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医学部受験の勉強スケジュールはどう立てる?【現役・浪人別に徹底解説】

大学受験の中でも特に難関の医学部受験、その原因は高い偏差値が必要とされることに加えて、とにかくやることが多いのが特徴です。

例えば、共通テストの必要科目に関しては、「国語、数学、英語、理科2つ、社会」のように多く、二次試験では面接や小論文なども加わります。

これら各教科を医学部合格できる水準までもっていくのに必要な勉強時間は、最低でも3,000時間以上だといわれています。

今回は、そんな多忙な医学部受験で重要になってくる、

「勉強スケジュール」について詳しく解説していきたいと思います。

目次

医学部受験の勉強スケジュールが重要なワケ

学校や塾・予備校などの入試に向けたオリエンテーションでも、

「第一志望に合格するには計画性が大事!」

このような話はよく耳にするかもしれません。

中でも、医学部はしっかり計画性をもって受験対策を行わないと失敗してしまう要注意な学部です。

理由は次の2つが主になります。

  • 受験科目が多い
  • 小論文や面接など勉強以外のこともある

それぞれについて詳しく解説していきます。

医学部は大学受験の中でも受験科目が多い

私立医学部の二次試験一点突破の場合を例外として、一般的に医学部受験で合格する受験生の流れとしては、

①:共通テスト8割以上

→②:①の結果を踏まえて二次試験を受ける志望校を決定

→合格

というのが王道のルートです。

最初の関門である共通テストで受験する科目の多さが医学部受験のハードルを上げる原因となっています。単に科目が多いだけでなく、総合で8割以上が必須になってくるため、どの科目も満遍なく得点しなければならず、苦手科目やミスがあったとしても7割で留めておかなければ合格は難しくなってきます。

つまり、医学部受験をしていくうえで勉強スケジュール全般としての方針は、

「科目によって得点に偏りが出ない事=苦手科目を作らないこと」

上記の事を常に念頭に置いたうえで計画を立てていく必要があります。

計画を立てないと”詰む”のが医学部受験

筆記試験対策としての勉強スケジュールの方針以外にも医学部受験では気を付けなければいけないポイントがあります。

小論文や面接試験の存在です。

面接はほぼすべて医学部の二次試験の日程に組み込まれています。小論文は面接程多くはないですが、英語の課題文をもとに執筆する大学などもあり、こちらも対策なしには太刀打ちできないレベル感のものになります。

要するに、共通テストで多科目高得点を取り、二次試験では医学部専用の難問を解き、そこにさらに面接や小論文が入ってくる

このことから医学部受験は計画性無しに挑むと確実に失敗するという理由がお分かりいただけたかと思います。

次のセクションからは、「どのような勉強スケジュールを立てて、どのくらいの時間勉強したら良いのか?」これらに焦点を当てて具体的に解説していきます。

現役合格を目指す人の年間勉強スケジュール

まずは高校に通いながら現役で医学部合格を目指す学生向けに、学年別の勉強スケジュールと勉強方針についてまとめました。

高校によって同じ学年であっても部活や放課後講座の有無によってかなりタイムスケジュールは変わってくるため、セクション終盤に記載した現役生の勉強スケジュールの一例はあえて再現性の高い休日のものを掲載しています。

高校1年生の勉強スケジュール【勉強の習慣化】

高校1年生は高校受験直後で、大学受験を意識している生徒が少ないかと思います。ですが、大学受験に向けた高校3年間を充実したものにするためには、スタート学年のこの時期に勉強の習慣化を確率することが何よりも重要なことになってきます。

具体的なポイントは以下の通りです。

  • 自主学習として平日1日2時間、休日はそれよりも多く
  • 朝型の学習習慣
  • 国語、数学、英語をとにかく仕上げる

勉強時間の目安としては医学部を目指すうえではたとえ高校1年生であっても平日は1日2時間程度、医学部受験に関する勉強をする必要があります。休日は平日よりも長く勉強することを目指し、3~4時間を受験勉強にあてるのが理想です。また、受験当日が午前中から始まることを踏まえて、朝型の勉強リズムを早いうちから整えておくようにしましょう。

高1からできる受験勉強としては、国語、数学、英語の3教科です。別のコラムで勉強法などはまとめているので詳しいことは割愛しますが、医学部に合格するにはとにかくこの3教科を安定して高得点で維持できる実力が必要になります。

高校2年生の勉強スケジュール【長時間勉強に挑戦】

高校2年生からは、履修科目も増えてくるため共通テストの過去問なども考えて解くことができるモノが増えてきます。実際に試験当日は60分以上集中して問題を解く必要があるため、その訓練をかねて1回の自主学習で長時間の勉強を行う練習をオススメします。

ポイントをまとめると以下の3つ。

  • 自主学習として平日2~3時間、休日6時間
  • 共通テストの過去問や模擬試験を取り入れる
  • 国数英は2年で仕上げるのが理想

高1の頃と変わらず、平日はどうしても長く自主学習に時間を当てられない生徒も少なくありません。ですが、医学部現役合格を目指すのであれば、平日2時間以上は最低でも確保したいところです。

受験勉強の内容としては、本番形式の問題を取り入れていくことです。理科や社会など学校で履修していないものを除き、一通り授業で習った範囲は本番同様に時間を計って解くという行為を週一で取り入れましょう。共通テストにおける、国数英は高2のうちに仕上げるのがタイムリミットになります。(これが遅れると高3で理科などの専門にあてる時間が無くなります)

高校3年生の勉強スケジュール【本番形式の演習】

受験勉強の大詰めである高校3年生ですが、焦りすぎて無計画にひたすら勉強をするのはNGです。

重要なポイントは以下の3つ。

  • 平日6時間、休日8時間、長期休みは8~10時間
  • 本番形式で演習をする
  • 理科と二次試験対策+(秋頃から)小論文と面接対策

高3からは勉強時間としては平日でも6時間は自分の勉強時間を確保したいところです。休日であればそれより多い8時間、夏休みなどは一時的にブーストをかける意味合いでも10時間程度勉強する受験生も多いです。

ただし、これは単に参考書を周回するような、時間を稼ぐ勉強法では意味がありません。本番同様に時間を計って演習を行ったりすると、自然と受験科目の多い医学部受験生は上記のような時間勉強することになるのが実態です。

実際の勉強科目に関しては、高校の授業でも理科が履修修了しつつあると思いますので、その完成度を高めていくような勉強が中心になってくるかと思います。この時点で国数英が共通テスト形式で8割以上取れない場合は早急にその3科目から対処する必要があります。

また、筆記試験以外の対策として必要な小論文と面接は高校3年の秋頃からコツコツ進めていくのがオススメです。特に面接は志望動機などを考えていくうちにモチベーションのアップにもつながることが多いという話もよく耳にします。勉強ファーストで、空き時間に面接や小論文の対策をするのが一般的です。

現役生の休日・理想の勉強スケジュール例

実際の医学部現役合格を目指す受験生の休日勉強スケジュール例になります。

ポイントは勉強の予備時間を作っておくことです。やりたい分量の勉強が終わればそこはフリーの時間にすることで集中して取り組むモチベーションに繋がります。また、起床時間と就寝時間も重要です。寝ないと記憶は定着しませんし、メンタルも崩れます。軽視されがちですが、忙しい医学部受験生だからこそ規則正しい生活リズムが大切になってくると思います。

浪人生こそ気を付けたい!医学部受験の勉強スケジュール

浪人生は現役生よりも勉強スケジュールの自由度が高く一度受験を経験していることからも、一見すると計画を立てやすいように見えてしまいますが、実は医学部受験の浪人生ほど勉強スケジュールを丁寧に立てる必要があります。

特に、学校というコミュニティから抜けてしまっている立場から、メンタルケアにも考慮した計画が合否を分けるポイントです。

下記で「勉強面」と「メンタル面」の2点に考慮した浪人生の勉強スケジュールに関するノウハウをまとめていきます。

浪人生活の勉強スケジュール【実質9ヶ月しかない】

浪人生活が4月から始まり、共通テストが翌年の1月にあることを踏まえると、実は次の受験本番まで9ヶ月しかありません。

それ以降は結局二次試験本番に向けて演習がメインになってくるので、インプットや苦手克服などにあてる時間はほぼ無くなってしまいます。

この9ヶ月間の浪人生活を医学部合格に繋げていくには以下の3点を意識する必要があります。

  • 1日8時間は最低限勉強
  • 朝型
  • 全科目偏りなく勉強する

まずは勉強時間に関して、毎日8時間勉強したとして、1年で約3000時間(医学部に合格するために必要な最低ライン)受験勉強をした計算になります。つまり、9ヶ月しかない場合、どこかで8時間以上の勉強時間が必要になってきます。また、浪人生は時間の自由度が高い分生活リズムが乱れる傾向があるため、工夫して朝型の生活を貫き通す必要があります。これは合う合わないに関係なく、受験当日が午前中から日程が組まれている以上、朝型で戦える習慣をつけなければいけないことが大きな理由です。

また、医学部受験不合格の大半の理由が「苦手科目が存在する」ことが原因です。全科目満遍なく高得点を取らなければいけない医学部を受験する限り、現役時代に得意だった科目の点数を落とさないよう意識しつつ、国語や社会など医学部に直接関係しない科目についても偏りなく勉強計画を立てていくことがポイントです。

【失敗談】浪人生は計画性とメンタルが命

具体的な勉強スケジュールに関しては前セクションで述べた通りです。

ここからは浪人生が勉強スケジュールを立てる際のもう1つのポイントである、「メンタル」に関して実際あった医学部受験生の失敗談を基にまとめました。

その浪人生は、医学部浪人の為予備校に通っていて、平日は予備校の授業、土日は自習室、時間としては朝9時~夜10時までいかにも浪人生のお手本のような生活を送っていましたが、成績は伸びず結果は不合格。ひと段落してその学生から1年間の浪人生活の振り返りの話をしたところ、「勉強しないといけないという焦りだけが前のめりになってしまい、沢山勉強スケジュールを詰め込み、それをこなすことだけのルーティンになっていたかもしれない。」といった主旨の話をされていました。

実際このような医学部受験生は珍しくなく、「勉強しているのに思ったように伸びない」という焦りからメンタルの不調をきたし、勉強効率が下がる、といったような負のサイクルにはまってしまっています。

これを回避するに、浪人生が勉強スケジュールを立てるうえで、以下の3点を意識するようにしてください。

  • 自己テストをする
  • 勉強以外の時間を作る
  • ちゃんと寝る

当たり前の3点かもしれませんが、これができない浪人生は意外と多いです。模擬試験のような正式なチェックよりも先に、自分自身で一週間毎くらいのペースで勉強したことの定着を見直す機会はメンタルを安定させるために非常に重要です。その結果がどうあれ、自分の立ち位置を確認できる事で多少はメンタルも安定してきます。

また、人と話したり、息抜きをしたり、決められた時間に寝ることなど、現役時代にやっていた生活をできるだけ浪人生活でも取り入れるよう意識することが大切です。

浪人生の1日・勉強スケジュール例

勉強に関する面とメンタルケアを考慮した浪人生の勉強スケジュールの一例になります。追い込みの時期や、模擬試験前などはもう少しタイトになることもありますが、このスケジュールを参考にオリジナルのものを立ててみてください。

科目別の勉強時間の目安と優先順位

ここからは、医学部合格を目指すにあたって、どの科目を優先的に勉強して行けばよいか、科目別の方針を簡潔にまとめました。

どの科目から勉強しようか迷っている受験生は参考にしてみてください。

【1位】英語・数学・国語はすぐにでも取り掛かるべき重要科目

この3科目が共通テストで8割を超えない受験生は優先的にこれらの対策をしてください。

英語と数学は医学部の二次試験でも必須になることがほとんどなので、言うまでもありません。国語が意外と落とし穴で、読解力や理解力に少なからず関連する科目なので、軽視せずに実力をつけていくようにしましょう。

【2位】理科(物理・化学・生物)の優先順位

理科は医学部受験生にとって専門科目になるため、必要な2科目のうち1科目は得点源にしたいところです。

実力の上がりにくさとしては、化学の点数が伸びるまでに時間がかかります。

履修している順番にもよりますが、できるだけ化学は早めに受験対策に取りかかるようにしましょう。

【3位】社会を始めるタイミング

優先度としては、医学部受験において社会は一番後回しになります。一般的には夏休み以降から過去問を使って現代社会などの対策を始めることが多いです。

共通テストで確実に高得点を取るために

「医学部受験対策の始め方」に関するコラムでは何度もお伝えしてきたことですが、医学部受験では共通テストで高得点取ることが重要になってきます。そのためには苦手科目を作らないことが勉強の主軸になるため、「自分が苦手な科目は何か?」好き嫌いを抜きにして客観的に分析することが重要なポイントになってきます。

勉強スケジュールを立てるときのポイント

最後に、勉強スケジュールを実際に自分で立てる際に重要なポイントを3つ順番にまとめました。

中期・短期スケジュールが要

スケジュールを長期、中期、短期に分けるのが大切なのは有名な話です。

医学部を受験するにあたっては、それら3つの中でも中期と短期の2つがポイントになってきます。

具体的には、次のように設定するとうまくいきます。

  • 短期=1週間の勉強スケジュール
  • 中期=次の模試までのスケジュール

これら2つをベースに、できるだけ勉強する科目の偏りが出ないようその都度見直すようにしてください。

勉強計画をこなすことを目的にしない

勉強のスケジュールはあくまで、効率よく得点を伸ばしていくための手段です。

スケジュール達成できた事を振り返りにするのではなく、結局は次の模試で何点取れたのかを基準に次のスケジュールを立てるように心がけましょう。

合格するためにツールやサービスを活用しよう!

今回の記事で紹介したような受験勉強のスケジュールを管理する方法は色々あります。手軽なものでいうと下記の通り。

  • 手帳
  • スタディサプリのようなアプリ

さらに精度を上げて計画を立てたい方は、塾や予備校のメンタリングなどを活用するのがオススメです。

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