医学部受験は塾・予備校代が高いイメージがありませんか?
実際のところ、大学受験全般で比較すると医学部受験生の塾・予備校費用は高い傾向があります。
しかし、こうした学校以外の受験サポートは多様化していて、
「同じコストなのに全然サービスの内容が違う、、、」
「同じサービスなのに値段が全然違う!」
といったこと起こりえます。
そこで今回は、医学部受験の塾・予備校にかかる費用に焦点を当て、コストの比較や選び方、注意点などを徹底解説したいと思います。
記事後半には、塾・予備校にかかる費用(学費)を安くするためのノウハウなどもまとめているので是非最後までご覧になってみてください。
医学部受験で塾と予備校はどう違う?
まずは基本事項として「塾と予備校の違い」に関して整理していきましょう。
塾と予備校の違は何が違うの?
大きく異なるポイントとしては、指導方針とカリキュラムの組み方が異なります。
それぞれの特徴を簡単にまとめると以下のようになります。
- 塾:個別指導や少人数制を採用しているところが多い。個人個人に合わせた学習カリキュラムを組むことができるのが特徴。受験テクニックや基礎力向上など、生徒のニーズに合わせたサービスが受けられる。医学部受験の場合、アルバイト生などではなく、正社員のベテラン講師が付くことが多い。コストは予備校に比べて安い傾向があり、支払い方法に関しても年間払いや月払いなど様々。
- 予備校:高校のような集団授業が一般的。年間の決まったカリキュラムに沿って進行するため、入校のタイミングよっては授業が受けられない科目や分野が出てくる。実力をつけるための学びというより、受験に合格するためのテクニック論などを効率よく学習できる。また、設備として自習室を完備していることが多く、その点も塾との違いの1つ。コストは塾よりも高額な傾向がある。一般的には年間払いで、一括で大金が出ていく。
主に上記のような違いがありますが、近年ではサービス形態としては予備校でありつつも、名前に「塾」と入っているものもあるため、入会前にしっかりと資料請求などを行ってどちらに当てはまるのか確認が必要です。
医学部受験で塾と予備校どちらがいいの?
大学受験といえば、「予備校一択じゃないの?」と勘違いされている方が多いようですが、これは先入観です。塾と予備校はターゲットとしている受験生のタイプが大きく異なるため、フィットしないところを選んでしまうと失敗してしまいます。
以下に、塾と予備校それぞれに向いている人の特徴をまとめ見ました。ご自身やお子さんがどちらに多く当てはまるのか参考にしてみてください。
塾が向いている人
- 苦手科目を個別に強化したい人
- 学校の学習進度が医学部受験に間に合わない人
- 勉強ペースの管理が必要な人
予備校が向いている人
- 既に医学部受験で戦える実力がある人(目安:C判定以上)
- 3~4月に入校を考えている
- 学習環境が必要な人(浪人生)
個人的な経験から、医学部受験を目指す現役生は塾で個別や少人数指導などで丁寧なサポートを受けて実力を固めていくのがオススメです。
詳しくは別の医学部受験のコラムで解説しているので興味のある方は是非ご覧になってみてください。
塾と予備校の費用の違い
ここからは、メインテーマに関連する医学部受験における塾と予備校の費用の違いに関して解説していきます。
塾や予備校のコストは地域差が大きいため、必ずしも当てはまるわけではありませんが、一般的には下記のように差があります。
塾の費用例
- 月額1~5万円程度(週1~3回の授業を想定)。
- 教材費年間1~3万円程度。
- 長期休暇などはオプション講座や模試代が別途必要。
予備校の費用例
- 医学部専門予備校年間300~500万円。
- 大手予備校の医学部コース年間100~200万円程度。
- 教材費や模試代は授業料に含まれることが多いが、別途発生する場合あり。
再度簡単にまとめると、予備校>塾で年間にかかる費用は高く、予備校は一括で大金が出ていくが、それ以降お金が発生することは少ない傾向です。一方で、塾は定期的にお金が出ていくスタイルの会社が多いです。
以上が塾と予備校のそれぞれの比較になります。
医学部受験生の塾・予備校の費用はどれくらい?【医学部はお金がかかる】
このセクションでは、より具体的に医学部受験で必要な塾・予備校の費用に関して下記の順で詳しく解説していきます。
- 指導スタイルごとの相場
- 授業料(学費)以外に必要な費用
- 医学部専門(塾・予備校・コース)が高コストなワケ
まずは1つ目から見ていきましょう。
各指導スタイルの費用相場
一般的には個別や少人数指導形式が塾で、予備校が集団指導となります。中にはこれらすべてをミックスした形式もありますが、その場合はより高額になる可能性が高いです。
個別・少人数指導形式(例:塾)
- 年間50~600万円程度。
- 相場は講師の質に比例することが多く、有名講師などは高額になる。
- オーダーメイドのカリキュラムで組み方によっては塾>予備校で高額になることもある
集団指導形式(例:予備校)
- 年間80~500万円程度。
- 会社のブランドで値段が決まることが多い。(有名予備校など)
- 医学部志望者全体向けの標準化された授業。
一般的には個別・少人数指導の塾は予備校よりも安い傾向がありますが、コマ数を大量に増やしたり、受講科目を増やすほど値段は上がってしまい、費用に関しても「人それぞれ」で幅が広いのが特徴です。一方で予備校は平均的に高め、といった相場感を想像してもらえるとわかりやすいかと思います。
【学費以外】入学金・教材費などの費用
授業料以外にも塾や予備校ではお金がかかります。
会社によっては、以下にまとめたものが授業料に含まれていたりすることもあるので、入会前に知っておくと予想外の出費が発生しなくて済みます。
入学金
- 医学部専門塾・予備校10~30万円程度。
- 大手予備校医学部コース5~15万円程度。(大手は授業料に含まれていることも多い)
キャンペーンなどのタイミングで割引になったりすることも多い費用です。基本的に一括で請求されるコストになります。
教材費
- 年間5~15万円程度。
- 予備校は基本的に授業料に含まれていることが多いが、個人経営の塾は別途費用が掛かることがある
- オリジナル教材が多く、一般的な参考書と比較して費用が高め。
小規模な会社は授業料と別途請求される可能性が高い費用です。入会前に確認が必須の項目になります。
寮費
- 月額10~15万円程度(食費込み)。
- 初月の初期費用はおおよそ30万円程度。
予備校は提携している格安の物件があるため、住み込みで受験勉強を検討している場合は積極的に使用をオススメします。
その他費用
- 模試代1回5,000~1万円程度(年間で5~15万円)。
- オプション講習費(夏期・冬期)1講座2~5万円程度。
- 基本的に塾や予備校で受験する場合は別途支払うことがほとんど
模試代は高校で受験しない限りは必須で出ていく金額です。最低でも年間3回くらいは受けることになります。
オプション講座は塾などに多く、長期休暇の集中講座などが別途費用を請求されることがあります。オプションとついていますが、基本的には受講することを前提にされているものになります。
どうして医学部志望は高い?【裏側を解説】
ここからは、医学部受験専門の塾や予備校、医学部コースが高額な理由を解説したいと思います。
医学部受験向けのサービスが高額になる原因は主に以下の3点があげられます。
- 指導スタイル/回数
- 講師の質
- データ収集や傾向分析
医学部受験の場合は、高難度の問題に対応できる指導をしなければならないため、講座のレベルも必然的に高くなります。また、受験科目も多いため、すべての科目をカバーしようと考えると必然的に他学部の受験生よりも多く講座を受ける必要が出てきます。
上記のようなサービスを提供するには、大学生のアルバイトでは対応できなくなるため、自然とベテラン講師が担当になり、人件費も高くなります。
また、医学部は他学部とは独立した入試問題を出題することがほとんどで、私立などは問題の癖が強くなってきます。医学部以外であれば、大学ごとの傾向分析で済むところを、医学部は別々に対応しなければいけません。加えて、面接や小論文など筆記試験以外のフォローも必要になり、塾や予備校側の負担は明らかに大きくなります。
このような理屈から、医学部受験に関連するサービスは他学部志望の場合よりも高くなってしまいます。
【2025年調査】医学部受験の塾・予備校の実際の費用はどれくらい?
このセクションでは、実際に多くの医学部受験生が入会を検討することが多い塾や予備校に関して費用や特徴を調査してまとめました。
※実際の詳しい金額やサービスに関しては必ず各企業の公式HPから資料請求や無料面談を行って確認してください。
「ちなみに筆者は西明石教室|毎日学べる個別指導塾【まんてん個別】で、年間234,000円+教材費で学習していました。」下図に示します医学部専門予備校の相場に比べるとかなり費用が抑えられます。是非問い合わせしてみてください。
医学部受験の塾・予備校・コースの費用比較【8社】
| 塾・予備校名 | 費用 | 特徴 | 公式サイトURL |
| 東進ハイスクール | 授業料: 約50~150万円/年 入学金: 33,000円(税込) | 自由選科でカスタマイズ可能。 映像授業と対面があり、コースによって値段が大きく変わる。 1ユニット=90分授業×20回 | https://www.toshin.com/ |
| 四谷学院 | 高卒生コース: (国公立医学部)884,000円/年 高卒生コース: (私立医学部)838,000円/年 入学金: 高卒生50,000円 高3生・高2生・高1生33,000円 | 少人数・個別と集団のハイブリッド。 独自テキストあり。 成績毎に毎月クラス編成。 | https://www.yotsuyagakuin.com/charge/ |
| メディカルラボ | 授業料: 約290~505万円/年 入学金:10万円 | 医学部専門の予備校。 完全1対1+演習、私大模試・実力判定テスト込み。 寮・オンライン対応。 | https://www.medical-labo.com/entrance/fee/ |
| 富士学院 | 国公立(浪人): 約170万円/年 私立(浪人): 約300万円/年 入学金:20万円 教材費:20万円 | 医学部専門の予備校。 少人数制+個別。面接・小論文に強く、寮込のプランあり。 全国直営校展開。 | https://www.fujigakuin.jp/ |
| 駿台予備学校 | 授業料: 約87~125万円/年 入学金: 高校生33,000円 高卒:10万円 | 専門校舎で集団指導。講座単位で選択可能。 コーチング+自習環境あり。 模擬試験も作成する大手。 | https://www2.sundai.ac.jp/lp/gw-medical.html |
| 河合塾 | 国公立医系: 約1,000,000円/年 私立医系: 約900,000円/年 入塾金:100,000円 条件により半額 | 講座単位で選択可能。 医学部模試・特待制度あり。 模擬試験も作成する大手。 | https://www.kawai-juku.ac.jp/apply/guide/about-fee/ |
| 代々木ゼミナール | 授業料: 約70~90万円/年 入学金:10万円 | 対面+サテライトのハイブリッド。必要な科目をカスタマイズ。 奨学制度あり。 模擬試験も作成する大手。 | https://www.yozemi.ac.jp/course/detail/daigaku_honbu56.html |
| まんてん個別指導塾 西明石教室 | * 入塾金: 0円 * 月謝: 月々19,500円 | * 2教科分の月謝で「理・社・国」の自立型個別指導を無料で受けられる * 一般的な個別指導塾の2教科分の月謝で5教科の指導が受けられる料金体系 | 西明石教室|毎日学べる個別指導塾【まんてん個別】 |
公式サイトでは授業料やそのほかの費用の詳細を掲載していないところも多いです。
気になるところは必ず資料請求をし、無料面談・体験授業に参加して実際の雰囲気を確認するようにしましょう。
費用を安く抑える方法をぶっちゃけます!
このセクションでは、高額な医学部受験費用を少しでも抑えるための具体的なテクニックをご紹介します。
特待生制度や、限られた受験生にしかできないモノ以外にも、誰でも利用できる方法も解説していくので是非参考にしてみてください。
特待制度・成績優秀者割引
1つ目は定番の方法の特待制度や成績優秀者割引です。
会社によって呼び方は様々ですが、要するに「優秀な受験生は授業料無料でイイですよ」という制度です。限られた受験生が対象になりますが、その分割引率も大きいです。医学部受験生はポテンシャルが高いことが多いので、該当する受験生も比較的多い印象です。
割引のタイミングは入会前や、模試のタイミング毎など様々です。
ただし、この制度をほとんど全受験生に適応していかにも特待生感を出す企業もあるためその点は注意が必要です。
早期申込・兄弟割・紹介割引の活用
3~4月の期間はこれら3つの割引をキャンペーンとして利用できることが多いです。
それぞれの大まかな特徴をまとめると以下の通りになります。
早期申込割引
- 年度初めの申込者向けに、授業料が5~10%割引。
- 浪人生向けのコースに多い。
兄弟割引
- 同じ予備校や塾に兄弟姉妹が在籍する場合に適用。
- 授業料が10%程度割引される。
紹介割引・キャンペーン
- 在籍生徒や卒業生からの紹介で入塾すると適用。
- ギフトカード(5,000円前後)などで代用されることもある。
授業料の割引率でいえば、3者で比較すると一般的には早期申込割引額が大きい傾向があります。早めに入会することで、年間を通してサービスを提供できるため、合格率が上がり塾や予備校側の実績にもなり、メリットが生まれることが理由です。
科目単位の受講・通信講座で必要最小限のコストに
医学部受験は受験科目が多くなるため、必要コマ数や科目数が多くなり塾・予備校代が高額になります。
そこで、必要な科目のみの受講で、残りは自分で対策する方法もあります。医学部合格の難易度は上がりますが、大幅な費用削減ができる手段の一つです。
また、スタディサプリやZ会の通信教育なども高品質の指導が受けられる低コストな方法です。
まずは塾に入って実力をつけるのがオススメ【現役生】
医学部受験は基本的には長期戦になります。
医学部現役合格者の40%前後は高校1年生から塾や予備校に入っていたというデータもあり、1年の費用だけでは済まないことがほとんどです。
そこで筆者がオススメしたい方法としては、現役生はまずは塾に入会することをオススメします。そのメリットは塾の特徴でもご紹介した通りで、個別指導で受験生それぞれに合わせたサポートを効率よく受けられる点にあります。
まずは塾で実力をつけ、より合格を確実にするために予備校で高度な集団授業を受ける流れが理想的だと思います。
塾や予備校の費用に関する注意点
最後に医学部受験に備えて塾や予備校を検討する際に気を付けるべき注意点をまとめました。以下の3つは塾・予備校選びで意識する必要がある項目です。
- 年間いくらかかるか
- 通いやすい立地か
- 必要なサービスは受けられるか
「年間の総コスト」が重要
塾や予備校選びでは授業料だけでなく、教材費、模試代、寮費などの総額を確認することが重要です。
授業料が安くても、その他の費用でトータル金額が高くなるケースがあるため、年間でいくらになるのか入会前にハッキリさせておくようにしましょう。
片道1時間かけて通うのは不利
どんなに良い塾や予備校でも、あまりにも遠い立地だと時間とお金がもったいないです。特に東京など都心部には有名塾や予備校が集中しているため、無理をして地方から通う受験生も多いですが、通学にかかる時間は意識したほうが良いです。
理想としては現役生であれば学校の帰り道、浪人生であれば一日の勉強時間を10時間以上確保できる距離感の場所を選択するのがオススメです。
単純計算で片道1時間かかる塾・予備校に通ってしまうと、往復で1日2時間、1週間で14時間を移動に消費してしまいます。(この半分でも勉強にあてられる方が合格に近づくと思いませんか?)
1番重要なのはどのようなサポートが欲しいのか
ここまで、塾や予備校の費用を中心にまとめてきましたがやはり一番重要なことは、医学部に合格するために必要なサービスが受けられるかが最優先です。
まだ学力の足りない受験生が、医学部専門の集団講座を受けてもついていけませんし、その逆ですでに実力のある受験生が基礎力向上のカリキュラムを受けても時間がもったいないです。
自己分析や、今回のような記事で情報収集を念入りに行ったうえで、コストパフォーマンスが納得いくサービスを選択することが一番重要なポイントです。
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