2008年順天堂大学医学部予想

2008順天堂大学医学部予想

フェニックスゼミ講師陣

【数学】 
順天堂大の数学は大問3題で第1問は小問集合の形式である。出題の特徴を調べた。第1問はこの4年間では主に数学2Bからの出題である。第3問は公式証明に関係する出題である。10年間のデータより2008年度を予想してみる。第1問は「二次関数の最大・最小、順列・組合せ、整数問題、点の軌跡、三角関数の最大・最小、漸化式、関数の極限、定積分で表された関数」の可能性が大きいだろう。第2問は放物線・円・楕円・双曲線などの図形が関係する問題で、「接線・法線」と「面積・体積」であろう。第3問については三角関数の定理「正弦・余弦・加法定理」の証明法をチェックしておきたい。

【化学】 
順天堂の化学は量がすさまじく多いので、特に計算問題を解くスピードが大きなポイントとなる。今年度は、混合気体、電気化学、弱酸(塩基)のPH、濃度、溶解度(再結晶)の計算をよく練習しておくと良い。無機は、気体の発生、有機ではエステルのけん化あたりが要注意と思われる。また、1番の第1問は、計算問題の集合であるので、これをいったん後回しにして問題に取りかかるのも作戦として有効な手段であろう。

 

 【小論文】 
過去3年間、資料・データ型小論文のなかでも、絵や写真を見て論述する形式で出題されている。出題意図を考えると受験生の個性・感性をはかる試験といえるか。’05は英国マンチェスターの病院の外来待合室の絵(1952年)を見て、この絵の中の一人の患者を選んで、その人物になった気持ちで、この場面を説明する問題(800字/75分)。「この絵の中の一人の患者を選んで、その人物になった気持ちで」という指示は患者の立場から病院(医療)を眺めるというものだろう。自分が治療を待つ患者の気持ちになれるか、素直に問う問題だろう。’06は、集中豪雨による土石流のため倒壊した家屋から一匹の犬が救出されている場面をうつす写真から思うことを述べる(800字/75分)。この写真から受け取るべくは「命」の尊さを分け隔てなく認める人間の姿を捉え、それが医療の本質でもあることが指示できればよいだろう。’07は昭和を代表する日本画家・東山魁夷の「道」という作品を見て、思うところを自由に書く(800字/75分)。視点をどこに定めるかが難しい。人のいない風景(まだ人の手が入る前の光景)ととれば、人工的な光景と対比的に論じられるだろう。また、この道をしるべとして進んでいくことの意義を云々することもできるだろう。また、道と周りの緑、空との配置に目を配れば、自然の偉大さが感じられ、われわれ人間は謙虚にならざるを得ない。いずれにせよ、自らの視点を明確に示し、一貫した論展開を試みる。 

 

 【英語】 
長文2題、文法・語い2題、そしてテーマ英作文という出題形式がここ2年続いており、多少の変動はあるにしても、2008年もほぼ同様の内容でくることが予想される。長文の難度は標準または、やや難というレベルで、それほど難しいものではないが、テーマ英作を含めての時間70分というのはかなりきつく、相当の速読力を要する。また、そのテーマもほとんどすべて医学、医療や健康、生命や体の仕組みに関するもので、医学部を志す受験生として、そういうテーマの長文を数多くこなしてきた者が断然有利であることも言うまでもない。直前にできることと言えばその点を意識しつつ、ひたすら中級以上の単語を覚えることだろうか。試験中においては、パラグラフリーディングの意識をしっかり持って読み進めること。
 最後のテーマ英作文であるが、試験時間が70分と限られていることもあり、平素からかなり訓練しておかないと対処できるものではないが、自信のない者は、論点を箇条書きにして、日本語で簡潔で平易な文を素早く組み立ててから、それに沿って英文を並べていく方が短時間で、しかも一貫したものが作れる。英文を書きながら考え、考えながら書く、というような場当たり的なやり方や、複雑な複文構造の文は出来るだけ避けること。

 

 

 

 

 

 

 

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