である。

 

【物理】

例年、大問3題形式で「力学」「熱力学」「電磁気」の出題となる。波動はほとんど出題されていない。問題レベルは基本標準であり、典型問題が多い。今年度も大きな変更はないと考えられるので「力学」熱力学」「電磁気」となるだろう。

力学:衝突(運動量保存則、反発係数)、エネルギー保存則熱力学:状態方程式、熱力学第一法則、気体がする仕事電磁気:コンデンサーとコイルの電気振動(固有周波数、磁気エネルギー)力学はまんべんなく出題される。今年度は、近年出題されていない衝突が出題される可能性が高い。熱力学は必ずと言っていいほど状態方程式、熱力学第一法則(内部エネルギー、気体がする仕事)が出題される。今年度はピストンに
封入した気体の状態変化に注意したい。電磁気は、交流や電気振動、コンデンサーの充放電など、電気回路に関する問題の出題が極端に多い。この傾向から
考えると今年度は電気振動が出題される可能性が高い。電磁誘導の可能性もあるので余裕があれば対策しておこう。

 

 【英語】 

ここ数年、大問数、構成ともにまったく変化はなく、2008年も同じ傾向で来ると思われる。大問1と3の長文空所補充は、英文の長さの割に空所の数が多いだけに、かなり正確に文脈をたどれる力が必要となる。苦手とする者も多く、差をつけるなら、ここ。時間も気になるところだが、正確を期すため出来れば素早く二度読みし、全問正答といきたい。2番の文法4択、4番の整序問題、5番の英作などは平易とすら言えるレベル。落とせるものはほとんどない。桐原の英文法ファイナル問題集などで頻出題の正答率を徹底的に高めておこう。英作に不安がある者は、桐原のスーパーゼミ「入試英作文攻略の新技術」などを短期集中的にやっておくと効果的。  

 

2008年愛知医科大学予想

2008医大入試予想 を掲載します。

<NOTICE>

最も有効な使い方は以下のサイトの2001〜2007と最新の2008予想
を複合して吟味し、自分自身の予想を創り上げることがベストのやり方です。
http://www.yo.rim.or.jp/~phenix/haken/
 

2008愛知医科大学予想

 

                     フェニックスゼミ講師陣

【数学】

微分・積分の「曲線・直線で囲まれた部分の面積」は頻出で、今年も出題されるであろう。過去7年間の傾向分析から2008年は、数学Uの「三角関数」と数学Bの「ベクトル」と予想する。三角関数では、加法定理をはじめとする公式を再度確認し、典型問題の解法を確認しておこう。ベクトルでは、分点、内積の計算から三角形の面積、四面体の体積の関する問題と解法を確認したい。そして「軌跡と領域」は要注意である。動点が2つ以上出てく図形の問題で、軌跡の求め方はチェックしておこう。

 【化学】

愛知の化学Uの計算内容が多く出題されるのが最も大きな特徴で、これに対する処理能力の勝負と言っても過言ではない。まず、化学平衡の計算は、徹底的に練習しておくこと。今年度は、緩衝液、溶解平衡が狙われるように思われる。
また、浸透圧、蒸気圧の計算問題も要注意である。有機では、油脂内容をチェックしておくこと。
 

【物理】

2006年度入試、つまり新課程になってから原子物理が範囲外となり、大問 3問の出題となった。今年度も大問3題形式であると考えられる。問題レベルは極めて標準的であり、典型的な問題が出題される。突飛な問題は出題されない。馴染みがないような問題でも基礎が押さえてあれば対応できるレベルである。過去の出題分析をしてみると熱力学の出題が少ないことが特徴的であるが、他の分野は全体的にまんべんなく出題されている。今年度出題の可能性の高いテーマを挙げると「力学」「波動」「電磁気」となる。熱力学の出題が少ないので「波動」と予想したが、新課程になって3年目であることから「波動」の代わりに「熱力学」が出題される可能性がある。

力学範囲:衝突(運動量保存、力積)、単振動、エネルギー保存則に関する融合問題
波動:ドップラー効果または光の全反射電磁気:コイルとコンデンサーの電気振動、または電磁気誘導導体棒の運動上述したテーマが最 も可能性が高いと考えられるが、これに気体の状態変化も加えてやっておくと良いだろう。

 

 【英語】 
2000年以降続いている、読解4問と語彙・整序1問という構成は今年も変わりないと思われる。4題ある読解問題はそれほど長くなく、一見平易なようだが、論旨展開のはっきりした評論文は少なく、ほとんどがエッセイ風のもので、非常に苦手にしている受験生も多いのではないだろうか。そういう英文ほど、徹底的なパラグラフリーディングが必要である。一つの段落の最後の文を読み終わり、何も考えずに自動的に次の段落の第一文を読み始めるなど、論外である。一つの段落を読み終わったら、必ず、その段落で結局何が言いたかったのか振り返り、頭の中で少しまとめてから次の段落に進むようにしよう。それだけで分かりにくかった文脈がくっきりと見えてきて、迷わず解答できる設問が多くなること請け合いである。  

【NEWS】

 今後、岩手医科大学、金沢医科大学、藤田保険衛生大学、近畿大学、順天堂大学、兵庫医科大学、東京医科大学、東海大学、大阪医科大学、福岡大学、関西医科大学、近畿大学(後期)の予想を行う予定です。  

 

医大小論文短期養成システムテキストサンプル掲載

 DVD医大小論文短期養成システム

医系小論文講座 基礎編
 Lesson1 小論文で試される適正 

@    適正 

ここでいう適正とは医師になるにあたっての適正のことです。適正とひとくちにいっても、医師に要求されるものはさまざまです。判断力、分析力、向上心、遵法精神、人権意識など。これらをひとつひとつ追究することも大切ですが、ここでは、これら様々な医師に必要な要素をいかに小論文に表出していくかを示します。そこで、次の二つのことを意識してください。一つは「問題意識を持つ」ということです。これは、今の社会のなかで起こっている問題を深刻に受け止めるということです。そして、もう一つは、その問題にたいして、「克服の意志を持つ」ということです。つまり、問題を改善しようとする意志を示すということなのです。

 

A    小論文を書くにあたって大切なこと

@にしめした二つのことを意識しながら、次に、小論文の書き方について考えます。小論文を書くにあたって大切なことは、まず、基本に忠実に書くということです。それでは基本とは何なのかというと、ここでも二つのことを覚えてください。一つは「起承転結の結構を整える」こと、もう一つは「減点要素の少ない答案を作る」ことです。前者については次項で詳しく示すとして、ここでは後者について、どのような記述が減点要素となるのか、主だったものを羅列してみましょう。

  Lesson2 小論文の発想法 

ここでは「小論文の発想法」について学びますが、発想法を考えるにあたって、小論文入試で出題されるテーマについて整理しておきましょう。小論文入試で出題されるテーマは多岐にわたっています。ですが、概して言うならば、小論文で問われるテーマは社会的マイナス事項が圧倒的に多いのです。そのマイナス事項は、さしあたり、以下に示す三つのパターンに分別できるでしょう。

 

(1)マイナス用語パターン 「医療ミス」「環境破壊」

(2)功罪パターン 「先端医療」「科学技術の進歩」

(3)理想‐現実パターン 「医療のあり方」「豊かさ」

 

(1)はテーマとして指示される言葉自体が社会におけるマイナスな現状を体現しているものです。(2)は一見すると、肯定的積極的用語ですが、「功罪パターン」という括りが示すように、背後にマイナス要素が隠れています。(3)も同様、マイナスな事態を示す言葉ではありませんが視点を変えると、用語が示す理想と乖離したマイナスの現実が現れてきます。

  Lesson3 理論展開の仕方

小論文の出題形式は次の三つのパターンに分けることができます。

 

テーマ(課題)型 〜について「医療ミスについて」

課題文型

資料・データ型(融合型)

 

 小論文の出題パターンに即した基本的論展開は以下の通りです。

 

起 テーマ型→テーマをめぐる現状説明

課題文型→課題文の要旨をまとめる

資料・データ型→資料・データの客観的読解

 

承 譲歩文

※譲歩とは、自分の意見を一旦引っ込めて、他の意見を受け容れること。

 反対意見 現実容認

 

転 問題点の指摘 問題点+理由づけ

 

結 具体策(解決策)

 

 医系小論文 基礎編課題 課題1 
「日本語の乱れ」について(400字)

 さあ、書いて見よう!

書き方フローチャートへ

<START>

 起

 「日本語の乱れ」と考えられうる具体例をあげて現状説明をします

 承

 〈転〉で「日本語の乱れ」を正す必要性を主張することを見据えて、ここでは一旦、上に示した具体例などを(時代の流れの)必然として受けとめます

 転

 「日本語の乱れ」を正す必要性をその理由をつけて主張します。

 

 どうすれば「日本語の乱れ」を正すことができるかの方策を提示します。 

<FINISH>

2009入試個別入学説明会実施予定

2009入試個別入学説明会実施予定

各生徒ひとりひとりの特性をよく知るために個別に開催します。


 昨年度の全国模擬試験の結果を持参してください

    父兄同伴で来校してください

どうしても父兄の都合がつかない場合は事前に連絡して下さい。
 
 (AM11:00からPM8:00までの希望時間にて開催予定)

       希望があれば平日の開催でも構いませんその場合もお電話にて事前
      予
約の上来校して下さい。

月曜日〜金曜日AM9:00からPM6:00までは  06-6926-0723

上記以外の時間及び土曜日日曜日祝祭日は 06-6921-2036 
 


   
電話にてあらかじめ予約の上ご来校下さい。

   

       面談の後、個別体験および体験授業を受講して頂き入会となります。 

               (いずれの入学も上記と同じ手順を経て入会となります。)
     


 【夏期集中特訓入学希望】

夏期集中特訓希望の方はできるだけ早目にご連絡下さるようよろしくお願いします。

 

 

nyugaku2.jpg
 

指導記録100

<1月16日(水)>     読者へ感謝!
ついに100号まで到達した。日本人の方はカウントダウンが好きなのか、昨日から今日の
アクセス数の伸びは異常なほどだった。まず、読者の方へ感謝の気持ちを伝えたい。


今回注意したことが2、3ある。一つ目は関心が高いのに普段チラシや広告だけでしか判断
できない「教育システムの盲点」を伝えたかったこと。これでかなり、お客さんの業者さんを
見る目は、更に鋭くなったと思うし、賢くなったとも思う。また、「目に見えないものを売って
いる、更に対価としての「物」も残らない評価しがたい業界であるため、お客さんに「分析す
る目を持つことの大切さ」を認識させる目的もあった。

 

「生の人間」を対象にするため、総合的な判断が必要だと思う。そして、「親の丸投げ」も絶対に良くないため、保護者に知識を与えるという意味もあった。
また、「教育」という非常に関心の高いテーマでありながら、中の実態を知らないし、そのように深くえぐった情報誌もあまり見たことがないため、「教室というブラックボックス」を独自に切り込んで説明した。わかり易くするために「会話文」等を入れたりした。

保護者の方も理解できたら、相当の知識を得たと思う。現場の経験者の意見をもろに出した
ため、説得力はあったと思います。懺悔の意味で昔の恥も書きました。
(全く関係ない記事もあったと思うが「息抜き」のつもりでした。受験生と同じく追い込みながら
書いたため、「書く」ことから一切逃れたい日が何日かありました。)


二つ目には、「あえて読者を意識して攻撃的な表現を多用したこと」、つまりさしさわりのない
表現を使えば、安全ではあるが、インパクトにかけることからあえて攻撃的に書いたものも
ありました。

本来は、もっと温和で冷静沈着な人間である(笑)。
人間心理の中で読んでいて「腹が立つけど、気になるから見てしまう」というのがある。
そこの心理をついた表現を心がけた。だから、ずっと読者数が全く減らずに100回も読んだと
いうことは、読者の皆さんが書いている私に軽くコントロールされたということになると思う。
アメリカやタイや中国やドイツからずっと読んでくれた読者の方にも感謝したい。
本当にありがとうございました。


受験生の方に言いたいことは、文章をうまく書くには、「書く」ことしか答えがないんですよ。
絶対にこれしかないんです。いい文章を書くには「何回も書く」ということしか答えがないん
ですよ。1のいい文章の裏には100の下手な訓練が必要なんですよ。2次試験ではそれを
心がけてがんばって下さい。試験まであとわずかですが、全国の受験生の方に送ることば
として以下のことばを送ります。

If you do not ask, answer is always NO.

「あなたが求めなければ、答えはいつでもNO」

試験に向かう前から悪い結果を想定していたら、求めることすらしなくなっちゃうんですね。
あるいは、聞きたいけど恥ずかしいからとか言っている内公的な生徒も損しますし、社会
に出ても生存できないですしね。まずは、ASK(求めよ、さもなければ道は開かれん)です
ね。また、読者の中でうまく本番の試験で戦えなかった生徒さんには激励のことばを事前
にこの100号であらかじめ準備しておきます。

まだまだ私たちは幸せだと。蛇口をひねれば水は出る。日本では飢えることもあまりない。
アフガニスタンでは家が爆弾でふっとばされて夜はマイナス25度の温度で毛布なしで生き
ていると。日本人ならみんな死んでしまいますよね。全員すぐに凍死ですよ。
日本は「豊か」ですからね

空爆もされないし、子供が地雷で吹っ飛ばされることもないですしね。家族がいきなり銃殺
されることもない。帰ったら暖房もあるし、暖かい家族がいるじゃないですか。世界第2位の
裕福な国ですからね。赤ちゃんがマイナス25度で凍死する国ではないですからね。

そこでも希望を持って必死で生きてる人いますしね。明日のごはんが食べられない人から
すれば、大した悩みではないんですよ。大きな世界から見ればぜいたくな悩みなんですよ。
「そんなもん日本の話や、聞く耳持たんわ!」という人にはこう言うでしょうね。
もし、競争に負けて落ち込み、なんとか軌道修正しなければと焦るのなら、「相手はも
っともっとずっと前から自分より努力していた。そして苦労していた」と思えばいいんですよ。
やっぱ受かる奴は、むちゃくちゃやってますからね。

「情報不足、努力不足、計画不足、管理不足、詰め不足」のどれかだと思うんですよ。
感情ではなくてクールに自分を分析してください。そうすれば、きっと次に勝てますよ。
また、初めての受験の方は、「何かわけのわからん大きな波に流された」とか、志望校が
多かった方は、「全然全く手が廻らんかった」という最初の洗礼のようなものを受けるでし
ょう。自分が経験して火傷しないとわからないんですよね。土台の大切さがわかると思う
んですよ。自分に直接ふりかからない限り、人間て反省はしないと思うんですよ。誰もが
経験することを自分が経験しただけと思えばいいと思います。

「経験する必要がある失敗」と思えば心も楽になると思います。失敗の結果を踏まえて、
手を替え、品を替え改善していくことが最終的な成功につながると思います。そうすれば
失敗は成功のための実験として生きて来ますよね。

 

100号まで読んでくれた皆さん本当にありがとうございました。また、書くかも知れません。
ちょっと疲れたので充電させて下さいませ。 毎日の日課としてチェックされていた読者の
方々には毎日の楽しみがひとつなくなりますが、また新たなスタートのために少し休憩させ
て下さい。 全くの宣伝なしで100号の時点で1800人超の読者に支持されたことを心から
感謝しています。

 

PS:来週から医大の予想を出します。ゼミ生の自宅には完成次第ファックスします。
   「最新入試問題の分析」コーナーに後日掲載します。
絶対に的中するとは限りませんが参考にはなると思います。専門家が過去の流れから予
想しても「相手が何も考えて創っていない(最近判明したので)」こともありますのでご理解下
さいませ。また、急に問題作成担当者が変わるとどうしようもないので理解していただけたら
と思います。 講師の研修と情報発信と研究発表の意味で実施します。

指導記録99

<1月15日(火)>    戦い終了後の家族ケア
そろそろセンターだ。受験生はもう競技場に入り、スタートラインにつくまでのストレッチを
やっているような状況だろう。家族の方も「完全祈りモード」だと思う。当然、99号は受験
生の家族に向けて書きたい。センター終了後、自己採点して喜ぶ子供には、「気を抜くな」
と言えばいいだろう。問題は大失敗をして泣き崩れる場合だ。また、自分の部屋に閉じこ
もって出て来ないのも多いだろう。受験生は、「暗黒の闇」に落ちていく自分を感じていくも
のだ。自分が「世界で一番不幸な人間」のように落ち込むかも知れない。


一つの勝負である限り、「勝者」と「敗者」のコントラストが出て当然だ。特に今まで経験し
たことのない位、勉強した生徒の落胆は相当なものである。こういう時には、医学部等の
難関大学の方が簡単ではあると思う。一定の期間は落ち込ませていてもかまわない。
それでもメソメソしていたら、頃合いを見計らって「お前いつまで落ち込んでるんや、大体
お前な、そもそも落ち込む位やったんか?」と言えばいい。


自分を完全な「悲劇のヒーローかヒロイン」に包み込んでいるのだから「はっ!」と気がつい
て「それもそうやな」と思う場合も多い。仮にそう言われて生徒が反抗しても、どうせ社会に
出て、別の何らかの形で頭を打つと思う。その時に振り返ると思う。いつか必ず「そう言わ
れた言葉」を受け入れられる時は来ると思う。そう信じて言い切るしかない。


大体、ここ1〜2年がんばって落ち込む気持ちもわからんことはない。しかし、幼稚園から
計画を立ててやって来た生徒だっているのだから生徒も少なくとも理解は出来ると思う。
また、現に「苦節13年」とかやっている強者だっている世界だから立ち直らせるのは早いと
思う。(それで安心されたら逆効果ではあるが) もし、プライドの高い生徒で今年を受験の
最終年と決めていて、ダメだったならば「別の目標」を立てさせればいいと思う。

 

以前にカウンセリングの記事で書いたと思うが、現役合格して、天狗になって「廻りがバカ
に見えるぜ」とかなってしまうと、どうせ今度は社会の勉強で頭を打つからプラスマイナス
「ゼロ」だと思う。

この子は苦しい思いをしたから、「人の痛みがわかると思う」と保護者も納得すればいいと思う。
喜ぶとまでは必要ないが、少なくとも「人間の幅」はプラスされたと思う。

ただし、生徒が全力で自分に納得しての場合だけだが。ここで言っていることは、「中途半端
でやる気なし」の場合は含まない。全力で駆け抜けた場合のみの話である。

例えば、指導者の中にも「完璧なサラブレッドのような履歴」を持った指導者が伝える能力
がダメな場合だってある。決まって言う言葉が、「わからんということが俺にはわからん」だ。
「わからん」から来てるのに、それさえわからない。

日本は資本主義だから、「競争」によって成長するものだと思うし、「失敗というやけど」を
負うと自分が損をするから間違いなく賢くなる。「やけどこそ最強の先生」とも言えると思う。
そして、失敗をすることによって人間の魅力も創られていくものだと考えたらいいと思う。

おおげさなキリストのような助言をする必要もないと思うが、いつまでも暗黒状態が最も
良くないし、家族の誰かが暗い状況を好転させる必要がある。
しゃべれなければ、メールでも手紙でも手段はある。

全国の保護者の方々、準備はいいですか?
いよいよ出番ですよ!
パソコンから失礼ですが、ひとつよろしくお願いします。

最後は「親子でしかかけられないエール」ですよね。

指導記録98

<1月14日(月)>    社会的使命
大阪府の泉佐野市で「お産」の出産費用が話題になっている。市民は7万円、市外は22万円
だ。産科医は悲鳴を上げている。家が産科医の家の生徒なんかは、ほとんど「母子家庭」だ。
当直の回数なんかは「3倍に増えた」とか言っておられたが、「それでもまだ、ひどい所に比べ
ればましですよ」と言っておられた。少子化なのにこの状況では、日本の「国力」は間違いなく
将来、減退するだろう。救急病院も全国で235病院が看板おろしている。

 

大阪の一地域の
富田林(野球のPL学園がある所)では病院に搬送拒否されたのが去年だけで123件もある。
国の医療費削減で、はっきり言えば、「採算取れないし、訴えられてまでやる奴おらんし、
すまんが家で死んでくれ」というようなものである。


以前の記事にも書いたと思うが、「損得勘定」からすれば同じ1点10円の診療報酬であれば、
今の若者が困難な選択をするとは思いにくい。「僻地」だってできれば避けたいと受験生の
時点でみんな考えている。ただ、受験の志望動機や面接では「きれいごと」を言う受験生は
多いかもしれない。三重県だったか、「産科医」の報酬で「大リーガーなみの報酬」を準備した
そうだが、その代わり相当な激務の条件で休みなどほとんどなかったと思う。


企業の中で最大の激務であるのは、全盛期の「佐川急便」だろう。親友が司法試験の勉強
で数百万借金して、一気に返済するために佐川に行ったことがある。そいつは柔道のオリン
ピック強化選手だったが、まず琵琶湖の合宿でものすごい合宿をやり(うさぎ飛びをやったり
、のどから血が出る位声を出さされたりすごいらしい。最後は涙を流してみんなで抱き合う位
厳しいらしい。)、当時は佐川急便はあまりにも激務であまりにも事故が多かったので、今は
労働条件は改善されていると思うが当時の佐川はとにかくすごかったらしい。
ドライバーもほとんどが何らかの理由で「借金返済」に迫られている人たちばかりだそうだ。


驚いたのは喫茶店で話をしていても話の途中で親友がすぐに寝てしまうのだ。話ながら寝て
しまうのだから、見ていて気の毒だったほどである。
もう1度言うが、そいつは、オリンピック強化選手である。


体重が86キロあったのがひと月で70キロまで落ちていた。当時の佐川急便は、荷物を配送
する時にも常に全力で走らなければならなかった。


記憶が定かではないが、制限時間内に処理していかなければ、どんどん荷物が増えていく
ようなシステムだったような気もする。だから駐車違反も当たり前だったと思う。


居酒屋ワタミの社長も創業の資金を創るために佐川で創ったと本に書いてある。本の中でも
「信号と信号の変わる瞬間まで寝ていた」と書いてあった。本の中で「1ヶ月で辞めるかどうか
根性を確認するために先輩からたくさんの荷物を投げつけられる。」これを親友に確認したら
「俺もやられたよ」と言っていた。当時の佐川急便は、「借金を返済するための這い上がるパワ
ー」を利用していた会社だったと聞いていた。


上記の例で言いたいことは、仕事が激務であればあるほど当然事故が起こる。
医療の場合は「命」にかかわる。

だから、事故を起こして訴えられるよりは受け入れない方が賢明かも知れない。
とにかく産科、小児科、救急はピンチである。開業をされている父兄でも救急は50代までが限
界だろう。それで、もし親父が過労で死んでしまったら、えらいことになる。
第一残された家族がとんでもないパニックになる。


普通の人間でさえ、急死したら契約解除だとか、名義変更だとかしていたら完全に終了
するまで1年半位かかるのだ。第一聞こうと思っても本人がいないのだから。
どこに何を契約していて、取引先がどこで、銀行にどれ位まだ借金があるのかとか全くわからない。


開業の方は、「信用できる身内で固めているケース」が多いが、重要な情報は
自分しか知らない場合が多い。その町で1件しかなかったら翌日の朝から来る予定の
「じいちゃん、ばあちゃん連中」だって集まる所が翌日からなくなる。
ましてや、自分しか知らない「機密情報」を持ったまま、「完全なる司令塔」が翌日から
いなくなったら恐ろしいことになるのは目に見えている。


まず、従業員の給料(看護士、看護婦)とか患者さんとか患者の家族を今後どうするのか?
とか更に老健までやっていたらどうするのか?
大体、嫁さんも子供も何の情報も知らない場合が多い。
これは経営体として非常に危険だ。
親父こけたらどこも終わるが、「患者と従業員どうするんや?」ということだ。


お母さんが経理でもやっていたら支払い先位はわかる。長男も受験生だったらはっきり言えば
何の役にも立たない。ただおろおろするだけだ。それ位恐ろしいパニックになる。
受験生によく言うことばがある。「親父にもしものことがあった場合をよく考えとけ!」と
「信じられない位のパニックになるぞ!」と
だから「早く助けたれ」と
その詞をとてつもないプレッシャーに感じる子もいるから、言っても受け入れられそうな強そうな奴だけに使用する限定の「言葉の武器」ではあるが


ただし、起こった時に「心の準備できてないからパニックになる」ことだけは事実だ。
現にうちの生徒の家庭でも1件起こっているのだから
「代わりがいないということはものすごくもろい」ということにつながる。

よく先生が急病になって受験指導ができなくなった。
あるいは急に後釜としてきた先生が前の先生と比較されて「大ひんしゅく」を買った。
ひどい場合は、「あの後釜のおかげで人生狂わされた」とか言われる。

代わりがいないということは「もろさ」につながる。

 

指導記録97

<1月13日()>   「心」の詰め
いよいよカウントダウン体制に入って来た。私立医大など受ける人は、今から1ヶ月後には
もう終了していることになる。センター試験を受験される方は知識の回転につぐ回転だろう。
ひとつ言えることは、「自分に満足のいく戦い」をして欲しいということだ。


最後の受験校が終了した帰り道にでも「家族に電話した後に、うまいもんでも喰って帰れ、自
分に褒美を与えろ。そして翌日に爆睡しろよ!」とよく言う。でも付け加える。「しかし、その時
自分に納得してなかったらその時の褒美はまずいぞ、うまい食事をしたいやろ。そんなら自分
を出し切れよ!」と言う。


ここから大切なことは、試験と試験の間のモチベーションを保つことだと思う。
医大入試を西へ東へ移動する受験生は、送られて来る通知と戦いながら前に進まなければ
ならない。合格であれば、波に乗るだろう。もうひとつエンジンがついた位に馬力が出るだろ
う。問題は、ダメだった場合に「心の軌道修正」をどれだけできるかだろう。ここで落ち込むと
どんどん落ち込む。


だから、ここから最も大切なことは、「心の軌道修正」以外にない。バッターがバッターボックス
に入る前に不安や弱気になっていたら、当然打てないだろう。
「もう打てません」と弱気になっているバッターを「大丈夫だ、君ならやれる」と何回も打たせる能力だ。


ここからは、「コミュニケーションのうまさ」が問われる。
よく、腫れ物にさわるように「何も言わない家庭」が多いと思うが、お茶とお菓子でも買ってきて
「つまらん話」でもした方がいい。しゃべらせる方がいいと思う。「黙る」と色々考えるから
本番では、試験と試験の間に2〜3日しかない場合とか1日しかない場合だってある。
その間にそれまで受験した大学の通知も当然やって来る。いい知らせなら言うことない。
しかし、そうでない場合だって多いにありうる。


できるだけ気持ちを上向きに持っていくように家族も協力すべきだ。
「勢い」を取り戻すことだ。どちらかと言うと「後がない浪人生」の方がアドバイスに気を使う。
現役は簡単だ。落ち込んでいても一喝するだけだ。


「お前な、落ち込んでいる暇あるか?お前よりはるかに苦労している浪人、全国に山ほどおる
ぞ!そんなんで落ち込んでいたら全国の多浪生からリンチもんやで」と 
これで大体「しゃきー!」っとする。
だから現役は「迷いそのもの」がないのだからぎりぎりまで伸びる。


浪人生の場合は、「もうこれ以上わがままは言えない、親に迷惑をかけられない」とか色々
と考えているから難しい。また、親戚等も色々口出しするから大変だ。
意外に医系の子供は、親戚の影響(親戚のことば、おせっかい、勝手なアドバイス)を気にして
いるものだ。できれば、親戚は遮断して欲しい。


親子だけであれば、話が進んでいたものが親戚が介入することによりひっくり返されることも
よくある。とにかくここから最も大切なことは、「試験と試験の間の心の軌道修正」だ。
つまり、テンションを上げ続けるためにあらゆる手を打つことだ。


心が折れる=つまり負けを意味するから

 

 

指導記録96

<1月12日(土)>   恐怖とストレス


昨日は、「願書作成」のポイントを書いたら、「もっと早く書いてくれよ、もう出したよ〜」
なんて連絡が来た。こちらとすれば、「当たり前のことを当たり前に書いた」だけなの
にその当たり前のことが全く抜けている場合が多々ある。だから、「聞くのが当たり前」
と思っている先生に、「聞けない」とか「聞くのを忘れた」とか「待っていれば教えてもらえ
るものと思っていた」というこの業界特有のクレーム原因につながる。


例えば、大手の予備校の先生に「聞きたいけど聞きにくい」「聞くのが恥ずかしい」「もう
いいわ、帰る!」という「生徒との距離感を遠くしてしまっている」のは生徒からよく聞く 
問題だ。この「距離感」で得する生徒と損する生徒の「差」は大きいと思う。
「聞きたいけど聞けない生徒」は損をするから、そこを指導者に見抜いてもらえるかど
うか?そこでサービスレベルの満足度は異なる。なぜなら指導者が忙しくなればなる
ほど生徒が無視されてしまう可能性は十分にある。


また、昨日に続く細かいポイントだが、受験番号が早い方が周りに「きっちりした本気
の受験生に囲まれる」、遅ければ遅いほど「記念受験生」や「最初の1教科だけで諦め
て帰る受験生に囲まれやすい」 つまり、受験本番の環境が悪くなる。


周りが「真険そのもの」と「気がついたら10人以上昼までに帰っていた」では影響が異
なるだろう。「自分ももう帰ろうかな?」とテンションが下がる場合も考えられる。
しかし、全く知らない人間から「もっと早く書けよ〜」と言われてもな〜(笑)、いかに受験
というものが、「できれば誰かの責任にしたい」というドロドロしたものになるかは、全国
の指導機関の指導者の方は理解すべきだ。

 

「誰かの責任にしないとやり切れない」からだと思う。だからクレーム等には冷静に耳を
傾ける必要があると思う。

自分の名前が「恨みの代名詞」で常に自分の知らない場所で出されているのは誰でも
いやだろう。お客さんは人生を賭けて戦っているのだから仕方がない。
例えば、女子生徒なんかは、ストレスで吹き出物が顔にいっぱい出て来る。受験の
ストレスで「まゆ毛」を指で抜き続け、「気がついたら両方のまゆ毛がなくなっていた」
なんてのもある。


女子だからなくなったまゆ毛を書けば問題ないのだが、お母さんがびっくりして「あなた、
まゆ毛抜くなら、鼻毛か、すね毛の方を抜きなさい!」と笑うに笑えないケースもある。
また、男子によくあるのはトイレでぶつぶつ何かつぶやいたり、急に笑ったり、大声を出
す場合もある。正直、「危ないな〜」と思う。


疲れて風呂で寝てしまって沈んでびっくりして飛び出る場合もある。最も恐いのは、「神経
性の下痢」と「朝に足がつって動けない」とかだと思う。
受験会場で「先生、息子が車から降りれんのですわ!」なんてのもあった。
全く何が起こるかわからない。受験会場に行く途中でタクシーが事故を起こした場合も
あったと思う。「首が痛い、痛い」といいながら合格したから大したものだ。


この辺になると、ほとんど「消防隊員」か「レスキュー隊」だ。
また、明らかに受験生と思われる生徒が(ボストンバックを持っているから地方の受験生
だと思う)受験をせずに喫茶店でひとりで座っている場合もある。


たぶん気持ちが途中で折れたのだと思う。


心の中で「疲れたんだろうな〜」とそこにやけに同情してしまう自分がいる。

 

指導記録95

<1月11日(金)>      願書作成の苦悩
受験生の現在の苦悩の1つに願書作成がある。同じことばっかり書いて「面倒くさいし、
第一勉強に集中できんぞ!」と全国から聞こえてきそうだ。一番いいやり方を今さらアド
バイスしても仕方ないが、まず願書原本をコピーしてまず下書きする。
(まさか、直接最初から消せないボールペンで書いて修正インクで修正したまま出してい
る受験生はいないだろうと思う。もし、いたら「恐いもの知らず」だろう。)


そして、願書が出たら、まずできるだけ早く入手して願書作成だけをする時間を決めて
しまう。例えば火曜日の午後3時から4時は「願書作成時間(ノルマは2大学作成)」とあ
らかじめ決めてしまい、「面倒くささ」を細かく分散して年内に「後は受験料を振り込むだ
け!」の状態を創るのだ。


年明けは「最後の調整」なので勉強のことだけ考えたい。だから、家族の協力は不可
欠だ。「必着なのか?、消印有効なのか?」も調べた方がいい。受験は、「団体戦」とい
われる理由はここにある。もうひとつは、父兄も「各大学の願書締め切り日」チェックして
おくことだ。


生徒は迫り来る受験のプレッシャーで「あれもやらねば、これも見ておかないと」となって
年に1度のチャンスを逃がす可能性もある。今までかなりの失敗例を見て来た。


だから、本人と父兄の「ダブルチェック」が必要だ。もし、期限を忘れて最終日の前日にで
も気がついたら「窓口受付」が可能かどうか?最後の望みを託そう。また、医学部や歯学
部の場合に全国の会場をものすごいスピードで移動しなければならない場合もある。
「たぶん行けばわかるだろう」は厳禁だ。常に最悪の場合を想定して念には念を入れよう。
道に迷い、全力疾走の汗だくで会場に飛び込むことほど愚かなことはないと思う。
第一精神衛生上良くないだろう。


また、東海大学のようにとてつもなく長く「志望動機」を書かせる場合もある。ほとんど小論文
だ。何回か修正も必要だ。一番いいのは誰かに見てもらうこと。


2次の面接で「願書、調査書、面接採点表」を並べて見られている姿を想定しよう。どちらの
生徒を合格させようか?と迷った時に「志望動機をきれいに書いている生徒」と「修正ペンと
手垢でグチャグチャに志望動機を書いている生徒」のどちらを取るだろうか?やはり、「志望
動機をわざわざ書かせるという理由は何なのか?」と考えるべきだろう。


社会に出ても履歴書もまともに書けない奴は絶対に就職できないだろう。そしてもう一つ絶対
に忘れてはいけないのが提出する相手を考えろということだ。文系の大学の教授だってとてつ
もなくプライドが高い。医学部の教授なんか「プライドの高さは日本一クラスだろう。」そこに
面倒くさいという理由で「グチャグチャの願書」を出すなんて普通考えられないだろう。


1000人以上受験するのだから、簡単な願書の方が手続き上楽なはずである。「何かに利用
されるから書かせているのだ」と考えた方がいいだろう。「まだまだ願書は後回し」は自分その
ものに甘いと言える。嫌なことは先に直面する、あるいは嫌な部分をあらかじめ「小分け」にし
ておく。そしてクールに実行する。直面するのを避けても「痛み」は必ずかためてやって来るの
だから、わざわざ自分の焦りを直前に倍増させることもないだろう。


そしてもう一つのポイントとして連絡先の電話番号だ。わざわざ不在がちな自宅電話より、すぐ
につながる携帯を書いておくことだ。当たり前のことだ。
電話で補欠合格かかって来て誰も出なかったら次の受験生に行くだろう。
自分が飛び越えられたことさえわからない。
いきなり3月末に電話がかかって来ることだってある。
網はかけておかないと魚は取れない。


たかが願書の一つではなく「運命が変わるかもしれない公式書類」と思うべきだろう。
また、「おい!願書どうなっとるんや?」と常に聞く人間が必要だ。どうしても後回しにする。
冷静に考えればわかると思う。
これも重要な知恵だと思う。

 

指導記録94

<1月10日(木)>    公立校と塾
以前の記事にも書いたと思うが、元リクルート出身の区立和田中学の藤原和博校長が
進学塾SAPIXと提携して学校で「夜間塾」を実施する予定だったが、賛否両論でどうな
るかわからない。理由は、「公教育の施設を使い、一部の生徒に有償で授業をするの
は相当違和感がある」とか「塾の営業活動に丸ごと乗っかっていると都民に思われか
ねない」という理由と朝日新聞に掲載されていた。


リクルートという企業は、素晴しいDNAを持っており、元リクルート出身の企業家はもの
すごい勝率だと思う。つまり「ゼロ」から起業し、成功させる確率はリクルート出身者が
圧倒的に強い。たぶん和田校長の企業家としての「自由な柔軟な考え」が摩擦を起こし
ているのではないかと思う。「教師が教えるのが当然で個人的には公共の建物に営利
目的の塾が入ることに抵抗がある」とも記載してあった。少し、言い換えて見よう。


「難関に入るには公立では浪人するのが当然で、個人的には公共の建物に参加して
いるが、卒業してから営利目的の塾に最初からお世話になることになる」の方が正解
ではないだろうか? 「競争原理ゼロ」の先生達に期待する方が無理だと思うが


「絶対にクビにならない」と言われる場所に長年慣れきった人達が急に変化できるだ
ろうか? 多分一時的に変化したと言っても「本質」は絶対に変わらないと思う。
例えば、大阪なんて「公立離れの代表選手」のようなものだろう。


今、大阪でも予備校の先生を「傭兵部隊」として入れている私立高校だってたくさんあ
るだろう。うちに来ている先生でも何人か行っているから当然の時代ではないだろう
か? 私立高校だって生き残りがかかっているから必死だと思う。手段を選ばない高
校だってある。


ただ、高校と傭兵部隊のカリキュラムや教材の「すり合わせ」が問題であって、傭兵部
隊を入れたはいいが、うまく廻らない高校だってあると思う。そこが最大の問題であっ
てそこをどう解決するかの方が重要だと思う。お客さん側の立場に完全に立てば、公立
中高校に行ったが、卒業後2〜3浪してしまったら大変だろう。確かに今、簡単に入れ
る大学もあると思う。しかし難関大学を選択する場合は圧倒的に不利だと思う。


卒業後、経済的負担がかかっては意味がないような気もするが、絶対に交われない
人間同士が「お互いの予想通りの展開」になっているだけのような気もする。
個人的には和田校長の意見に大賛成なのでエールを送る。一度話を聞いたが、
「素晴しく頭の切れる視野の広い方」だと心から尊敬している。


素晴しい魅力と言うかオーラを放っていた。リクルートが産んだ素晴しい教育業界
のDNAだと思う。教育に熱心な父兄は機会があれば、ぜひ話を聞きに行った方が
いいと思う。「人間の幅を拡げる教育」の見本のような人だと思う。

 

指導記録93

<1月9日(水)>   本当の恐怖


体調を崩す生徒が目立つ。「頭痛と吐き気」が最も多い。1日、1日必死のペースで追い込ん
でいるのだから無理もない。「気をつけろ!」と言っても聞かない。効果がないことは最初から
わかっているが。ただの1日も休んでいないから完全なオーバーヒートだ。よく父兄は、「大丈
夫ですよ。頑丈に出来てますから」なんて言うのだが、こちらは多数の生徒の失敗例のデータ
ベースが入っている。勉強してない人間が急激なヒートアップで「精神で引っ張っているが、体
がついて来ていない」ケースだ。当然、こちらも不安になるし緊張する。


そろそろ100号も目前だから、正直な気持ちを書こう。この仕事の本当の恐怖を告白しよう。
今だに起こっていないからいいが、もし起こったらすぐ辞める、閉めるつもりだ。こういう試験
のプレッシャーは半端ではない。わかる人にはわかると思う。


現に受験生の父兄はこの時期ひどい場合は「軽い錯乱状態」になる場合もある。
本当の恐怖は「地方から出て来た寮生」にある。
自宅通学生は、自宅に帰り、家族との団欒等である程度ストレス解消できる。
短期集中で地方から受け入れる場合も問題ない。


問題は長期受け入れの場合だ。自分だけで悩みを全て抱え込む場合だってある。
「悩み」も色々と大きさもあるし、個人個人に多様性もある。常に気がつけばいい。
いいたいことはわかると思う。24時間レーダーをつけて個別に監視しているわけではない。
生徒が本当に「精神的に病んだ場合」が最も怖い。
精神的にもろい生徒だっているし、途中から急激にもろくなる場合もある。


100%こちらが気がつく保証はない。こちらも人間だからSOSサインを見落とす場合だって
多分ありうる。地方からの長期滞在者がいる場合、常にこの恐怖が頭から離れないのである。
何回か夢に出ることもあった。夢の中で生徒の父兄や親戚一同に吊るし上げられている夢だ。
地方の父兄にはできるだけ頻繁に大阪まで出てきてくれたらありがたい。
ホテルも徒歩2分位だから便利ではある。


でも受験が受験だから将来資格が取れないと意味がない。
都会で勉強してできるだけ早く故郷に錦を飾って欲しい。わずか9〜10ヶ月の辛抱だ。


ただ、すぐに合格する生徒もいれば長引く場合だってある。1人で数校合格する場合もあれば
総崩れもありうる。以下のように悪い方に考えたりする自分がいる。
合格か不合格しかない世界だから仕方がないと言えばそうなのだが
「面倒見る方も大変なんですよ」と理解して欲しい「甘え」もある。

<本当の恐怖(たまにうなされる)>


1、もし、寮で女子生徒がリストカットでもしたらどうするのか?
2、もし、寮の屋上から精神的に病んで飛び降りたりしたらどうするのか?
3、もし男子生徒が勝手に寮から抜け出してミナミで喧嘩して事故になったらどうするのか?
4、もし、夜中に高熱を出して緊急の病気になったらどうするのか? 処置や対処が遅れた
  場合はどうするのか?あるいは判断ミスを起こしたらどうするのか?
5、試験に失敗し、試験会場から自宅に帰らずそのまま行方不明になったらどうするのか?
  センター初日に失敗し、国立のみしか受験できない生徒が行方不明になる記事は書いた
  と思う。警察に「捜索願い」の電話がかかる。
  ネットカフェなんかに潜伏していたらまだいいが 人間悪い方に考えるから恐い。
  (「先生、これから樹海に行きます。どうか探さないで下さい」という夢を見たことがある。)

 

女子寮の真裏が淀川警察だし、2分で済誠会病院で救急も行ける。24時間コールセンター
に対応するが、それでも不安だ。本人が電話しなければ意味がない。(横で寝ているわけ
ではないから)あくまで本人の動きがあって初めてセキュリティーが100%成立する。

 

先日も東京の品川で塾の講師に怒られて高校2年生が100円ショップで包丁を購入して商
店街で市民5人を殺傷した事件があったと思う。
「俺をバカにすんじゃね〜」と叫びながら切り付けたという。
その前に母親とも口論していたそうだ。

受験がらみの事件が起こると正直「ぞっ!」とする。
今の生徒は本当に年々精神的にもろくなっているような気もする。


一時期、あまりに心配なので携帯で24時間受け入れしたのだが、こちらの体が持たない。
2〜3時間で親がかけつけられるならいい。北海道や沖縄ならどんなに早くても夜であれば
翌日だろう。離島ならもっと遅い。危篤でそういう地域の葬式にかけつけたことのある人なら
よくわかるだろう。もし、上記の事件が起きて生徒の家族、親戚に一生恨まれてまでやる必
要はない。「微妙に1年間緊張が続く苦労」も理解してもらえたら本当にありがたい。


どこかで起こる可能性は絶対に否定できないのだから 。
明日起こる可能性だってあるし、今日の晩かもしれない。
そして起こったら間違いなく「全国ニュース」だから


こちら側に完全に全く非がなくても後悔だけは残るだろうから
 

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指導記録92

<1月8日(火)>   教材の評価

 

数学Cが飛び立って行くので今日は教材について書いてみたい。当方で製作しているのは
おもに地方で孤独にがんばっている受験生の救出がテーマとなってスタートした。まず、
地方に行くと土地柄か「ゆっくりした気分」になる。しかし、都会に出るとスピードが早い。
何もかもスピードが早い。地方の生徒は不利だろうと思うからである。そして時間のない
受験生、孤独で独学でがんばっている受験生、働きながらがんばっている受験生を想定
し、刺激を与えるためという意味もあった。


わずか1年半でこれだけのラインアップを完成させた先生達にこの場をかりて感謝したい。
ただ、教材は相手が見えないので、「どこにレベル設定をするのか?」が最も苦労する。
おそらく、都会の進学校の生徒が見るのと田舎の公立高校の生徒が見るのでは全然
違うだろう。しかし、数学3Cや化学や小論文や面接をやらずに終了している(物理の
定着もひどい)現状を見て産み出したものである。極論すれば、「浪人するようにできて
いる高校」さえもある。

 

最近の一番の驚きは、センター対策しかやらない高校があった。


私立上位大学を狙う生徒は脱走しているそうだが、国公立医学部の生徒の2次対策な
んかも一切やっていない。
「狙いは国公立の医学部の推薦入試合格」だそうだが、そんなに甘くないだろう。
全国から評定4.9位の子が来るのに外したら「即浪人」だろう。たしかに国公立の医学
部に入るのは推薦が最大の武器となる。これ以上の武器はないだろう。


しかし、ずっとセンターばっかりやっているから浪人すると翌年2次対策が初めてになり、
私立の対策も初めてとなると下手すると「自動的に3浪パターン」になる可能性が高い。
よく聞いてみると4浪の先輩がいるとか言っていたから間違いない。間違ったレールに
乗っているので本当に驚いた。もっと早く救出すべきだった。第一そんな高校があるなん
て聞いたこともない。特に地方にぽつんとある私立高校にまだあるかも知れない。


教材と言えば「チャレンジ」という子供向けの教材がある。あれはいいと思う。
「しまじろう」はもうひとつだが、「チャレンジ」は素晴しい。
指導者の方でも驚くほどいいと思うはずだ。研究した方がいい。
特に落ち着きのない小学生でもあれはやらせればばいいと思う。特におまけとして付いて来
る「虫めがね」だとか、「顕微鏡」だとか「テストタイマー」だとかあのおまけが素晴しい。「一体
、誰が開発しているのだろうか?」その辺の駅前の「託児所代わりの個別」や「塾」に行かせ
るよりいいと思う。


しかし、残念ながら「自分で進んでやるようになれば」の条件付きだが
なぜなら、「自分で突き進む学習の癖」がつけば最高の教材だと思う。だから、「進度管理」を
緻密にやれば、いいシステムに変化するだろう。残念なのは「管理」をお母さんがやらなけれ
ばならないことだ。私だったらどう利用するか?


近所のリーダーシップの取れる優秀な上級生を連れて来て、共に勉強させ管理させる。
「おこずかい」を上げていいものかどうかはわからないが、「ここまで管理したら賞品として
これ」、「ここまで管理したら更にこれ」と長期にがんばればがんばるほど賞品の質を上げて
いく「しくみ」を創る。そしてここでお母さんに登場させる。1週間に1回テストをしてもらう。
プリンターのコピー機能で十分だ。タイマーを使い競争させる。


当日の目標さえ達成すれば、ほうびに子供達だけで30分だけDSやらせてもいいだろう。大
切なのは時間管理を厳密にすることだと思う。決められた時間は集中させる。
採点は上級生がやる。お母さんは週に1度のコピーだけでいい。近所のママネットワーク
で上級生は見つかるだろう。主婦のネットワークはすごいので、いい上級生は口コミで出て
来ると思う。うまく行けば、地域の助け合い運動みたいなものだ。


大切なのは「能動的に進む姿勢」さえ創ればいいと思う。チャレンジを使い、管理をすれば
有名進学塾で落ちこぼれるよりはるかにいいと思う。変に小さい時から「いたれり尽くせり
の個別で能動性をなくす」よりもいいと思う。耳と耳の間にある頭をフルに使用させて自分
から目標達成させることが重要だと思う。1年間やり遂げたらいよいよ最後は親父の出番
だ。子供達のクリスマスプレゼントを豪華なものにするための銀行役である。


母親の負担は週に1回のテスト、親父の負担は年に1回で後は見ているだけでいい。

チャレンジのふろくは本当にすごい。お見それしました!
開発している人は本当にすごいと思う。

指導記録91

<1月7日(月)>    危機感と叱ってもらえることの重要性


数学CのDVDの第1弾が今日の朝から飛び立って行った。待たせていたお客さんには
本当に申し訳ありませんでした。ぜひ、メールででも批評をお願いします。批評を受け
ないと成長しないんですよ。変に保護されてしまうとダメなんですよね。これは指導され
ている方ならわかるでしょう。言ってみれば、「頑固な芸術家」みたいになるんですよ。
私もそうですよ。年々、頭が固くなっているような気がしますよね。
もうひとつは固定観念との戦いですね。
体が固くなるにつれて頭の中も固くなるし、第一時代に取り残される。


「お前のやり方はおかしい」と助言されても心の中で「いや、絶対にそんなことはない」
「ずっと前の生徒は私を賞賛していた」なんて反抗している自分がいるんですよ。
バカですよね。以前、カウンセリングの記事で長く受験生活を送っている生徒が「変に
プライドだけが高くなり、性格が屈折してくる」と書きましたが、これは受験生だけでなく
指導者側も同じようにそうなっていくんですよ。
麻痺するのが怖いから自分自身で気をつけないとダメですね。


「言うことを聞かない」とわかると次に「言っても聞かないからしゃ〜ない」となり、最後は
相手にされなくなるんですよね。「自分を怒ってくれる人がいなくなる」ということは恐ろし
いことですよ。全部、自分で勝手に判断しますからね」気がつけば「誰からも相手に
されない裸の王様」だけがいるんですよ。
社長とか先生とか髪型とか服とかダサい人多いじゃないですか?
きっと廻りが「ダサい」と言えないから変わらないんじゃないですかね?
恐いですね。


ある弁護士受験生が、最も傷つけられたが、「最も危機感を感じたことば」を紹介しまし
ょう。弁護士受験だから長くかかるのが当然だから「ゆっくり行こう」なんて思っていた
わけですよ。そんなに家庭も経済的にも困っていない家の子ですよね。
はっきり言えば「危機感ゼロ」ですよね。


なんと言われたかというと「お前な、今のお前は何の価値もないんやで。たしかに大学
まではいい大学出てると思う。でもな、お前はな、日本のGNPに全く貢献してないんやで
駄菓子屋のおばあちゃんだって日本のGNPに貢献してるで、お前それ以下やで」と。
たったのひと言で変わったりするわけですよ。でも、そのひと言で叱ってくれた
人間がいなかったら「ぞっ!」とするはずですよ。いつまでもわからんからですよね。
「その時は腹が立って腹が立って仕方なかった」と言ってましたけど、
よく考えると事実なんですね。だから、よけいに腹が立つんですよ。


何年か立ってその時のひと言を受け入れることができるようになってて、今は怒って
くれたこと、そう言ってくれたことに感謝しているって今でも言ってますよね。


もう、一人上げましょう。兵庫医大に合格して「さ〜入試で苦労したから遊ぶぞ〜」と留年
はするわ、国試何回も落ちるわでどうしようもない奴でしたよ。
でもある事件ですぐ国試も合格したんですよ。
阪神大震災で親父が亡くなり、病院も地震で壊滅、母親は新興宗教に走り、兄弟は全て
大学在学中だったんですけど皆辞めざるをえなくなってしまったんですよ。
文字通り「全くのゼロ」になったわけですよね。長男ですよ、そいつ
「さすがに焦った」と言ってましたね。第一国試の予備校に通学する交通費がないから
予備校まで歩かなければならないわけですが、これはそいつにとって経験したことのな
い世界ですよ。それまで親父のいい車でいつも遅刻寸前で通学してたんですからね。


その年にすぐ国家試験合格しましたよ。今は有名な病院で働いてますけどね。
とにかく受験とか言う世界には「叱ってくれる人間や危機感」が不可欠なんですね。
そういう意味では「先生」と呼ばれる職業の人達は、生徒以上に一番気をつけるべき人
種なんですよね。

 

自分自身を「単なるサービス業の親父」と置き換えて認識を変える必要
があるんですよ。そうすれば多少は謙虚になりますよ。「先生」なんて高尚な名前で呼ば
れるから大きな勘違い起こすんですよ。
(これは常に自分自身にも言い聞かせないとすぐに勘違いするんですよ)


「そんなに言うほど大したこと教えてないでしょ!」と言いたいですね。

ただし、今の時代は先生は「怒らない」より「怒れない」ようになって来ているのが心配
ですよね。 これも問題ですよね。
もしかするとこの「勘違いから反省そして迎合の繰り返し」かも知れないですよね。

 

PS:福井県のSさんへ
  できるだけ早く数CDVDを送ります。今週中に入手できるように送ります。
 お待ち下さい。がんばって合格してください。もし、指導者の方であれば生
 徒さんの合格のお役に立てれば幸いです。

PS:東京のNさんへ
 東京のNさん、今日朝9時過ぎに送りました。明日には到着すると思います。
 「僅差の戦い」ですから勝ちに行ってください。合格を心から祈ります。
 波に乗ってくださいませ。 時間配分に気をつけてください。

指導記録90

<1月6日()>   高校の知りぬぐい(受験生の保護者へ)


受験が近いので日曜日も書く。「100号まで行く」と宣言した限り、絶対に達成する。最初から
読んでいる人は「あ〜忙しくなってきたんだな」と思ってくれれば良い。今日は全国の受験生
を持つ保護者を対象に書こうと思う。現在、必死で追い込みをかけている受験生を冷静な目
で見て欲しい。例えば、最高峰の医学部受験生といえども最初は高校でやるべきことの2割
位しか定着していない状態から始める場合もあるのである。昨日、物理の先生が「高校行くの
無駄ですよ。どこまで抜けてるんやと思いますよ。
なんで一週間にこれだけの時間があってなんで3年間もあってこんだけしか定着してないんですか?」と


予備校に与えられた期間は実質9ヶ月である。正直に言えば、高校の3年分の責任を
9ヶ月でやれ!と押し付けられているのである。(まず、ここを完全に理解して欲しい)
(そんな「間抜けな高校」があるからこそ塾とかがあるんやろ。だからいいんや!という声もあるが、今日は中立の立場で書こう。完全にこれもお客さんが気がついてない所だからわからせる
必要もあると思う。)よく考えて欲しい。


予備校や塾が9ヶ月で終了できることを、高校には365日×3の猶予があるんですよ
でもそのこちらから見れば十分長すぎる期間で2割位しか定着していない生徒がたくさんいるんですよ。そこそこの進学高校の生徒でも驚くほど定着していないんですよ。
大体、私立高校の売りである「学校以外に塾に行く必要はありません」とか言いながら、夏位から学校を脱走して来る生徒だっているんですよね。


だから、高校の先生がもっと研究して腕を磨いてやるべきことをしっかりやれば、塾や予備校なんて必要ないんですよ。保護者も更にお金がかかる必要もないんですよ。しかし、正直な所、今の高校の内容の定着度の悪さは現場の人間から見てひどすぎるんですよね。

間に合わないですよ。


学校現場には色々と受験指導以外の部分もあり、大変なことはわかりますので、以下は
適当に流している先生に向けて書いたものと理解してくださいませ。


<原因>
1、高校の指導が全く的を外している。

2、競争原理が働いていない。

3、教室内にモチベーションが起こっていない。
(生徒のやる気ゼロだからただ時間だけが過ぎている)

4、いくらでも手を抜こうと思えば手を抜ける

5、視野が狭い

6、研究をしていない(自分のわかるテキストだけを利用している。予習をしなくて済むからだ
  と思う。やったことのある問題なら覚えているし、予習の時間を他の仕事に廻せるからだ
  と思う。「楽を覚えるとどんどん手を抜いていく」ようになるし、当たり前になってくる。)

7、生徒が学校を脱走するということは「ここにおっても時間の無駄」と生徒に見切られている。

8、強制補習の内容が最悪(保護者はわからないだろうが、全く意味がない。見る人が見れば
  わかる。本番で点が取れるとは思えない。
  学校の先生の配布プリントを見ればすぐわかる。ただ強制的に収容されているだけだから
  貴重な時間の無駄であり、生徒が逃げるのも無理はないと思う。)

9、中間、期末テストと入試本番の距離が遠すぎる。

10、面接、小論文指導においては何もやっていない。やり方さえもわかっていない。

11、諦めているのか「お前、俺はわからんから予備校行け」と放棄している先生もいる。

12、高校現場の意識が低いので「どうやって欠点を出さないか?」の方に努力をする。

 

私も中高一貫進学高校で指導したからわかるんですけど、「自分の視野が内向き、内向きに
なるんですよ。自分の高校の生徒だけが基準に見えるんですよ。怖くなりますよ。自分の高校
の中の先生と競争しても地区大会は勝てても全国大会では予選落ちするんですよ。

 

何十年も同じ学校で同じ人間といたら、外部の変化ってわからなくなるんですよね。鈍感になる
んですよ。
そして保護者も学校でやってる内容がいいか悪いかまでわかんないんですよ。
たぶん「進路のバリエーション」が多いから手が廻ってないと思うんですよね。
だから民間の塾とか予備校に簡単に負けるんですよ。本来、同じ人間だし、同じことをやればお金と時間と労力をかけてまで行く必要ないですしね。
お客が別の所に動くということは「ひどい」ということ以外に考えられないんですよ。


あるいは、もっと金銭的負担は軽減されると思うんですよ。だって予備校の3倍の時間を与えら
れているんですからね。
でも3年間で定着が「ゼロ」というのがざらにあるんですよ。大変なことですよ。学校は何やってるんですかね。塾や予備校でもう1回学校と同じことをしなくちゃいけないんですよ。本当に時間とお金の無駄なんですよ。」


それと学校の先生に言いたいことは、(他塾の場合も含めて)学校でやっている指導、使用しているプリントや教材、発言等すべて塾や予備校等の民間機関に流れて、吟味されていることを忘れてはいけないと思うんですよ。これは仕方ないですよね。


「こんな教材やプリントこの時期にありえない」とか「学校で板書したノート等」を見れば、「化けの皮」はすぐはがれるんですよね。また、学校の進路指導で言われたことは更に塾や予備校等で「どんな指導しとんねん?」と再びチェックされているんですよ。そこで何も知らなかった父兄が「知恵」を入手して更なる学校不信が造りだされるわけですよね。


ある意味、学校不信というのは「塾や予備校の再チェック」によって造られている所があるんですよ。(だから憎まれる存在なんですね。)
また、モンスターペアレンツが発生しても仕方のない所だってあると思うんですよ。


でも、国立志望の現役生が本番で7割台で止まるのも、そこから慌てて私立対策に走っても完全に間に合わないのも、小論や面接も全てできていなくて願書の志望理由さえ書けずに「単なるパニック」として貴重な一年が終了するのもこれまでに何年も繰り返されている、今だに改善されていない事実なんですよ。毎年同じような失敗を繰り返しているということは、「学習」されていないということなんですよ。あるいは改善する気もない位麻痺しているかだと思うんですよ。更に「推薦出す代わりに生徒が行きたくなくてもここ受けろ」とか最初から難関私立志望専願なのに強制的にぎりぎりまでセンター対策だけやったりしているんですよね。


受験前から「今年はあきらめて来年につなげ」なんて言ったりしてますよね。わかっていると思うんですが、「浪人しても次にうまくいく保証なんて絶対にないんですよ」


日能研理事長、日能研関東会長の小嶋勇会長が「いきざま」という本の中で興味深いことを書
いてますよね。「学校関係者をあ然とさせた究極のアイデアを実行したこともある。
ぬるま湯につかりきった先生方の目を覚まさせようという一種の「ショック療法」のつもりで考え
ついたアイデアだ。日能研関東では、首都圏の私学関係者をお招きして「私学対象講演会」を
定期的に開催している。品川プリンスホテルを会場に全部で202人の先生方にご参加いただ
いた。
この時、私は参加者をそれぞれの学校の偏差値順に座らせたのである。偏差値が低い学校
は、一番前の列、以下順番に席を割り振り、偏差値の高い難関校は一番後ろに座ってもらっ
た。当然ながら会場には戸惑いとどよめきが広がった。前の方に座らせられた先生方は屈辱
的な気持ちになったに違いない。だが、それこそが私の狙いだった。理由は言うまでもないだ
ろう。偏差値の低い学校ほど私の話を聞いてほしかったためだ。偏差値が低いのは、その学
校の努力が足りないからだ。人気がないのはその学校に魅力がないからだ。つまり、偏差値
を上げるには、問題点を改善して魅力を高めればよい。私はそれを訴えるためにこの講演会
を開いた。だからこそ、あえて嫌われることも覚悟のうえで、常識外れ、おきて破りの着席順に
したのである。


講演の冒頭でさらに一発かました。参加者の中に普段着のままバスケットシューズ履きでやっ
て来た先生を見つけ、「人の話を聞きに来るのに何だ、その格好は!あなた方は非常識なん
だよ!」と怒鳴りつけたのである。(1)」小嶋会長が言うには「学校の常識は世間の非常識」だ
と。更に小嶋会長の素晴しい意見として次のようなものがある。


「受験勉強について、もう少しだけ話しておくと、「失敗する悔しさ」を経験することも大切だ。
それによって、心の痛みを覚えることができるからである。実際、私は保護者にこう訴えて
いる。「受験する時には、必ず1校は落ちるようにしてください。どこか、いわゆる記念受験
をしてみてもいい。落ちることもまた、子供にとって貴重な体験になるのですから。この受験
で受かる喜びと、落ちる苦しさの両方を必ず体験させてください。」と


「かく言う私も五十数年前、中学受験で失敗している。私も某私立中学に入学した口だが、
第一希望の学校はものの見事に落ちた。だからこそ言えるのだ。決して負け惜しみで言って
いるのではない。なぜ落ちたか、答えは簡単だ。自分より努力した者が合格し、努力が不足
していた者が不合格になる。


ライバルに負けた悔しさ、応援してくれた両親や先生に対する申し訳なさ、そして何よりも
自分自身の不甲斐なさへの怒り、情けない思い--あの時に味わった諸々の感情は、間違い
なくその後の私の人生に役立っている。心の痛みを知ることで、他人を思いやる感情も育って
くる。周囲の人間への思いやりや感謝の気持ちも、より強く感じるようになる。それがいつか
自分に戻ってくることも失敗した経験を通じてわかるようになるのである。人は自分一人では
生きていけない。親、友人、兄弟、妻や子供たち、そうした人々の支えと協力があって初めて
自分の自分の人生が成り立つことを、決して忘れてはならない。(2)」
「外の世界を知らない小さな権力者」たくさんいますよね。


今年は「高校の尻ぬぐい」が異常に多かったのでぜひとも報告したいと思う。

少し、感情的になりましたが「未熟な人間だからこそたまには感情的になる」と思ってください。


「もう少し、早く来てたら」が多いと責任転嫁したくなりますのでご理解ください。
 

(1)参考文献:「いきざま」P204〜205日能研理事長 小嶋勇著 高嶋健夫編 
  日経BP2007
(2)参考文献:「いきざま」P250〜251日能研理事長 小嶋勇著 高嶋健夫編 
  日経BP2007

指導記録89

<1月5日(土)>   集中力


「どうだ?直前の心境は?」と聞けば、「そうですね。ちょっと浮き足だってますね。」と答え
が返って来た。この浮き足だった状況で(追い込まれた状況)でどれだけ当日爆発できるか
どうかだ。大体、現役生は間に合わせようと必死であるから浮き足立つ暇がない。だから
当日浪人生に勝ったりするのだと思う。勉強してなかった体育会系の生徒が強いのは、
試合に向けてコンディション創りに成功した場合もあれば、失敗した場合もあるからだと
思う。以前、甲子園球児を指導したことがあるが、さすがに集中力はあったと思う。
予備校にプロレスラーの卵がいたり、高校時代の藤原紀香がちょっとだけいたなんて聞
いたこともある。(ちなみに女優の沢口靖子の高校時代は南海電車のシンデレラと言わ
れる位有名だったらしい。俳優の赤井英和の恐れられている噂も相当有名だったらしい。)
「集中力の差」の良い例が、全日本ラグビー選手権で社会人NO1と大学日本一が激突
すると思う。その勝者の歴史を振り返ると圧倒的に社会人の方が強い。
おそらく社会人は大学生よりも練習時間は少ないはずである。
その少ない練習量の中で「差」が出るのは集中力の差ではないだろうか?


わたし自身の例を上げれば中学高校と柔道部だった。
中学は柔道部主将でサッカーのフォワード(反則退場専門のフォワード)もやっていた。
高校は柔道部の副主将だったが、よく警察署の中にある警察道場に練習に行っていた。
ばりばりに練習していたので最初は「ポリ公ごときに負けるわけがない、第一練習量が
違う!」と生意気に思っていた。
本物の警察と対戦できると思って最初は喜んでいたことを覚えている。
また、前日、プロの警察官を投げている自分を想像してニヤニヤしていた。
また、警察官達が練習前にタバコを吸っているのを見て「けしからんポリ
公や、見とれや!」とか思っていたと思う。
しかし、実際にやって見てとんでもない衝撃を受けることになる。
柔道は不思議なもので組んだ瞬間に「あっ!負けるな、投げられるな」とわかるものだ。
相手が強ければ強いほど早い段階に肌感覚でわかる。
警察官にはただの1度も勝つことはできなかった。
有効1回位取れただけだった。
もし、不良にかぶれている生徒が見ていたら忠告しておこう。
「警察官はめちゃくちゃ強い、だから逆らうな!おとなしく何でも自首しなさい」と 
ちなみにその警察より上の政治家なんかのボディガードをしているスーツを着たSP
(政治家の講演会なんかで後ろに左右に2人位たっている屈強な男達)
なんかは空手の先輩がやっていたが、更に天文学的に強い。
(先輩の中には企業の社長のプライベートボディガードを月に30万円でやっていた人もいた。
仕事は、車の運転とボディガードである。)
たぶん、逆らうと「まばたきをする瞬間」に病院送りにされると思う。
今なら手も足も出なかった理由はわかる。警察官は当時高校生の「へたれの私」より、常
に緊張して現場での集中力が研ぎ澄まされていたからだと思う。
「かける技が全て読まれている」し、反則だと思うのだが、背負い投げに入る瞬間に一瞬、
カウンターで膝蹴りを合わせて来られた時に「こいつら本物や〜!」と思った。
(警察官の現場での犯人逮捕術の一つだと今なら分析する。意図的な反則ではなく、職業柄
自然に警察官が反応したのだと思う。カウンター攻撃は最大のダメージを与えるものだ。)
そこから最後まで投げられ放題だった。
そして、あれだけの練習をした後にまた再びタバコを吸っているのだ。
「ぼうや、十年早いよ」と言われているようだった。
つまり、「本当に効果のある限界まで集中した時間だけが栄養になる」
そして「その積み重ねがいざという時の不動心を産む」のだと思う。
書きながら当時を思い出した。
明日から警察官を見かけたら「お疲れさまです。ご苦労さまです」と言おう。

意外なことかも知れないが、柔道とか空手を始める子供は「元いじめらっれこ」
が多い。「いじめられた経験」と「いじめられた自分が許せない」とか2つの
感情を同時に持っているものだ。そしてコツコツ努力する。
性格も単純そのものだ。
私も中学から柔道を始めたのは、「学校で最も権力がありそうなクラブ」だったから入った。
「できるだけ早くえらそうにしたい」という理由だけだった。

もう一つこの世界には「最初から天才」もいる。ただし、練習嫌いである。先輩にすごい
人がいた。この先輩、目の前で「腕立て1000回」やったのはびっくりした。翌日、腕が
腫れて休んだが、非常にかっこよかった。
この先輩の弟がまた「天才」だった。背負い投げで投げられても「ブリッジで支えて背中を
つけない」のだ。信じられない位の猫のような反射神経の持ち主だった。
もともとの天才っているんだなと思った。天才のDNAってあるんやと思っていた。
でも兄弟2人とも地味なおもしろくない練習はしない。
一定の所までは急激に伸びるがそこで止まる。
才能だけで試合に出ていた。


こういう先輩を見ていただけに柔道を始めた時に毎日、「受け身」の練習がいやでいやで
仕方なかった。冬は畳が凍っているため、手や背中が痛いのである。
いやいややっているのが顧問にばれて、ある日訓話を聞かされた。
(投げられるか殴られるかどちらかだろうと緊張して顧問の前に行った)

「おい、お前受け身は何のためにあるかわかるか?」と

「いいか、ビルの8階から落ちたら即死や、でも受け身を知っていたら救急車で済む。
それが受け身や!」と

当時はそれを聞いて完全に納得する位単純だった。

 

【謙虚さと素直さの重要性(自らの反省記録)】

これも反省だが、中学や高校時代は生意気で仕方なかった。そのためしなくてもい
い遠廻りをしていた。
高校の柔道の県大会ではみんな必死でコンディション調整する。例えば、
選手なら試合と試合の前や間なんかは「バナナ」か「スポーツ食品」で消化の良いもの
だけを口にするだろう。私は試合と試合の間も「甘ったるい缶コーヒーのジョージア」を飲んで
いた。今、考えても自分で損をしない限り、理解できない馬鹿だったと思う。


空手の試合でも調子に乗って1度中量級に階級を上げて75kg制限までのクラスに
エントリーしたことがある。第7回全関西ウェイト制大会だったと思う。
今考えるとほとんど自殺行為である。
普段80kgの選手が5kg減量して出て来るのに60kg台の人間が出るということは
20kgの「差」である。20kgnの差がパンチや蹴りに乗って来るのにである。
おまけに体重を上げるのに前日に焼肉食って試合の直前にたらふく「ごはん」を押
しこんでおまけにユンケルの最も高い金額のものを飲んで出るという信じられないこ
とをしていた。普通は焼肉など消化に時間がかかるものなど前日に絶対食べない。
なめていたからだと思う。

または「俺ならなんとかなる」とか思っていたからだと思う。(自信過剰なのか馬鹿な
のかプライドの高いやつは当たり前にこんなことを考えるから始末が悪い。第一人
の話を聞いていないのだから明らかにわかる展開が全く見えていない。)

 

当然のごとくボディを徹底的にきめられ、女子トイレで吐きまくったことがある。意識
もうろうで男女のトイレの区別がつかなかったというのが本当だった。本当に痛い思
いをして損して初めてわかる愚か物人間だった。たしか女子トイレで汚物を口から
流しながら寝ていたと思う。
完全に破壊された。この時の全身の痛みは約20年経っても今だに覚えている。
ここまで破壊されてやっとわかるのだから自分が本当にいやになる。

 

しかし、警察に通報されずに良かったと思う。というより40分以上自分が吐いた
汚物にまみれて寝ていたのだから、たぶんドアを開けた人がすべて逃げていった
のだと推測する。あるいは、変質者と間違われたか?は今だに不明である。
(トイレのドアを開けたら空手着を着て更に口から汚物を大量にたれ流して倒れて
いる人間がいたら普通は逃げるだろう。)

「生意気な性格」というものは本当にこわい。
この天罰を受けてから「科学的トレーニングの重要性、コンディション調整の大切さ」
にやっと気がついた。
もともと素直で謙虚だったら上記のような馬鹿なことはしないだろう。


それから食生活や規則正しい生活を目標達成のために大切に思い始めた。
受験生の中にも生意気で人の話を聞かない生徒もいるが、聞く準備ができてない限り
遠廻りをするだろう。また私もその聞けない気持ちもよくわかる。


性格を変えるのは大変なことだ。 大体聞いているようで聞いていない。
もし、保護者の方が読んでいて自分の子供が「生意気かプライドが高すぎて困る」という
方であれば、本人が徹底的に「どん底」に落ちないとわからないと言える。
それ位難しい。(自分が子供を持つまで子育ての大変さが理解できないのと同じ)

傷つき→気づき→築く(新たなものを再構築する)

にはとてつもない時間がかかる
それをどれだけ早く気づかせるかが問題だ。
生意気だった人間が言うから間違いない。
ただし、そこから失敗を教訓にして「深く考え始めるようになった人間」
の成長はものすごく早いと思う。

 

PS:東京のN様へ

  数学CのDVDは複数人で見て内容チェックをかけるのですが、22日から試験ですね。
  今回のCは医大に絞ったものではなく国立京都大や私立の早稲田などの問題も入って
  います。Cの問題として適したもので製作されています。できるだけ早急に送ります。

指導記録88

<1月4日(金)>   どんぐりの背比べ


昨日実施した「小論文コンテスト」の問題を「最新入試問題の研究コーナー」にアップしておい
た。興味のある方は参考にして頂きたい。業界の先生達にひとこと言いたい。今、入試制度は
激変の転換期である。
今後、入試制度はどんどん前倒しになり、「人物評価」「AO入試」「適正検査」の人物入試に急
速に変化する。お客さんの要望にダイレクトに対応できる能力を準備しておいた方がいい。
「逆にお客さんに指導を請う」という情けない状況に直面する。
次に面接の意義について少し意見を述べたい。企業は広告費と同様に新卒採用に最もお金を
かける。つまらん人間をいったん採用してしまうと急にクビにはできない。ということは企業その
ものは「役に立たない人間」に高い人件費を払い続けなくてはならない。これは、企業としては
致命的損害と言える。次に仕事の覚えの悪い人材をたまたま採用してしまったとする。企業側
からすれば、1日も早く組織に利益をもたらして欲しいと思うのは当然である。
つまり、「一人前になるまで利益を組織にもたらさないのであるから、企業組織側からすれば
一人前になるまで捨て金を支払わなければならない」つまり、戦力になるまでは捨て金を垂れ
流す(組織に「痛み」を与え続ける)というのが人材採用に対する基本的考え方と言えると思う。
受験生であれば、留年することなくストレートで国家試験合格まで走れる人材を取りたいという
ことになるだろう。だから推薦入試の評定が高いということになる。
人材採用はとてつもなく重要で「人材=人財」と言われる所以である。
個人的意見で恐縮だが、毎日見ている印象の良い生徒でも模擬面接をすると不思議と印象
が薄くなり、普段あまり目立たない生徒に対して「この子欲しいな〜いいな〜」とか思ってしま
うのである。自分自身で「あれ?」とか思ってしまう。その場の魅力に誘導されているのだろう。
引き込まれている自分に後から気づくのである。面接官が3人ということは、ボクシングの
ジャッジと同じで「ドロー(引き分け)を発生させないため」とも言えるだろう。つまり3人中の
2人以上を「言葉と態度の魅力」で引き寄せなければならない計算と言える。
つまり、言いたいことは毎日良い印象を受けているにもかかわらず、「面接の場というフィルタ
ー」を通すとかなり逆転が起こるということだ。
大体、視野が極端に狭くなっている受験生が「自分を客観的に観る機会などない」のだから、
講師の中には無理して「洗脳」を仕掛けようとする講師もいる。例えば、私立の獣医学部
の受験生なんて日本に5大学しかないのだから、ほぼ同じ顔の受験生だろう。私立の医大
も、これほど受験校が重なる受験もないだろう。悩みもほぼ同じだ。
だからこそ「僅差」にこだわる。これが見えているようで見えていない。また、指導できる人材
が市場に少ないからという理由もある。これも「盲点」と言えるかも知れない。

小論文プレテストPART3

小論文 プレテストβ
試験日〔 〕 フェニックス・ゼミ 

 次の課題文を読んで問に答えなさい。解答は所定の欄に記入しなさい。

 

[課題文] 

 近年における科学技術の進展にはめざましいものがあるが、その一つに、遺伝情報の解明とそれに基づいた医学の発展が指摘できる。人間社会に寄与するプラスの側面としては次のような諸点がこれまで指摘されてきた。

 遺伝子上の情報にはさまざまなものがあり、そのなかには種々の疾病にかんする情報も含まれている。このような遺伝子を疾病関連遺伝子という。こうした遺伝子はそれだけで疾病をひきおこすものは少なく、多くの場合個体をとりまく環境との相互関係において疾病を惹起していると考えられている。各個人が自らの遺伝情報を知れば、疾病の可能性や、場合によってはその蓋然性の大きさについても推測できるので、遺伝情報が各個人にとって有益な情報たりうることは事実である。将来、ある疾病の発症可能性がわかれば、それにたいして何らかの手を打つことはできるかもしれない。生活習慣の改善によって発症を防止したりあるいは遅らせたりすることは可能であろう。転ばぬ先の杖ということわざのとおりである。もちろん、なんらかの理由から自分の遺伝情報を知りたくない人はいるであろう。そのような人は、遺伝情報を求めなければよいのである。

 また、出産をひかえた母親がなんらかの疾病関連遺伝子を有した子を宿したとき、両親が疾病の発病を恐れ、妊娠中絶の道をとることも十分に考えられる。子供が幸福な人生を歩むのは誰もが望むところであり、逆に子供が非常に困難な疾病を抱え込むことはどんな親にとっても心配である。したがって、遺伝子診断の結果として両親が出産をひかえたとしても、そのこと自体は理解できる行動である。配偶者を選ぶ時にも遺伝情報が使われるとすれば、その動機は出産前の遺伝子チェックの場合と重なり合う部分がある。いままでも近親婚を避けるなどの配慮はあったので、婚姻にさいしての遺伝子のチェックはまったく新しいことではなく、その延長線上にあると考えることも可能である。

 さらに、遺伝情報は、生命保険や各種疾病にかんする保険に利用される可能性をも有している。現在では加入前の審査は主として既往症の有無などによって行われているが、これからは加入にさいして各種の遺伝情報の提示が求められていくかもしれない。保険会社は、各個体の疾病関連遺伝子を知り、当該個人の疾病発生のリスクを計算することができる。各個人の行動様式や個体としての特性にあわせて保険を設計することを細分化保険という。たとえば、喫煙者と非喫煙者との差はそれぞれの行動様式の違いとして理解することができる。このような場合には、喫煙者にたいしては肺がんなどの疾病の可能性が高いと考え、非喫煙者に比べて高い保険料を課すことが考えられる。遺伝情報の獲得はこのような細分化保険への道をつけることにもなろう。保険会社の立場からすれば、各主体が負っているリスクの大小に応じた保険にすることができるので、リスクが小さい主体にたいして過大な保険料を課す必要がなくなる。いままでは、小さいリスクの持ち主が大きいリスクの持ち主にたいして相対的には保険料を払いすぎていたともいえるのである。遺伝子診断を利用した細分化保険が導入されれば、個別主体のリスクに応じた保険料の徴収が可能になる。

 このように、遺伝子診断によって、私たち個体の将来についてよりいっそう詳細な情報が得られるようになることは、科学的知見の大きな飛躍である。とくに、遺伝子診断が遺伝子治療にまで進めば、人間が自らの英知によって身体面にかかわるわずらいから自由になるのも時間の問題であるように考えられる。これは、たしかに劇的な科学観の変化だといえよう。

 

[設 問] 

問 課題文では、遺伝子診断が人間社会に大きく貢献することが三つの事例によって主張されています。

@ しかし、これとは逆に、科学の力によって遺伝情報が明らかになることから生ずる問題もあると考えられます。三つの事例の中から一つを選び、課題文の主張にたいして説得的な反論を加えなさい。その上で、そうした問題を解決するのにどのような対策を社会的に講ずることが望ましいのかを模索しなさい。解答欄Aに600字以内でまとめなさい。

 

A さらに、@にたいするあなたの解答のうち、課題文への反論部分を解答欄Bに40字以内で要約しなさい。

   

小論文プレテストPART2

 小論文 プレテストβ
フェニックス・ゼミ 

問 次の文を読み、あとの設問に答えなさい。

 

 学問を職業としてきたから、先達が書いたものをいろいろ読んで勉強するのは仕事のうちだ。勉強して、疑問にぶつかり、そのつど自分なりに一生懸命考えて、結論めいたものに到達する。到達しなくてもあきらめない。いつかわかる日が来るかもしれないから、すっきりしなくても何でも、疑問は疑問のまま残しておく。専門分野から日常的なことまで、僕にとってものを考えるとは、そういうことである。

 こうやって長年考えてきたことを、本に書いたり、講演などで話したりする際、言葉ひとつにも、かなり気を遣ってきた。一般の人にわかりやすくしようというより、自分で納得のいかない言葉は使いたくないからだ。特にカタカナ語。たとえば「コミュニケーション」である。僕に言わせれば、これほど怪しい言葉もない。人がふたりいて会話しているイメージだが、このふたりはコミュニケーションによって、どこまでわかり合えるのだろうか。お互いに相手の言葉によって、考えや気持ちは刻々と変わるはずだ。お天気の話で終わるならともかく、一方がついうっかり「バカ」なんて言おうものなら、話の流れによってはゲンコツが飛んでくるだろう。相手が変わってしまったら、話はそこまで。コミュニケーションどころではなくなる。

 コミュニケーションという言葉は、アメリカ人がよく使う。彼らは確固とした「不動の自己」というものを信じているから、軽い言葉のやりとりでもコミュニケーションが成り立つ。そんなイメージでこの言葉をとらえているのではないだろうか。だが僕は、確固とした自己なんてそもそも存在しないと思っている。片時も同じ状態にとどまらないのが生き物の仕組みであり、人間の脳なのだ。

 カタカナ語は好きではないが、日本語の語彙の中に適切な訳語がない場合は、そのまま使うしかない。「サイズ」がいい例だ。メートル法の時代に「寸法」では古くさいし、「大きさ」というと、すでに「大きい」という価値観が入っている。「小さい虫の大きさ」では、会話の中でならまだいいが、文章では違和感がある。「システム」「グループ」なども、そんな言葉の中に入るであろう。

 自分が納得できるように、つくってしまった言い方もある。よく使うのが「ああすれば、こうなる」。脳化社会にどっぷり浸かった人間が陥りがちな、硬直したシミュレーション思考のことを、こう表現してみた。自分の考えを伝えるには、ふだん使い慣れている言葉を使ったほうが、本人も心地いいし、人にもわかってもらいやすいようだ。

(養老孟司「旅する脳」による)

 

問 あなたにとって納得できない言葉とは、どういう言葉ですか。例をあげながら、その理由を説明しなさい。ただし、本文に出てくる例は使わないこと。(六〇〇字以内)

小論文プレテストPART1

  小論文 プレテストα
フェニックス・ゼミ   

問 次の[課題文]を読んで、以下の問に答えなさい。解答は所定の欄に横書きで記入しなさい。

 

[課題文] 

 インターネットの利用者は年々増加を続けている。情報通信白書によれば、平成15年末の利用人口は7730万人であり、人口普及率は60パーセントを超えている。また、世帯普及率も平成15年末において9割に迫る勢いをみせている。これほどインターネットが普及したのには、インターネットにより、情報交換や情報収集が低コストで迅速かつ容易に行うことができるようになったため、他の媒体を通じて行われてきた通信や各種取引の多くがインターネットに代替され、インターネットが生活必需品となりつつあるという背景がある。

 インターネットの普及により、人間と人間との関係、そして人間と社会との関係に多種多様な変化がもたらされてきた。その変化にはインターネットのもついくつかの特性が関わっている。その1つとして、人々はネットワーク上で自らの知識や経験を伝え、そして自説などを発表することが容易にできるということがあげられる。実際今日では、このようにして発信された情報は膨大な量に達して日々ネットワーク上を行きかう状況となっている。

 一方、インターネットの世界では、情報を受信する側においても、これまでとは異なる方法が用いられる。人々は、例えば既存のマスメディアから発信される情報を、他者によって選択されたものという認識をもたずにそのまま受け入れる傾向があった。これに対してインターネットの利用者は、理論的には望むだけの情報を収集し、その中から必要なものを主体的に選択できる。

 インターネットはまた、既存の人間関係に縛られることなく自由に意見交換を行う道具としても優れている。社会的立場や利害関係にとらわれることなく、誰もが自由に参加できる、対話や討論の開かれた場を作るのにインターネットはむいている。しかも発信されたネットワーク上の情報は、国境を越え、文化や民族の違いなどの制約を乗り越えて相互に行きかうので、議論の場はグローバルな規模で拡大する可能性をもっている。

 ネットワーク上には年々豊富な情報が蓄積されている。誰もがいつでもどこからでもこれらの情報を引き出し、世界中の社会・政治・経済問題に関する他者の考え方を知り、それに基づいて自ら意見を形成し発信することが可能となった。そうした機会が増大することにより、志を同じくする人たちが実は多数存在するということが認識され、人々の間の横のつながりの形成を促がす要因になったという側面は見落とすことができない。インターネットを通じた横のつながりの形成は、例えば、今日におけるボランティア活動、さらにはNGOやNPO活動の発展に貢献している。

 インターネットにより情報の受信と発信の機会が増大することによって、人々が共有する問題やそれに対する見解をめぐり、率直な議論が引き起こされることが期待できる。インターネットは、公共的な議論の場の形成やその拡大に大いに寄与するであろう。こうした世論の広がりとともに、公共的な議論の質も変容していく。

 しかしながら、インターネットが持つ大きな潜在的可能性は、人間と人間の関係、人間と社会の関係を望ましい方向に導くことになるのであろうか。これにはさまざまな課題が残されているのも事実である。

  

問 インターネットを介した交流の特色の1つに匿名性がある。これは、既存の人間関係を越えて自由な意見交換を促す役割を持っている。その反面、匿名性によって問題が引き起こされていることも事実である。どのような問題が存在するか、インターネットがもつ匿名性の長所に言及しながら、具体的な例を用いて600字以内で述べなさい。

指導記録87

<1月3日(木)>   人生の選択肢


後輩の年賀状に「三菱電気」を退職しました。と書いてあったので驚いて電話をした。「転勤を受諾しないと平社員と同じ条件にする」ということらしい。
言ってみれば「遠廻しのリストラ宣告」だ。
受験生の中にも親の仕事の関係で転校、転校を繰り返して来た生徒もいるかも知れない。
転勤を繰り返すとせっかく今まで出来た人間関係がまた「ゼロ」からのスタートになる。あるいは、親が年老いてボケ始めたり、介護が必要になって来ると「故郷に帰りたくなる」「帰らねばならない」とか考えるようになる時がいつか来ると思う。
受験生時代というのは、ある意味「親から完全保護された状態から自分で先のことを考えさせられる、考えなければならない第1段階」と言えるだろう。
「ぼくは3度のご飯よりこれをやっている方が幸せ!」とか決まっている生徒は幸福だろう。
理由は「心に全く迷いがない」からだ。
最も苦しいのは「自分がどの進路に行ったらわからない」「どうしたらいいのかわからない」とか
常に悩んでいる生徒だと思う。大体位でも自分が何の仕事が好きとかかわかっていたらいい。
しかし、全くどうしたらいいのかわからない生徒だっている。これは精神的に相当苦しいだろう。
ただ、もがいているうちに打開策が出るかもしれない。
最悪なのは直面することを避けていて「問題を先送りにしている場合」だ。
例えば、開業医の父兄であれば、「跡継ぎ」がいなければ、「病院を売る」か「序々にゆっくり閉
める」方向へ動くだろう。診療所であってもある意味「公共の施設」と言える。
建物を「壊す」あるいは「解体する」のだって大変だ。地域の患者だって困る。
家族全員がお世話になっている家も少なくないからだ。
この建物を守るための「責任感とプレッシャー」に18や19で耐えるのも大変である。
「自分の代で潰しては先祖に申し訳ない」という場合もあれば、「俺が裸一貫で開業のための
莫大な借金を銀行が貸すわけない。まして俺の腕で客がつくわけない。それをじいちゃん、
親父が全部準備してくれた。俺はやるで!」と圧倒的に前向きな場合もある。
または、「親父が忙しくて家族旅行さえも1回もしたことがない。他の家族旅行している家がうらやましかった。俺はそんな生活嫌や!」とかもある。または、中学生で女の子なのに「救急医療しかいかない。そこにしか意義を見出せない」なんてとてつもなく志の高い場合もある。
最終的にどの職業にもそれなりの苦労はある。
ベンチャー企業を起こして金銭的に大成功しても奥さん、子供は全て逃げてしまって誰も家にいないなんてのも多い。家庭が崩壊する引き換えに富を得たという場合も多い。
銀行員でとてつもない熾烈な出世競争に疲れ果てる場合だってあるし、苦労して弁護士の資格を取ってもお客さんがつかず全然元が取れない場合だってある。
その第一段階の将来の自分を決める試験が今月から開始する。迷っていようがどうであろうが
試験は開始される。全国の受験生はがんばって欲しい。

指導記録86

<1月2日(水)>   数学CのDVD完成

 

非常に完成が遅れていた数学CのDVDの編集がほぼ終了した。明日、検査作業に入る
予定だ。年内に間に合わせたかったのだが、完成が遅れた。特に数学3とCは現役生の
間に合っていない点であるため、もっと早く完成させるべきだったと思う。待っているお客
さんには迷惑をかけてしまった。この場をかりて謝りたいと思う。
数学3とCをやることによって志望校の選択枝が増える。これが最大のメリットではないか
と思う。高校の中にはセンターの対策だけやって2次の対策をやっていない所もあるし、
化学が終わってない。数学3が終わっていないとか「ざら」にある。確かに色々な進路の生徒
を抱えているのだから大変だと思う。学校に完全依存している生徒は未履修の状態で本番
を迎えなくてはならない。授業をやったことがある先生ならわかると思うが、「このペースで
残り時間がこれ位しかない。なんとか終わらせないといけない」と判明した後は慌てて急ぎ
始める。「授業内容が荒れる。普通でさえ定着度が悪いのに、更に悪くなる。そして何とか
間に合わせたと安堵しているのは先生だけ」というお決まりのパターンだ。
デビューしたての先生が、自分だけが「今日は良い授業したな〜きっと生徒は全員定着して
満点に違いない」と自己満足しているケースは非常に多い。そしてテストをやって見ると
「あ然!」とするひどい定着度に「こんなはずはない!」と愕然とするケースはよくある。
これを何度も繰り返して少しずつうまくなる。
良い先生が完成するのにも時間がかかる。
また、これが誰にとっても良い先生とは限らない。
これを見ている先生達は、「その通り!」と言うだろう。それほど定着を完全にしようと思うと
時間がかかるいし、回数も時間もかかる。
本当に「ローテクの極地の極地の世界」だと思う。
学校の定期試験に間に合わせるのならなんとかなるが、全国模擬試験や入試本番に間に
合わせるとなると話は全く別だ。
しかし、直前は集中力が最大状態になっているのでどんどん吸収することは間違いない。
現役生の直前の「ロケットパワー」はすごいと思う。まさに「ジェット噴射」のようだ。
時代は急速に便利になり、全てがボタン1つで答えが出る時代だ。
しかし、この教育の世界だけは本当にそういうわけには行かない。
時代はお金をつぎ込めば、それなりにそれに応じてサービスの対価も常に上昇する。
しかし、この世界だけは本当に効果の出るスピードが遅く、そして必ずしも対価に応じた結果
がついて来ない。
(最近は「もしかするとこの世界だけではないか?」とよく思う)
例えば、長期間指導してもらい、成績が伸びなかったり、入試に全敗した
生徒がいるとする。生徒の家庭は、教育機関や先生に対する「不信感」があって当然だ。
「講師が悪いのか?」「生徒が悪いのか?」「環境が悪いのか?」「意識が低いのか?」
「教材が悪いのか?」「進路指導が悪いのか?」お客さんもどこに原因があるのか知りたいだ
ろうし、我々も100%クリアに説明したいとも思う。
全国の先生方もそういう気持ちは絶対にあると思う。
悪い言い方をすれば、食堂に入って「食い逃げ」されたと思われても仕方がない。
「お客さんに恨まれて当然」の業界だ。
「合格にしか対価はない世界」だからだ。
しかし、これが100%完全正解がないのである。
先生が「思い込み」でしゃべって父兄がそれを信用したらそれがそのまま事実になったりする。
それ故、お客さんから見て「不透明な業界」と言われるのも当然だ。
だから「教育の見える化、指導内容の見える化」が本当に重要になる。

指導記録85

<1月1日(火)>   戦争開始


いよいよ年が明けた。最後の調整という所か?センター試験まであとわずか、私立について
は1月第3週から2月第2週のわずか3週間で終了する。
ただし、その受験日程の間で「すべり止め」を入れたりすると更に複雑になる。
つまり、各大学が「考えられるあらゆる試験のやり方」をさまざまな日程で行う時代なので、
お客さんが「情報の整理」ができていないことが最大の問題だ。
生徒も親も目の前のことに精一杯になり、願書だ、調査書だ、ホテルの予約だ、新幹線は?、
飛行機は?とかなるから本来は合格できた生徒が、あまりにも目の前でやることに翻弄されて
「十分に考え抜く期間」がないことが失敗の原因だ。
また、「第3者の客観的な目」も必要なものだ。
やはり、計画を立てて「どう転んでもこれ以上は考えられない」という所までいかずに、ただ目
先のことだけに翻弄されて慌てるのは毎年同じだ。言いたいことは、「お前、この志望校でも
いいけど、こういうリスクもあるで。こう考えたらこうなる可能性もある、けどこういう利点がある
で」とかあらゆるケースを考える時間が必要だと思う。
そして、「この学校に入学したら自分の満足度は○、でも将来の希望する仕事につける可能
性は×、親の満足度は△、自分は大学でクラブやりたい。でもこの大学にはそのクラブはない
から×、この大学は通学時間が片道2時間だからバイトはできない。でも自分の研究はできる
から△」とか一度、心の中にあるものを全て吐き出して「一覧表を造り、自分の心を完全整理す
る時間」が必要だと思う。
更に「この大学に受かれば行くから○、この大学しか受からなかったらもう一浪するから×
(でも親にこれ以上迷惑かけられないから浪人反対されたら行くかも知れない。仮面浪人す
るかも知れない。休学して自宅浪人する可能性もあるから最終的には△)
とか心の底までえぐり出しておく必要があると思う。そうすれば悩みは少なくなる。
満足度55%の学校しか受からない場合だってあるのだから。
そして、今の時代「子供が受験したくても親が反対して潰される場合も多々ある」ということだ。
年々増加していると思う。ただ保護者に気をつけて欲しいのは、子供は親の満足度を非常に
気にかけている点だ。最悪の場合、「自分の気持ちを殺して入学する場合がある」ということだ。
心の中では、「本当は行きたくない」のにだ。
これは、どこかで爆発する。中退する可能性も十分ある。退学する可能性も十分あるし、
とりあえず単位だけ取って最後まで不満の気持ちを抱えながら不完全燃焼のまま卒業する場
合もある。保護者に言いたいのは「この時の判断を絶対に間違えてはいけない」という点だ。
これが非常に難しい。なぜなら、何十年も後に「実は、あの時はこういう進路に行きたかったん
や。
でも親に気を使って行きたくない所に進学して、夢をあきらめたんや。実は」とか言われたら
保護者もその時に複雑な気持ちになると思うからである。
これが意外に多い。これを読んでいる人の中にも「俺もそうや!」という人もいると思う。
後になって入学してから本当の現実を知るから難しいのだと思う。
ぜひとも自分の心に正直に進んで欲しい。それを伝えたいと思う。
「やらなくて後悔するより、やって後悔した方がいい」

「自分に納得できないと、いつまでも引きずる」のだから