関西4私立医大合格のポイント
(化学編)
【近畿大学医学部】
化学U内容にかなり偏った出題である。ただし、有機は2008年のように化学T内容
中心に出題されることもある。3大栄養素は炭水化物、アミノ酸、高級脂肪酸の名前を
正確に把握しておくべきであろう。
勝負の分かれ目は化学Uの計算内容と言える。(過去2年は大問2に集中している)
気体、希薄溶液、化学平衡であるが、難問が出題されるわけではない。しかし、
ヘンリーの法則、溶解度積、イオン交換樹脂などの盲点をつかれる可能性があるの
で抜けのないようにチェックした方が良いだろう。
【兵庫医科大学】
無機が多く出題されるのが大きな特徴である。2007年に一酸化炭素、二酸化炭素が
大問で出題されたように非金属元素の性質や反応は確実に身につけておくべきである。
有機内容では特に炭水化物やタンパク質あたりでかなり細かい設問があり、全体的に
生物寄りの傾向があるので物理、化学選択者にはつらい所である。小問で1〜2個は
落としてもよい位の気持ちで挑むのが良いであろう。
【大阪医科大学】
ここ3年の出題を見ると、それ以前に比べると易化の傾向にある。しかし、2009年1番
や2008年の3番のように実験内容及び実験結果に対する考察を求められる問題が含
まれているのが大きな特徴であり、勝負の分かれ目はこのあたりにあると考えられる。
対応策としては、無機、有機、物質の性質を正確には把握しておくことが重要である。
(例えば2009年1番の問い5などは水酸化ナトリウムの性質が頭の中で「パッ」と
イメージできれば簡単に説明できる。)
また、理論内容はやや物理寄りの傾向があるので、特に化学/生物選択者は化学Uの
「物質の構造」を念入りにチェックしておくことを勧める。
【関西医科大学】
特徴としては「受験生の弱点をうまくついてくる」ということである。2008年の4番:ステ
アリン酸の単分子膜などがその代表例であるが、問題としてそれほど難問というわけ
ではない。
この様に勝敗のカギはずばり「幅広い知識と練習量」ということになる。過去問題はでき
るだけ多く最低5年分位は見直しておくべきだろう。