指導記録58

<11月30日(金)>

現役生が焦り始めたようだ。相談の電話等も多くなって来た。無理もない。まず、「どんな試験
かよくわからない状態」で受けていくことが最大の原因であると思う。以前の記事にも書いたが
日本で「集団討論」の機会など産まれてから与えられた機会などほとんどないのだから
もう一つは、自分では明るいと思っていても、性格が明るいとか積極的にもレベルがある。
集団討論が始まって、「はい、私がリーダーやります、議長やります!」と一気にやられたら
何も知らない生徒が雰囲気に飲まれるのは当然と言える。
弁論部もいるし、生徒会長クラスやキャプテンばっかりなんだから、「最初の空気を支配された
ら、もうおとなしい子猫になってしまう」
人間その場の空気に飲まれてしまうと、小さくなってしまう。
声も動作も全て小さくなる。
だから、何も知らない状態で「たぶん何とかなるやろ」と思っていくと状況に飲まれてしまうと思う。
また、もともと積極的に考えている生徒が動かないわけはないだろうと思う。「この試験にパス
すれば、いつ終わるとも予想できない暗黒生活から回避できる。だから、やるぜ!」と燃えに
燃えていて、大体の情報を事前に入手していたら当然強いと思う。「何も知りませんでしたから
ね」と良く父兄が言われるが、「学校が事前に教えてくれなかったのか?」といつも思う。
推薦入試というのは、名目上は、学校の代表ですよね。
たぶん、私立医大受験する生徒が学年に1人しかいなくて、学校も「関関同立何名、阪大、京大何名」という数字の方が重要で「置き去り」にされた可能性が高い。何も知らない状態で送り出されてもどうしようもないだろう?あるいは、もう自分で研究して行くしかないだろう。進路指導部が何もしない学校が存在している。資料を渡すだけなら誰でも出来るだろう。「その奥の世界を解き明かす」のが進路指導だと思うのだが。
進路指導部が存在しているだけでは不安一色になると思う。
最初から自力だけで進路指導に頼らない生徒もいるにはいるだろう。
例えば、大学の就職科なんて、あるだけでほとんど誰も相談に行かないだろう。
全体の学生数から見れば、相当利用率は低いはずである。
進度にも問題がある高校もあると思う。
数学3C(特にC)が形式上終わっているが、定着も何もしていないのも現役に顕著な例である。「センター対策を重視した」と言えば言い訳にはなるがまずいだろうと思う。3年生は、授業日数も少ないし、9月以降「水が流れるように過ぎてゆく」そして、適当にやるか、Cのない大学を受ける。Cがなければ当然倍率は上昇する。という悪循環が繰り返されるということになる。

指導記録57

<11月29日(木)>
昨日、業界に「進路指導をプロレベルでできる人間の不足」を書いたが、これは以前から最
大の問題であると思っていた。また、例え良いアドバイスを提供しても受験生本人が気乗りし
なかったり、親が反対したりして何の意味もなさない場合もあるため、業界に携わる連中が気
がついていないのかも知れない。
私、個人の意見では「最も重要なのが進路指導と進路ナビゲート」だと思う。
まず、目標設定する。目標に対して指示を出す。「やれ」の具体的情報伝達と管理をする。
お客さんは、「受験勉強というレールに乗せる力」にお金を払っているのだ。ナビゲートの情報
伝達なしに目的地に行けるか? そのナビゲートの精度は高いのか? 間違いないのか?
そういう部分が、高校でも塾でも予備校でも時間が割かれていない重要な点だと思う。
全国の業者から「お前、そこまで言うなよ。そんな人間豊富にいたら苦労しないよ!」という声
がパソコンの向こうから多数聞こえて来そうだ。
この指導記録をずっと読み続けている業者の方々は、「こいつ痛いとこばっかり突いてくるな
〜」ときっと思っているだろう。
見続けているお客さんは、かなりの知識と情報武装できたはずだ。
かなりの業界の盲点は知ることができたと思う。
大体、毎年激変する入試制度とこれだけ入試科目や入試日程が多様化して全ての変化情報
を理解している人間など1〜2割もいたらいい所だろう。
お客の人数が多ければ多いほど各家庭に割かれる時間と情報は少なくなる。情報レベルが
低くなるのは当然だ。
先生や講師は授業の準備で忙しい。優先順位から言えば授業の準備だろう。先生や講師も
知っていると言っても大体のレベルだ。細かい所はまずわかっていない。細かい変更個所
など当然だ。「少子化だからどこでも行けるんじゃないの?」位だろう。お客さんも一回の説明
で完全に記憶に残っているとは思えない。受験校の調べ方さえわからない場合もある。
大学生のチューターは「ただ自分の経験のみ」でしゃべる。
自分がうまく行ったものだから「これ位いけるやろ〜」位のものだ。
大体、入試終わって大学行きだしたら受験生の時の10分の1も緊張感はないだろう。自分の
留年の方がはるかに心配だ。
主役である受験生はひたすら第一志望しか眼中にない。それはそれでいいのかも知れない。
しかし、行く行かないは別としてトータルで考えて「すべり止め」を入れたり、自分の得意科目
で絶対的に勝てる受験校を入れたりすることは重要だ。浪人を継続させてくれるかどうかは
親が決めたりする。全く合格ゼロだったら反論もできないだろう。親は死ぬまで子供の心配を
しているものだ。「ここまでは達成できた、だからもう1年やらしてくれ」ならわかる。証拠がない
と家にニートが1人いるだけなのだ。親は心配だから悪い方悪い方に考える傾向がある。
そうなる前に手を打ちたいと思うものだ。受験生はそこを理解しなければならないと思う。
受験は「自分だけの問題」ではないはずだ。学費を誰が払うのかを考えたら両親の意見も
最もだ。
そう、考えると進路ナビゲートを十分理解してない業界人、流れに任せるだけの保護者、第
一志望しか見えてない受験生で「100かゼロ」しかない場合が多くなるのは残念なことだと
思う。逆に業界に「進路指導の達人」がいたらものすごい希少価値だと思う。
産科医の不足も深刻だが、進路指導の達人の不足はもっと深刻だと思う。

指導記録56

<11月28日(水)>
12月になると願書製作と浪人生は高校へ調査書を取りに行く日を早目に決定しなければ
ならない。これを後回し、後回しにすると痛いしっぺ返しが返って来ると思う。まず、年明け
てぎりぎりで多数出願書を書いているのは最悪のケースだと思う。最後は、「知識の調整」
の方が優先だろう。ためて書くのは良くない。
第1志望の大学から順番にでもいい、または受験日の早い大学からでもいい。「後はポスト
に入れるだけ」の準備をどれだけ早くできるかである。また、「願書の志望理由」だとか、
現役生は書けない所が多いと思う。家族は当てにならないし、高校の先生も忙しそうだ、
第一志望理由など何種類も書けないだろう。浪人生なら、去年と同じ大学を受験する時に
「果たして去年と同じことを書いていいのだろうか?」とか新たな悩みも出て来るはずだ。
「毎日少しずつ書いていく」、または「週に2回願書製作の時間を取る」でもいい。
苦労を小分けにしておくべきだ。年明けに一気にやるとか考えない方がいい。調整の方が
重要だ。冬休みで高校の担任が不在の場合だってある。担任がスキー場に行っていて携帯
が圏外の場合だってあるかも知れない。
「なんで俺が休みの日に学校まで出て行かんといかんのか?」といやみを言われる位なら早
目に済ませるべきだ。
制服の高校に浪人生が私服で行くのも嫌な気がするかもしれない。職員室で他の先生に
「お〜元気か?」と何回も話かけられるのも嫌かもしれない。デリカシーのない先生に「お前
、まだやってんのか?」と言われたりしたら最悪だ。やはり、卒業生よりも現役生の方に目が
向くため、調査書等は早目に入手した方がいいだろう。何回も同じことを書いたりしていると
字も汚くなってくるし、面倒くさくなる。
第一、年が明けると新幹線や飛行機、ホテルの予約等でおのずから注意が散漫になる。家
族の協力が必要になる。ここで受験の最大の盲点が再び顔を出す。注意して欲しい。この
手続き等で忙しくなり、年が明けると更に準備で気を取られる。「すべり止め」がよく選定され
てないのだ。医学部や歯学部等でも両方受験する場合など、適当に選択しているケースが
多過ぎるのだ。学校の担任や進路指導も簡単なアドバイスはするが、必死で考えてはくれな
い。両親はほとんど何も知らない。塾や予備校でも授業のことばっかり考えて進路の吟味を
してくれない。事務のおねーちゃんが知るわけもない。要するに「完全な進路ナビゲートできる
人間」が圧倒的に業界に不足しているのだ。
行く行かないは別として「すべり止め」があるのと「すべり倒し」では全然印象がちがう。
「もう1年浪人したいと考えている受験生」でもあえてすべり止めを準備して家族を安心させる
必要はあるだろう。「完全な進路ナビゲートできる人材」が多ければ、「すべり倒し」は格段減
少すると思う。
だって「指導されていない生徒」と「何も知らない保護者」だけでどうしろと言うのだ。
学校や塾や予備校に「これ以上ない完全な動き方」を全く指導されていないのだからどうしよう
もないだろう。 でも、お客さんは「そこまでやっていてもらっているもの」と信じているのだ。

川崎医科大学推薦入試参考資料

【川崎医科大学】

英語(50分)

長文1題(女性問題)と英作(量が多い)
「離婚の割合が増えている」という中文で下線部について下の中から正しい
ものを選びなさい。英語で書かれたホームパーティでの家族の会話文の日
本語の部分を英語に直す。

 

 数学(60分)
数学AB、 数学T、U、確率、数列など大問3問、難易度は全統模擬試験の記述位のレベル

理科(60分) 

物理、化学、生物の6題の中から3題選択化学は全範囲が出ていた。生物は、遺伝と細胞について化学は教科書レベル、生物は問題文が他の教科に比較して少なく、第1問「細胞について」「核膜を持っていない生物を3つ挙げよ」「細胞小器官を9つ挙げよ(植物細胞特有のものには○で囲め)「前の問題で挙げた細胞小器官がどれか分かるように細胞の模式図を書け。第2問「ハエの遺伝についての文のカッコの中の文字を入れなさい」 

 

【面接】グループ面接のみ(5名) 

A面接(1時間)

1、志望理由、学校のことについて 「なぜ医師になりたいのか?」

性格検査、クレペリン検査、視力、身体検査、血圧、内科、レントゲン、検尿、

 B面接(1時間)

「最近のテレビのニュースや新聞で特に化学の分野で興味を持ったことについて」と質問して「それはどういうことか説明してください」と深くつっこまれた。

<備考>

1、女子は不要のようなことを言われた。全体的に簡単な問題

 

兵庫医科大学推薦入試資料PART2

【学力試験】 


ゼミ教務:形式はどうでしたか? どんな内容でしたか? 

 Kさん:非常に基本的な問題でした。深い知識を聞かれることもなく、幅広く表面的な問題が多かったと思います。 

ゼミ教務:各科目の出題内容はどうでしたか? 

英語は「やけどをした時の処置の仕方」についての英語の中文でした。文法が誤っているか正しいかについて聞かれました。 

数学は「二次関数」「数列」「確率」「指数関数」が出ました。

 国語は「漢字」の問題が出題されていました。また様々な有名人の言葉を並べてあり、その中で「一つだけ内容の異なるものを選べ」という出題がありました。
中文の「題名をつけよ」というような問題が出ました。

 物理は「光と音ではどちらの方が速度が速いか?」などがありました。 

化学は有機から炭素の数が一番多いものを選べ、化学Uの範囲の物質も出てい

した。官能基も出ていました。

 

生物は神経、遺伝(血液型判定)の問いがありました。

地理は「温暖化の原因」についての問題が出ました。

小論文は「医療研究」についての文を読んで次の文に答えよでした。

 形式:90分

 

問題(1)上の文のタイトルをつけよ(100字)

 問題(2)倫理問題にどう対処すれば良いか自分の考えを書け。(500字) 

 

ゼミ教務:面接の形式はどのようなものでしたか?

S君:形式は、個人が15分でグループ面接が60分でした。

 グループの人数は、5人で面接官の人数は3人でした

  

【面接試験】

<グループ形式>

<問題> 3年後に流行すると思うもの。またそれはなぜか?

 

<形式>
まず、1人1人自己紹介をした。次に、5分間程参考資料(過去5年間に流行したものをまとめた
もの)を見て問題を考える時間があった。
次に1人ずつ
自分の考えを述べた。次に、40分程5人でその事について意見を出し合って1つの意見にまとめた。最後に、1人ずつ話し合ったことの「まとめ」を言って終了した。 
  

<グループ形式>

<教授2名>

             

  ◆
 <司会者> 

  O O O O O 

<生徒5名>  

 

<個別形式> 

<教授3名>

質問する順番 

 3                                          

●  ●  ●
 

       O

<生徒1名>

質問内容】 

1、受験番号、氏名

 

2、学科試験、グループ面接の出来具合は?

 

3、本学の志望理由

 

4、医師になろうと思った動機

 

5、高校時代にがんばったこと

 (1)学校以外で活動したこと 

(2)好きな教科、嫌いな教科 

(3)オーストラリアホームステイをして学んだこと 

(4)大学に入ってから何をしたいか 

 

10、「お父さまが医師という事ですが、その姿を見てどういう風に感じてい

ますか?」

関西医科大学推薦資料

【学力試験】 

 

ゼミ教務:形式はどうでしたか? どんな内容でしたか?

 

Y君:適性検査が150分(大問16題 80問)日本語と英語の長文が12題あり、各5個の設
問、後半に数学、物理、化学、生物の問題
でした。レベル的にはセンターに近いと思います。
 

Tさん形式は、文章を読みながら問題を解いていく形式でした問題が冊子のような形になっ
ており問題数は16題でした。
ものすごく量が多く、高校で勉強した範囲を超えているような
がしました。時間が足りないと思います。
 

K君:高校のレベルを超えているというより公務員試験に近いような形だと思いますが、また別
種 類の世界だと思います。
受験生の中には
試験前に公務員試験の問題を解いていた受験生もいました。 

ゼミ教務:各科目の出題内容はどうでしたか? 

Tさん:英文、現代文が各8題ずつ出題されており、中には3択問題もあり、@資料に合ってい
る。A資料に合っていないBどちらともい
えないという3つの選択肢から選ばせるというものでした。 また総合問題として数理的問題が8題出されていました。
理科も
物理、化学、生物が含まれており、これも文章を読みながら解いていく形式でした。

 

Y君:科目は、社会、生物、化学、数学、英語で大問が16問あり、大問1つにつき小問が5
つ、全部で80問マークシート形式で3択また
は4択問題でした。選択枝は「a. 問いから読み
取れるb.問いに
矛盾している c.判断できない」の中から選択する形式でした。

 
K君:生物が1題出たのを覚えています。また、社会の問題もありました。
とにかく量が多いので何をやったか覚えていない位です。
 


ゼミ教務:
面接ではどんな質問を受けましたか?

 Y君:まず面接はこのような形式で行なわれました。グループ面接は6名で黒の位置に3名の
面接官がいます。
時間は20分で3対3のディベートを行ないます。
最初に受験生の
出身校の紹介がありました。
テーマは「雄弁と沈黙
医療の現場に
おいてどちらが善か?」でした。

 

Kさん:私が受験した時も同じ位置に受験生と面接官がいました。
テーマ
は「ニューヨークのテロ事件に対するアメリカの軍事行動について是か非か?」でした。
もっと積極的に発言すべきでした。
 


 K君:「医学教育において英語教育を取り入れるべきか?取り入れるべきでないか?」のテー
マについて賛成派と反対派に分かれて討論しま
した。
ぼくは個人的には反対派だったのに賛成派に廻されてしまい
ました。
個人面接の時にグループ面接の発言について深く突っ込ま
れるというケースもあるのでどちら
の側に立っても発言すべきだと
思います。
 




     

<グループ面接>
白が受験生、黒が面接官の位置

    O  O   O   

 O  O  O
  ●
 

ゼミ教務:個人面接ではどんな質問を受けましたか?

  

Y君:ぼくが問われたのは以下のことです。面接官は目の前に3人でした。

【質問内容】

1、出身校について

2、グループ面接での発言内容について

3、医者になって何をしたいのか?

4、臓器移植についての考えを述べなさい。

Kさん:私が問われたのは以下のことです。

【質問内容】

1、関西医大への志望動機

2、高校時代のクラブ活動について

3、将来、何を学びたいのか?

4、ホームレスをなくすにはどうすべきか? 

K君:ぼくはクラブ活動について詳しく聞かれました。     

                        <面接官3名>

●   ●   ●

O

                          <生徒1名>  

 

Tさん:私が問われたのは次のことです。

 

 【質問内容】

1、関西医科大学を志望した理由について2、もし医者になれなかったらどうするのか? 

Tさん:私は、2番目の質問ではむきになって「絶対になります!」と答えてしまいましたが、
今にな
って考えると一種の圧迫面接のような気がします。川崎医科大学の面接でも「女子
は不要なんだよ。」と言われま
したが、わざと意地悪な質問を投げかけることによって「人
間の本音」
 を揺さぶるようなテストをしているのではないか?と思います。やはり、冷静に
なって正確にゆっくりと答えるべきだったと反省して
います。 



ゼミ教務:小論文はどんな形式でしたか

Y君:制限時間は50分で難しいと思いました。テープを聞いた後に2つの設問の書かれた紙
が配付され、その2つの答えを交えて400から
500字で書く形式でした。試験官から詳細な
指示はなく「受験生
に任せる」と言われました。

 

Kさん:私も時間が全く足りませんでした。テープを聞いて「人間関係のあり方」について3つの
話しを聞いて論述しなければなりませ
んでした。制限時間は50分で字数は500字でした。
 

K君:最初に紙を渡されました。「許すということと裏と表を持つことの関係」でした。紙に書いて
あったことは全て正確には覚えていませ
んが、大体次のようなことです。
「許すということは重要である。
一般的に許すということは自分の中に裏と表を持つことを意味する。
例えば、殺人が起こった時に被害者の家族は裁判所に加害者に極刑を望むであろう。しかし、
欧米の場合は殺人犯に対し、「私達が望
むことは、加害者のその後の人生が幸せであること
を望みます」と
言うが、それは表面的なことである。裏表を持つことは自分の中に二面性を持つ
ことだ。二面性を持つことは、大人になる上で必ず
持たなければいけない。

        

        (1)許すということと裏表を持つ関係を明らかにせよ
        
(2)著者の意見はどちら側に立つのか?述べよ
        
(3)(1)、(2)をふまえた上で自分の意見を述べよでした。 

兵庫医大推薦参考資料PART1

【学力試験】 
ゼミ教務:形式はどうでしたか? どんな内容でしたか?

   
S君:形式は総合問題でマーク式の90分でした。
     
科目は決まっておらず、全ての教科が出題されています。ただし、
     
社会の中で日本史、世界史は出ずに地理の「酸性雨」について1
問だけ出されました。
難度は、学校の教科書の内容の基礎的な
+αができているかどうかを問う感じでした。      僕は、物理を取っていなかったので、正直な所「勘」でマークし ました。
特殊な問題として、第1問目に高齢のおじいさんの話し
があって、このおじいさんが思っていることを選びなさい。という問題がありました。 


ゼミ教務:各科目の出題内容はどうでしたか?


 英語は「赤ん坊が高熱を出した時、医療はどうしなければならないのか?」についての英語の中文(長文ではなく)でした。


 
数学は「数と式」「確率」数学Vの「不定積分」が出ました。



 国語は「近藤さんの言葉で次のかっこの中を埋めよ。」「下線部は何を意味ているか」「この詩の題名をつけよ」というような問題が出ました。



物理
は「地面に穴を掘って、その中に土管を入れ、何mくらいまで水を入れ、
ポンプで水を吸い上げるためにはどうすればいいか?」選択肢には、「高気圧がくれば吸い上げられる」などがありました。 


化学は物質(同素体、同位体など)、無機も出ました。 


 

生物は猫が獲物を取る時、どんな変化を表すか?という問いがありました。



地理は「酸性雨」についてが出ました。


 

 小論文は「遺伝子組み換え食品」についての文を読んで次の文に答えよでした。

形式:90分

内容:遺伝子組み換え食品を使えば、生産性がアップして、食料難が

    解決するのではないか?これから人口はどんどん増える。しかし、遺

    伝子組み換え食品は安全とは言い切れない。

 

    問題(1)資料を読んでこれからの人口の世界分布がどうなるのか述

         べなさい。(200字)

 

    問題(2)遺伝子組み換え食品について技術的(医学的)、社会的、

         経済的問題について書きなさい。(600字) 

ゼミ教務:面接の形式はどのようなものでしたか? 

 


S
君:
形式は、個人が15分でグループ面接が60分でした。

   グループの人数は、6人で面接官の人数は3人でした

【面接】<グループ形式> 

まず1人1人自分の性格とどんなクラブに入っていたかを問われ

ました。

<形式>

 

  <教授2名>

                   

    

  <司会者> 

O O O O O O

  <生徒6名>

 

 

 

 ゼミ教務:どんな質問を受けましたか?

 

S君:ぼくが問われたのは次のことです。

 

 【質問内容】 

1、「学習塾についてどう思うか?」

 

 

2、兵庫医科大学について何を望むのか?

また入ってから何をしたいのか?

 

 

3、「臓器移植」についてどう思っているか?

 

  

ゼミ教務:個別形式ではどんな質問を受けましたか?

S君:ぼくが問われたのは次のことです。

 

    <個別形式> 

     <教授3名>

    質問する順番

    3                                         

    ●   ●   ●

    O

       <生徒1名> 

 

【質問内容】 

1、本学の志望理由について

 

 

2、なぜ医師になりたいのか?

 

 

3、(調査書を見ながら)何か苦手な教科はありますか?

 

 

4、(活動の欄を見て)あなたは風紀委員をやっておられますが、それから

   与えられたことは何ですか?

   美術で賞を取っておられますが、それはどんな絵を書きましたか?

 

 

5、3番目の質問者が、「私は最近、若者のマナーが悪いと思うのですが、あなたはどうすれば良くなると思いますか?

 

 

6、最近医療事故が多くなって来ています。あなたはどうすれば良くなると思いますか?

 

 

指導記録55

<11月27日(火)>
再び、風邪が猛威をふるっているようだ。今回は非常にたちの悪い風邪のようなので気をつけ
るべきだ。大体、精神的にも色々と悩みを抱えて、肉体的にも無理をするので抵抗力が弱くな
り、風邪の餌食になると思う。鼻水が止まらない方も多いと思うが、肩こりや腰痛から熱が出る
前の「寒気」を感じたら、すぐに眠るべきだろう。
色々と考えて眠れないかもしれない。
しかし、完全に熱が出てインフルエンザにでもなろうものなら1〜2週間の致命的ダメージだと思う。
これだけは避けて欲しいと思う。以前、風邪を引いても「焼肉を食べて銭湯のサウナで思いっきり汗をかいて1日で風邪を治す強者」を見たことがあるが、体育会ならではの体力があるから
そんなことができるのであって、普通の人間がやることではない。
これを読んで「一か八か!」とか言ってやらないで頂きたい。絶対にやらないで欲しい。
もし、失敗したらどうするのだろう?
マスクをして、あえて酸欠状態にしてサンドバックを殴り続ける者もいたが、それ位異常なことをしないと落ち着かないのかもしれない。
大体にしてセンター試験「未知の一発で90%超えろ」ということは、「ほぼ満点取れ!」ということの方が近いのだからTVチャンピオンの入試版のようなものだ。私立だって半端ではないだろう。センター初日で失敗して行方不明になって「家族から捜索願い」が出るというのも頷ける。
この時期になると一つの悩みとして「先生、当日精神安定剤飲んでいいですか?」と聞かれる。
勝手に飲んで成功したとか言う例を聞いて気持ちが揺れているのだろう。気持ちはわかる。「ユンケル3000円の一番高いもの飲んでいいですか?」(人によって鼻血が出たりするらしい)とか聞かれると本当に困る。
最高の物を飲めば最大のパワーが出ると信じているから困る。
当日「最高のパフォーマンス」を望む気持ちはわかる。捨て身の気持ちになってしまい「飲むな!」と言っても言うことを聞かない場合だってある。
逆に安定剤で眠たくなったりするからやらない方がいいと思う。
「自殺志願者をストップさせる刑事か?」と自分を疑いたくなる。
この時期は「コミュニケーションの方が重要」と以前書いたが、こういう理由からだ。
ほとんど金メダルを取ることを義務づけられたオリンピック選手と同じような心境になるのだろう。
本当に大変な試験だ。「メンタルの勝負」の時期だ。

指導記録54

<11月26日(月)>
兵庫や関西の推薦も終了し、関西は最大人数を残す近畿のみとなった。近畿は赤本にも
問題が掲載されているため、解き易いと思う。だから、「ひょっとしたら行けるのでは?」と思
うのも無理はない。しかし、自分が解き易いと思えばライバルも当然解きやすいのであるの
が当たり前であるため、気を抜かず、自分のベストを出し切るということだけ考えれば良い
と思う。どうせ一般入試で再度当日来ていた生徒と何回か当たるのだから、「練習」という意
味で良いと思う。
最もレベルの高い戦いは、近畿後期ではないだろうか?今年、大阪医大が後期を実施する
ため、上位層は大阪に行くと思われるが、数学が苦手な層が大阪を受験するとは考えにくい。
したがって近畿と埼玉にあまり変化はないのではないか?と思われる。国公立併願層と数学
を武器にしている生徒だけの限られた戦いような気がする。
今年はセンターの前に医大の入試がないため、最初からどこを受験してどのようなルートを
通過するのか読みにくい。最大のチャンスだと思われるのが、兵庫の2次と関西、大阪、福岡
の選択をする時点での判断だろうと思う。「こちらを立てれば、あちらが立たず」と悩んでいる
場合だと思う。結論から先に言えば、「2次というのは1次を通過して初めて与えられる権利で
あり、あれこれ2次を今のうちから考える必要はない」と思う。当然2次の基本的対策の力を
暖めておく必要はあると思うが、今から「2次が重なるからな〜」は考えても仕方がない。
気持ちは、「1次最低ラインを何がなんでもクリアする」だけ考えればいいと思う。1次合格
してからの悩みであって、今から日程の重複を心配する必要はないと思うのは私だけだろうか?
もう自分の1次合格が確約されたように悩む人がおられるが、大学の方から来なくていいと
言われ、「こんなことならあそこも受験しとけば良かった」となるケースが非常に多い。
とにかく、考える余裕がなくなって大事な判断を見落とすケースがあるので、ぜひとも受験生お
よび保護者は注意していただきたい。また、受験生も「親に聞いてもわからんから相談するだ
け無駄、無駄!」となるのではなく、「聞く耳」を持つべきだと思う。
素人の純粋な意見に「はっ!こんな大事な点を見落としていた!」となることがある。例えば、
進路面談だってお客さんの純粋な質問の答えを探していくうちに詳しくなっていくものだ。
大体は、同じような質問だが、たまに「なんでこんな重要な答えを今まで探していなかったのだ
ろうか?」というのがたくさんある。それもほとんどが、何も知らない方の質問に気づかされる
のだ。業者でさえ見落とすのに、焦った受験生とその家族が見落とす点は多々あると思う。
余裕がないのはわかる。
しかし、こういう時こそ冷静な判断が必要だと思う。

指導記録53

<11月24日(土)>
明日は、関西医大の推薦だ。参考資料を提供しておこう。地方の受験生の方は守口の
ホテルに宿泊しているのかな?じゃあ、見ることはできないか? そうか携帯で見れるか。
最後の強力な励ましを送ろう。強力な助言であることは間違いないと思う。

1、問題は適正検査150分(大問16問の80問)で日本語、英語の長文が12題あり、
  各5個の設問、後半に数学、物理、化学、生物の問題が出て来る可能性がある。

2、問題は冊子の形式(センターレベルと言われるが人によってレベル判断は異なる)

3、英文、現代文が各8題ずつ出題されており、中には3択問題もあり、1、資料に合っている。
  2、資料に合ってない、3、どちらともいえないという3つの選択肢から選ばせるものもある。
  総合問題として数理的問題が8題出て来る可能性がある。また、選択肢はa、問いから
  読み取れる、b、問いに矛盾している c、判断できないの中から選択させる場合もある。

4、グループ面接はちょうど正三角形の角の位置に面接官が3名います。つまり3人対3人で
  正対し、その部分を中央として三角形で囲むイメージを想像してください。賛成派と反対派
  に分かれる場合がある。(自分が賛成派の意見を持っていても反対派に廻される場合が
  あるので両方の意見を瞬時に準備すべきです。)個人面接の時にグループ面接の発言を
  深く突っ込まれる場合があるので自分が何をしゃべったか記憶しておくことが必要です。

5、小論文は制限時間50分で難しいです。テープを聞いた後に2つの設問の書かれた紙が
  配布され、その2つの答えを交えて400〜500字で書く形式。試験官から詳細な指示は
  なく「受験生に任せる」と言われる場合がある。時間が全く足りないと思われるのでスピー
  ドが必要です。著者の意見がどちら側に立つのか?その問題の表裏の関係はどうなの
  か?そして自分の意見はどうなのか?問題の正反合の関係から問う場合がある。


最後に嫌な面接官が出て来る場合があるが、その嫌に見える部分が意図的なのかどうなの
か不明である。気にせずにいくべきである。たまに女子に対してわざと頭に来る質問をする場
合があるので注意して下さい。6人のグループ面接で上位2名位の「良い印象とリーダーシッ
プ」に入る位を目指せばいいのではないかと思います。つまり、賛成派と反対派の各リーダー
ですね。リーダーの取り合いになって紛争が起きるかもしれません。その時の解決能力を見て
いるのかもしれません。ワングループ6人中の2名に入る位に上手に目立って下さい。
何もしゃべらなければ終わりです。ただし、絶対にむきにならないこと。相手をつぶさないこと。
心から健闘を祈ります。とにかくスピード、スピード、スピードです。まず、問題用紙をもらったら
瞬時に全体の量を計算すること。全て計算して行動すること。
「ブルドーザーのように燃えに燃えているが、心の中には氷のような冷静なコンピューターを搭載している」そのような心がベストです。

指導記録52

<11月23日(金)>
いよいよ12月も見えて来て全国臨戦体制だと思う。同時に家族の不安もピークになり、受験
生も大人であるから、家族の不安が自分に更なるプレッシャーを与えていると思う。
そして親は、子供のことが不安であるから、「すべり止めを考えなさい!」と口にする。
この世界で最も重要な技術に「進路指導」がある。
大体、浪人する受験生の多くが、「この先どうしたらいいかわからない状態」(わかるはずがないというのが当然)が長く、勉強のスタートが大幅に遅れて自動的に浪人になっていると思う。
つまり、中途半端以下の「目標不在状態」で高校から押し出されて浪人というケースが多いと思う。以前、書いたと思うが、高校の進路指導が勧めた状況とは全く違う大学に入学しているケースも多々あると思う。全国のここを見ている人どうですか?そうですよね。
以前書いたと思うが、高校の進路指導などは、生徒がどこかの大学に入ってくれればいいわけで「本人が本当に何をやりたいのか?そこから逆算してどうなのか?」など考えていないケースが多い。またひとりひとりそこまで時間を割けない。だから、本人も判断材料を持たないし、先生は社会的視野が狭いし、親は「あなたの好きにしたら」と言うだけである。
これでは、本人も不完全燃焼状態なのだから自動的に浪人するか、自分をよく分析できずに別の進路に行ったりするのである。大体、親は忙しいから「指導してもらっているもの」と思い込んでいる。そして「すべり止め」が「すべり倒し」になるのである。
例えば、ある生徒が「将来、英語を活かした仕事をしたい」と言うとする。あまり成績が良くないとする。本人は「漠然としたアタッシュケースを持ってサウジアラビアからロスへ忙しく飛び回る敏腕ビジネスマン」を想像している。
果たしてその生徒がそこに到達するために「どういう助言ができるか?」「どういう現実を認識させるのか?」というような非常に難しい問題を解決するのが「進路指導」だと思う。
そして最も重要である。進路指導のひとことで人生が左右されたりするので大変な仕事だ。
最も重要で最も難しい「人生の道先案内人」が進路指導だと思う。
責任も大きい。そして、助言をしても生徒の父兄が大反対をする場合が多い。
親が反対したらまた振り出しにもどる。「やっと解決できた!」と思ったのもつかの間だ。
また、灰色の自分がよく見えない暗黒状態だ。
そういうことで「迷える子羊」が多数誕生する。
「あの時、俺にこうさせてくれなかった!」と今だに子供に恨まれている保護者も全国に多数いると思うが仕方がないと思う。
でも子供は重大な選択を誤ったから恨んでいるのである。
それがもう今となっては手遅れだとわかったから悔しいのである。
大学生のチューターが無責任に適当なことを言うのも大問題だ。
自分の好き嫌いで適当なことを言うのだから。大体、学生もまだ現場に出ていないだろう。
進学高校なんか、生徒が何をやりたいかよりPTA対策で「浪人を発生させない」ことが最重要だ。
何しろこの先少子化で生き残りがかかっているのだから
校長か理事長命令で担任が生徒の自宅に電話して受けたくもないのに「ここの大学のこの学部受けろ、頼むから」という電話ももうかかっているだろう。
「人生の迷い」が出て当たり前だ。
働いたこともないのだから、ましてや自分の分析も十分できない、助言も得られない状況で完全燃焼せよ!という方が無理だと思う。
更に迷っている人間に「好きにしたら」と言っても答えは出ないと思う。
「好きだけで判断したら危ない」位のことは今の子なら漠然とわかっている。
例えば弁護士を目指している生徒がいるとする。
本人は頭の中で「菊のバッチをつけてお金持ちでセレブの奥さんがいて廻りから尊敬と羨望のまなざしを受けてTVにも出てフェラーリに乗って天下取った気になっているとしよう」もちろんいい所だけしか見ていない。その未来の自分に完全に酔いしれているとしよう。
そこに「いいかい、君は人間と人間のトラブルの中に飛び込むことになるんだよ。恨まれたり
殺されたりするかも知れないよ。だって人と人とのトラブルの中に飛び込むのだからね。
常にドロドロした世界に身を置くのだよ。それでも困っている人のためにやりたいならやれよ」
という人間が必要ということである。医者だって「病気がうじゃうじゃある所で君は戦うんだよ。
君に感染するかもしれないよ。手術に失敗したら患者の家族に訴えられるかもしれないよ。それでも人のためにやりたければやれよ」という人間が必要だということである。
そういうアドバイスのできる人間がいれば「気合の入った人間」だけになる。
少なくとも「答えが出なくてあがいている生徒」は少なくなる。
そうすれば生徒は心の中で「消去法による人生選択」ができると思う。「甘い考えをしていた」と
自動的に反省するだろう。全国の「迷える子羊」は消去法できる情報さえ全く与えられないから大量発生するのだと思う。
浪人やニートや不登校の発生するメカニズムが理解していただけたらと思う。

指導記録51

<11月22日(木)>
いよいよ寒くなって来た。今年の夏の暑さが嘘のようだ。12月に入れば願書や調査書を早め
に準備して「いつでも来い」状態を創るべきだろう。志望動機や記入する所が多い場合は早め
に片付けるべきだろう。
願書締め切り日が「当日締め切りなのか消印有効なのか?」位まで確認すべきだろう。
地方の方は、地下鉄の出口や電車の下車出口から会場の方向はどの方向なのか?まで絶
対に確認すべきだろう。一度近畿大学の医学部入試で東大阪会場受験の生徒がわざわざ狭
山会場まで間違えて来ていた。
たしか手にはコンビニの袋に入ったおにぎりとアップルジュースを持っていたと思う。
なんでわざわざはるか遠距離の会場に来ていたのだろうか?
その間違いを指摘したとたん、座り込んで泣き出したことがある。(もしこれを見ていたら、合否を聞いてみたい)
すぐに入試センターに電話させ、無事受験することはできたのだが、その時に冷静になれなか
ったら全くの無駄足になっていたと思う。
新大阪会場だって地下鉄の出口を間違えて反対側に出るとお手上げだ。駅そのものがばかで
かい。わからなければタクシーに乗るしかない。その方が安全だ。
関西大学会場で大阪側から一番近い出口から出たら山を登らなくてはならない。下に降りて
いったらとんでもないことになる。地方の方は注意すべきことだと思う。意外に余裕のない時間
帯で来る受験生が多いのだが、最も注意すべきことをひとつ教えておこう。
それは入試当日に起こるかもしれない「人身事故」である。
これは、地下鉄の車掌の友人から聞いたのだが、彼が言うには「最も多いのは12月ですよ。
なぜなら借金取りが年内に最後の追い込みをかけますからね」と次が興味深い。
「12月というのは、クリスマスとかで幸せそうな人間と借金に終われている人間とのコントラ
ストが明らかに出るんですよ。
街に出ると楽しそうなカップルやら、クリスマスケーキを持つ家族やら鮮やかなイルミネーション
や楽しそうな音楽やサンタが出て来ますよね。
あーなんて周りの人は幸せそうなんだろう、それに比べて俺はなんて不幸なんだろうとなるんですよと。だからたくさん線路に飛ぶんですよ」と
「あと1月も多いですかね」と。 もし起これば、当然時間の余裕がなくなるから焦る。
12月から1月にかけて人身事故が多ければ、受験生も影響を受ける可能性は十分にある。
見かけたら教えるが、すぐにわかる。とにかくきょろきょろしている、また、会場まで全力疾走
している受験生も多いが、試験会場で汗をたくさんかく位なら余裕を持った方がいい。
あれだけの全力疾走をして、暖房の効いた教室に入り込むと座った瞬間に相当の汗が出てい
ると思うのだが、気持ち悪くないのだろうか?
たぶん背中にべっとり汗がついているはずだ。
自分を動揺させるようなものを全て想定して準備する。起こってからでは遅いと思う。

指導記録50

<11月21日(水)>50号到達

やっと50号到達した。昨日は、生徒に勉強させる、能動的に動かすために「怒りから罰」では
絶対に効果が上がらない。「目標とそこへ向かう強固な理由づけ」その部分を強固にするプロ
セスの大切さが、現在多くの現場で抜けている「盲点」を追求した。簡単に言えば、犬やねこじ
ゃあるまいし「勉強しなさい、さもないと」には限界点があるということだ。
今日は49号で前触れをしておいてたまには少しだけ自慢させていただきたい。
以前から狙っていたウルトラ記録の達成である。
それは、「上昇偏差値合計100ポイント超え」が達成された。
受験科目4教科であるが「偏差値合計100超え」は非常に難しい。
つまり、受験生ならわかると思うが例えば「3教科偏差値30上昇させて残り1科目も偏差値
10を同時に上げる」というのは至難の技だと思う。4教科とも各科目25上げることだって至
難の技だ。今までのウルトラ記録で「E判定から最短7ヶ月での東大合格」があるが、それよ
りもうれしいかも知れない。
彼女の場合は「自分で伝説を創る」と公言していたから精神的な準備はできていた。
今回は違う。全く逆だ。精神的に病んでいた所からの開始だ。がんばった彼に対して褒めて
あげたい。実は、その生徒は私が書いた「カウンセリング10の記事」のモデルである。
進学校で落ちこぼれて「反応ゼロ」の状態だった。実質的には1.5浪位だと思うが、数学
(スタート44から72.9で28.9ポイント上昇)物理(スタート32から67で35ポイント上昇)
化学(スタート40から66.5で26.5ポイント上昇)英語(スタート30から56.3で26.3ポイ
ント上昇)で合計偏差値116.7の上昇である。くれぐれも言っておきたいのが誰もがそうな
るとは限らない。
まだ、彼が受験前なのでこれ以上詳細は書かないが、phenix is back(不死鳥は蘇る)
達成されたことが何よりうれしい。
これでウルトラ記録を2つ達成できたが、人間には「潜在能力」があることは否定できない。
つまり、人間の能力というのは水の中に氷が浮かんでいるようなもので水中に隠れている
氷の部分が人間の潜在能力である。
それが引き出せる場合と引き出せない場合がある。
例えば、今年大リーグで活躍したレッドソックスの岡島投手なんかは、日本のコーチは引き出
せなかったが、アメリカのコーチは引き出せたという例だ。
日本の指導者は「自分の型」にはめることに細かいが、海外の有名なコーチは「まず、いい所
を伸ばす」ことを最初に考える。
そして「選手に迷いを与えないことばの力」に卓越しているのが特徴である。
しかし、全てがうまくいくとは限らない。博打のような所はある。例えば、「天才は努力を嫌う」と
いう場合もある。持っている才能は誰が見ても素晴しいのだが、地味な努力を嫌う。がんばれ
ば素晴しい結果を残せるのに努力をしようとしない。才能があるのでそこそこ行くのだが、努力
ができない例も多数ある。結局、努力家に最後は負ける。
しかし、親がほとほと手を焼いて、本人が放心状態で連れて来られても指導する方の体力と
精神力が持たない。もう2度と「偏差値100超え」はできないかもしれないような気がする。
「全教科スーパー急上昇」というのは、よほど人材に恵まれてないと無理だ。
1年間モチベーションを刷り込むだけでも大変だ。ただ、「潜在能力の爆発の実例」は1度証明
してみたかったというのはある。今回の50号の記事が、進学校で落ちこぼれた全国の放心状
態の生徒の心に火を灯すものであったらいいと思う。
「人はなりたい自分にしかなれない」と言われる。
「自分はここまでや」と思ったら心の中でブレーキとアクセルを同時に踏むことになりそのとうり
の「そこまでの自分」が出来上がることになる。
今回は、「頭の中で無意識にかけるブレーキ」をふっとばす事に全神経を集中した。
洗脳が成功した例かもしれない。

指導記録49

<11月20日(火)>
いよいよ50回目が見えて来た。小論文を50回書いたようなものだ。
カウンセリングの記事も含めれば全部で66回だ。
Googleからここ2週間はマックスレベルのアクセスのため、「もっと広告出せよ!」と指示が来た。
天下のGoogleから認められてうれしいものだ。しかし、長い時は3時間位かけてあがきながら
書いている時もある。読者に新鮮でかつ説得力を持つものでなくてはならない。
Googleは「地球上の全ての情報を整理する」というような所だから、よくこんな小さな所まで分析しているなと驚く限りだ。もう12月が見えて来た。絶対と言っていいほど一年前からどんな緻密な計画を立てても直前にやることはたくさん出て来る。
これは、受験生の本気モードがMAXレベルになると今まで見えなかったものが見えて来て「あれもやらねば、これもやらねば」となるからだ。自分をキープすることが難しい時期へ突入した。
今日は中学生以下の塾に行かせている保護者に向けて書こう。
むろん受験全般に通用する「お客さんが気がついていない盲点」だと思う。「受験」というのを厳密に分析すると、まず母親同士の情報交換が大きな震源地になっていると思う。それは、子供に対する「純粋な愛情」から産まれるもので、「あそこのお子さんが塾に行きだした、うちの子もどっか行かさんと不安や!」というものが伝染して「母親同士の見栄」などもあり、「どんどん子供の母親の心の中で拡大されていく実体のよくわからない不安」から始まるような気がする。
お母さんが一番子供のことを心配しており、一番他のお母さんの子供のことに敏感だと思う。
悪い言い方をすれば、この業界は、「不安につけ込み、救いの手を差し伸べる可能性のある宗教」のような所がある。受験地震の震源地は「お母さん同士のお母さん同士によるネットワーク」であろう。だから、生徒に携わる指導者の先生達の名前は、先生達の知らない所で「指名手配の犯人」のように情報が流されていることに気をつけて頂きたい。
これがわかってない先生が今だに多いのが本当に不思議で仕方がない。
受験生の家庭の夕ごはんの時の話題で必ず名前が挙がっている位に考えていい。
受験はお客さんからすれば「重大事」の中の「重大事」だ。
考えたらそれしか話す話題がないだろう?これは全国の指導者に伝えたい。
芸能人までは行かないが「注目されている人間」には変わりがない。
自分が「酒の魚」になり易いことさえわかっていない鈍感指導者がまだまだたくさんいる。
当然、人を介せば「伝言ゲーム」のようにレベル1の誤解が、最終的にレベル10位の「虚像」
が創られるものだ。まん引きした犯人が伝言ゲームの最後には歴史上最悪の極悪殺人犯位
になっている。
なぜならお客さんからすれば「命より大切な子供という人間」が介在しているからだろう。
子供のことが心配になると朝の5時位に電話かけてくる父兄もいれば、不安になり次第電話を
かけまくる方もおられるものだ。気持ちはわかる。また、自分の子供をうまくコントロールできな
いストレスから「どこかの塾に入れてストレスから逃れたい」というようなものだろう。
親父は嫁さんから聞いて「そんなもんかな? でも俺は仕事のことで頭が一杯だ お前に任しとく」位のものだろう。
不安にかられているお母さんに共通しているのは、「勉強しなさい、さもないと」で次に「罰」を与えるだけだ。「強制の次に恐怖」のごくごく単純な順番だ。
大事な「まん中の理由」がない。
よく考えるとマラソンだってゴールがあるから走るのであって、私もゴールがなければ絶対に走らない。例えば、「なぜ勉強するのか?」の答えは無数にあるだろう。それを相手の腹に落とす所まで納得できる説明を塾や予備校や学校がひとりひとりにするか?残念だがしないのである。する時間もない。第一指導者そのものが深く考えたこともないしその理由を説明する機会もない。
大学生だったら、そんなことを考えるより彼女のプレゼントを選ぶ方が重要だろう。
あるいは大学の単位や実験の方が重要だ。
ここに父兄が「たぶんやってもらっているだろう」の甘い思い込みが存在する。
そして「いつか激変するだろう」というこれまた甘い思い込みが追加される。
考えたらわかると思う。子供を持ったことがない人間に「子供を持つ親の気持ち」がそう簡単にわかるわけがないだろう。子供を持って初めて「親のありがたさ」がわかったりするだろう。
私も独身時代はすぐに手が出る「人間凶器」の一面があった。
今、思えば不安なお母さん達と全く同じように「勉強しろ!さもないと」だったと思う。
腹が立った時など「どういう罰が生徒が一番苦しむか?」とか平気で考えていたのだから救いようのないバカだったと言える。懺悔の意味も含めてあえて恥をさらしたい。とんがった独身がお客の命より大切な人間を殴って「若気の至り」で済む問題だろうか?
今思えば「罰で苦しめて自分が楽になる」ことしか考えてなかったような気がする。
そういう風になりがちな仕事と言えば「その通り!」と言ってくれる賛同者は多いと思うが
「生徒を動かすための強い動機づけ」のバリエーションを無数に持つ人材は業界に限りなく少ないからだと思う。ここまで言っていいかどうかわからないが、「通学している」という目に見える形だけに満足しているお客さんが圧倒的に多いのである。「腹減ったらめし喰いたい、でも喰うには金がいる。どうしたら僕は稼げる大人になれるかな?」と考えさせられたら動くだろう。
しかし、「なんか知らんけど親に拉致されて塾に放り込まれた」では塾にかける費用対効果が全く異なると思う。
「能動的に動く理由」を子供に身につけさせて欲しいのにそれがすっぽり抜けている。

指導記録48

<11月19日(月)>
今日は、これから受験勉強を始める受験生予備群の保護者に向けて書いてみたい。
なぜなら今のネット社会の進行は素晴しく、ここでの記事を読んだ方がその後どのような
検索キーワードを入れたかまである程度追跡できる。
「カウンセリング10の記事」を読んだ方がすぐに「わが子に合う高校探し」をキーワードにしている事は非常に興味深い。そのニーズに対して記事を書いていけるのでものすごいスピードで読者が増加していくのだろう。完全に中立の立場で書いてみたい。まず、塾や予備校を選ぶ選択基準として大切にして頂きたいのは「思い込むな!」のひと言である。
「指導者に対しても勝手に思い込むな、お客さんに対しても勝手に思い込むな」である。
指導者の思い込みについてはかなり書いて来たのでわかるだろう。
しかし、お客さんも思い込むものだ。「双方思い込みの業界」と言っても過言ではないと言える。
その「思い込み」を有利な方向に持っていくのが業者の広告だ。
結論から言えば、「自分の子供に合った塾、学校がベスト」である。
例えば、合格実績の素晴しい所の広告を見ても「うちの子がそうなるとは限らんからな〜?」と
思えということである。とはいいながらもこれだけ数があるのだから「あみだくじ」のようなもので
ある。大切なことは、「お子さんがその塾のシステムにはまれるかどうか?」だと思う。
もう一つは、今は父兄の方が自分で探してどれに決めるか決定権を持っているので十分に自分の子供を分析できていない場合の「ズレ」があるからだ。
そして、1週間後に効果が現れるものでもないから判断しづらい。共通しているのは、「うちの子はやれば絶対にできる!」だが
学校が塾や予備校を嫌うのは、「学校以外にお金がかかる」からだ。
学校がしっかりしてくれれば民間業者に行く必要はないと「学校にとばっちりを与える原因」が
塾、予備校である。見捨てられたジェラシーは強烈だ。
だから、よくキャッチフレーズに「うちの高校に来れば塾に行く必要はありません(2重にお金はかかりません)、安心してください。」と書いてある。
しかし、カウンセリングの記事に書いたように「学校で長期間の的を外した拘束をいくらされても時間の無駄」というのはあると思う。「失った時間は取り戻せない」からだ。
自分の所で宣伝しておいて言うのもおかしいが、個別指導についても私自身は「半分賛成、半分反対」の立場を取る。
その理由は、直前期の追い込み等や個人のニーズがはっきりしている場合は非常に有効な武器だが、人間は人間からの刺激に応じて「やる気」になったり、その空間が出す「熱」に巻き込まれ成長するからだ。かと言って大学の一般教養授業のような莫大な人数ではダメだ。適正人数で「熱」が発生するパワーは効果的である。
やる気がない時に他の生徒が燃えている姿勢が視界に入ると「やらないかんな〜」となる。「人間(ライバル)が出す刺激」がパワーの源になる。
もう一つは意外に保護者がわかっていないのは、「生徒は学校以外に新たに他金のかかる自分を親に対して申し訳ない」と思っている場合があるからである。
本人が「やらんでええよ」と言えば引き下がる。
また、まだやる気がない場合もある。
親も「やるのは本人やから」と納得してしまう。当然だ。
これが、緊急手術の時期を遅れさせる原因にもなる。
だから、「行ってがんばらないいかんというのはわかっているが、自分で俺がやれば親に迷惑かからん」と「美しいやせ我慢を」している場合があるということだ。
これが意外に多い。結果的には、自分でやれないから今そうなっているのだから現状は改善されないのだが、年齢的にもあまり親と話さないから「子供の考えていることが見えない」のである。
親が忙しければ 忙しいほど見えない。
選択に成功した方には「あらゆる運」も味方したと言える。

指導記録47

<11月17日(土)>
昨日は、「視野が狭くなる恐怖、小さな権力を持つ恐怖」について書いたつもりであるが、この
問題はある程度長く激変していない組織について共通して起こる問題であろう。今日は業界
特有のもう1つの問題について言及したい。
例えば、長く大学入試指導をやっていると脳やレベルが上がってしまって他の学年の指導が
できなくなる問題である。多少は個人差があるとは思うが、正直かなりきつい。
下から上の学年よりベテランが上から下の学年に落ちる場合が特にそうだ。
「先生、明日から小学生の指導をお願いします」と言われても無理である。
私自身も中高一貫で指導した経験があるが、中学やってくれと言われたらすぐに辞めようと
思っていた。
それ位人によって抵抗があるものだ。
また、教える本人も自分がいい授業ができないからとわかっているからだと思う。大学入試を20年以上経験した先生が、今年から中学生を担当しているが、本当にイヤイヤながら「ポケットモンスターの名前」や「アイドル歌手の名前」を苦痛に耐えながら覚えているそうだ。高校生以上になるとある程度、クールというか大人というか「これから人生をどうしようか?」などとある程度大人の話ができる。
しかし、これが中学以下になるとまず、自分の目線をかなり下げなくてはならない。
これがとてつもなく苦痛の場合がある。この先生達の気持ちも本当によくわかる。
私も無理だ。だから「反抗期の中学生やしつけ以前の中学生」をコントロールしている先生達を
本当に心の底から尊敬している。自分にはできないという完全な白旗を上げる。 先日、名古屋
で女性の先生の胸の骨を折った中学生がいたが、自分で自分をコントロールできない中学生
は、非常に危険である。3年B組金八先生には「現実にはありえないシーン」が登場するが、
中学という最も扱いにくい年代を取り扱っている点では賛成できる。
古い話であるが、大阪で校内暴力全盛期の時に中学に教育実習に行った大学の同級生が、
「セーターが黄色と白の生徒に吐きかけられたタンだらけ」で帰って来たのを見たことがあるが
悲惨だったと思う。教育実習初日から「全身タンの洗礼」である。
信じられないかもしれないが、2階や3階上から椅子が落ちてくる、バタフライナイフなど当然携帯していたというからあ然とする。
今は家族を殺害する所まで来ているから、「どうかかわっていいかわからない父兄」が多いの
ではないか?と思う。例えば、医学部や歯学部など受験する生徒は当然ゴールまで行くまで
の管理には苦労はあるが、こういう試験をなめてかかる生徒は少ないので最低限度聞く姿勢
はできている。そういう生徒を長期間指導して来た先生が、いきなり「席につく以前のしつけ」
など想定外の考えられない事件である。
難しい大学入試の長文の背景まで研究している優秀な人が、「机の下にネコが一匹います」
に戻るのは無理であるし、無理がある。だから、小、中学特に中学を指導している全国の先
生はすごいと思う。心から尊敬する。ある大学入試専門の先生がこんなことを言っていた。
「やる気のない生徒の授業ではその空間にいるだけで疲れるし、ストレスもたまる。だから
素晴らしい解決法を発見した。いいか、びっくりするぞ。やる気のない生徒の集団が自分
の視界に入るのが最大の原因や。だから生徒の方を向いて話をする時はな、完全に目をつ
ぶるんや。そして後ろを向いて黒板に書く時に完全に目を開けて必要なことだけ書くんや。
そうすれば手を抜いてないし、ストレスもたまらんやろ?」と
一度父兄面談の時に聞いてみるのもいいかも知れない。「先生、同じ学年でも先生のやる
気が出るクラスとやる気ゼロのクラスがあるそうですが、うちの子はどちらに入ってますか
ね?」と聞かれると多分動揺するだろう。「なんでそこまで知ってるんですか?」と

指導記録46

<11月16日(金)>
県の方や広告代理店のトップだとか新たな読者層が増えていくにつれて毎日「重圧」の戦い
となって来た。毎日30人以上読者が増えていくため、気が抜けない。「印刷して大事にファイ
ルしています」とかメールが来るとプレッシャーがかかることこの上ない。そんな大それたもの
でもないだろう。ただ、真剣に書いている姿勢だけは評価して頂きたい。
指導記録1と現在では、かける時間も全然ちがう。今は読者を意識した本を書いているようだ。
受験生ががんばっているから「1つの試練」としてがんばろう。
かといってガチガチの状態では書けない。
今再び「いじめ問題」が再燃している。「いじめ」「命の大切さ」「医師不足」「産科医の不足」等、受験生が面接でしゃべる内容も絞られて来たかもしれない。「最近気になるニュースは?」という質問に対する答えだ。ライバルよりも長く理詰めで答えられるようにしよう。
リクルート出身で和田中学の校長である藤原和弘校長がTVに出て「いじめ問題」にコメントしているが、(さだまさしにソックリなのですぐわかるだろう)この人の言う「ななめの角度の教育」は本当に素晴しいと思う。「親と子」「先生と生徒」という縦だけの関係ではなく「友人」という横の関係でもない人間を入れて考えさせるというものだ。この先生の和田中学で採用している「よのなか科」は非常に的を得ていて実際に「生の講演」を聞いて非常にためになった。
大体、視野の狭い人間が指導して視野の広い生徒は出て来ないだろう。
何でも「見てやろう」の精神だろう。
実際に昨日までホームレスだった方が出てきたり、町の工場長が出て来たり、弁護
士が登場して「模擬裁判」をやったりする。要するに「視野を大きくさせる」という新たな刺激だろう。
医学部等の受験生が長く浪人しているつらさの1つに「廻りの友人がどんどん社会で成長して
いるように見えて自分が世間から取り残されていくようで本当に焦る」というのがあるが、
その気持ちは本当によくわかる。上位を走って来た人間であればなおさらだ。
意欲が高いからこそ「早く浪人生活から出たい」というストレスとの戦いだ。
「夜廻り先生」で有名な水谷修先生の講演でたくさんの小、中、高校の生徒が来ていたが、
「この中で今までにドラッグの勧誘を受けた人や使用をした方、手を挙げて!」と言われた時
に手を挙げた生徒の数を見てびっくりしたことを覚えている。
たいがいの問題点は理解しているつもりだが、「こんなに浸透しているのか?」とたまげた。
私の隣の高校生も挙げたのでさらに驚いた。
初芝学園の理事が、現場の先生を「杵屋(うどん屋)」で修行させる例や、居酒屋「和民」の
渡辺美樹社長が東京の私立郁文館高校の先生を居酒屋で修行させるという試みはある意味
大切だと思う。「客商売の哲学を認識させる」という点で評価できると思う。
(TV放映された「嵐の学校改革」という映像をもしお持ちの方がいましたら探していますので連
絡してください。居酒屋和民のドキュメントで2回放送された1回目のものです。)
なぜなら、40名以上の教室で目が完全に行き届くことはもともと不可能で、その上「手を抜こう
と思えばいくらでも手を抜ける仕事」だからだ。
最初は「毎年繰り返す慣れ」からだんだん麻痺して最後は全く気がつかない。
いいかげんの芽が出て来る。現状打破するために本を書いたり、DVDに出たらいいと思う。
「ここまで教えればいい」という暗記状態が見えてきて自分の指導制限ライン以上のことは
全くしなくなる。自分で自分の殻を創ってそこで安住しているという表現が適切か?
ある高校野球の監督と話をしたことがあるが、「異常なくらい練習せんと日々の生活がだるいんよ!」と言ったのも印象的である。
大学院のボスである恩師からは、「なんで10年も論文も書いてないやつがぬくぬくと大学内におれるんや?お前、おかしいと思わんか?」と。「あいつの武器は政治力だけや(本当はこれが最重要だったりするし、事実政治力はボスの方が負けていた)」とそして10年間書いてない理由は「頭の中で暖めとるんや」だと。さんざん自分のボスの教授に聞かされた。
「あいつなんか、なんもせんとこんだけもろうとるんや!(親分子分の会話はこんなものである)」と
こういう私も高校で教えていた時に「近視の生徒で目を極端にノートに近づけないと見えない生徒」を寝ているものと勘違いして全力でパンチを打ち込んでいたので、思い出すと恥ずかしいことこの上ない。「先生、俺目悪いんや」と言われた時はさすがに強烈にこたえたが、今思い出すと「小さな権力を持つ恐ろしさ」をもろに表している代表例である。
今、思い出しても当時は相当麻痺していたと思う。
また、当時の自分に今は恐怖さえ感じる。
サービス業の「サ」の字もわかっていなかった。塾や予備校の先生でよくあるのは、生徒はわからないから問題解決に来ているのに、それを忘れて「あの子はできん!」を連発するケースだ。
今は私も「お客サイドの視点」を持てるが、逆のお客さん側からの視点を持てるまで相当時間がかかっている。最もいい例が塾等のホームページで「一流」とか「プロ」とかたくさん書いてあるだろう。
「一流とかプロとか誰が決めたんや?」ということである。プロや一流の認定証もないはずだ。
ほとんどは勝手な「思い込み」である。書かないとお客さんが来ないからである。
こんな所にもこの世界の一方的な思い込みが現れていることに気がついて欲しい。
「視野が狭くなることの恐怖」は気づく人もいれば気づかない人もいる。

指導記録45

<11月15日(木)>
昨日兵庫県から到着した書類によれば「県養成医師」という扱いとなり、大学卒業後、臨床
研修2年、前期へき地派遣3年、後期研修2年、後期へき地派遣2年の9年間の勤務体系
となり、県が指定するへき地医療機関に貢献するというものである。
ということは自治医大や産業医大だけでは全然足りていないということか?この2校は私立
に分類されているが、半分公立のようなものなので今後、医大の助けを借りるという動きな
のだろうか?たしかに自治医大に行ったが、「学費も払うからへき地だけは勘弁してくれ」と
いうようなことも耳にする。まず社会的使命がなければ無理だろう。
東京医大が人気があるのは、「新宿のど真ん中にあるから」とよく受験生が口にする。しかし、
新宿といったらワンルームの家賃だけで10万位するような所である。ここはやはり、親に
心配をかけて来た生徒の出番だろう。田舎の人が「取れたての大根や魚や野菜や晩のおかず
まで持って来る生活」もいいだろう。
誰かに迷惑をかけたのなら、誰かに貢献して心の浄化するのもいいだろう。
とこう無責任に言いながらも「9年か、小学校入学から中学卒業までか〜」と思うと
「9年の長さが今の受験生にどう感じられるか?」だと思う。
または「国公立受験生がほぼ学費免除状態で私立に入れるのだからチャンスではないか?
ということは兵庫医大のボーダーが上がるのか?」 
しかし、この養成医師の募集人数が少ないので変化はないのかも知れない。
「そりゃ、そうだ。兵庫県が学費を貸すのだから多くは募集できないだろう。」
養成医師の数が多いと兵庫県の財政そのものを圧迫することになる。
やはり、ドクターコトーの映画化とドラマの続編を放送すべきだろう。
なぜなら急に不足してから現状に対応するのではなく、もっと早くから「へき地赴任者」を確保
しておくメリットを準備しておかないと今の若者の心を動かすことは難しいような気がする。
これから少子化ももっと進むからもっと早く確保しておくべきだと思う。
防衛医大を記念受験で受けた生徒の中には「自衛隊員のジープで迎えに来られるのを経験
して見たかった」というのがあるが、イメージの良さを早いうちから植えつけることも大切だろう。
「俺がやらなければ」!という価値観を受験生に植えつけることも必要だろう。

指導記録44

<11月14日(水)>
受験生の受験に対する重圧と戦うのと同時に、こちらは増えていく読者の重圧と戦うような
気がする。熱心な受験生のお母さんや熱心な受験生のメールももらうようになった。
皆さんインフルエンザに気をつけてがんばって下さい。この時期インフルエンザにかかると
完全回復までに1週間かかるでしょう。取り返しのつかないロスになります。あえて人の多い
所に行かない位の注意で良いでしょう。
精神的、肉体的に疲れてくるとかかりやすくなります。「ちょっと寒気がするな」とか感じたら
寝た方がいいでしょう。くれぐれも自分を痛めつける勉強をしないようにしてください。
以前、記事の中で不登校の記事を書いたら翌週に「不登校専門の家庭教師センター」が
登場し、少し前に「研修制度の重要性」を書いたら今日チラシにその記事を書いていた業者
さんがいたので苦笑してしまった。
つまり、小中学生の業者さんに大きなヒントになったのかも知れない。
素早い動きに感心してしまった。がんばってください。
業界の中には「他業者の批判に命をかけている位の先生」もおられるようだが、廻り廻って
自分の首を絞めていることになるので気をつけた方がいいだろう。
大体、今のお客さんは非常に賢いものだ。
強烈に売り込まれることを極度に嫌う。昔のように電気屋でさえ、店員が寄ってくることはま
ずないだろう。以前1度、小中学の全国の塾の先生の研修に参加したことがあるが、大学入
試業者と地方の小、中専門の業者さんと「どれ位ズレがあるのか?」と研修の意味で参加
した。おまけに全国各地から参加しているから地方の事情もよくわかる。
この世界には「勝手な思い込み病」という重大な職業病があるから自分で定期的に打破しな
くてはならない。相手のある仕事だからこそだ。
自分で気がつかない職業病だからたちが悪い。
つまり「長期間の慣れ」から来る職業病だ。
受験生の受験勉強が長期化するのもそういう意味で良くない。
1度社会に出てリフレッシュすることもプラスになる場合もある。
朝から晩までの研修だったが、地方の塾の先生にも素晴しい先生がおられることに感動したものだ。地方では、いかんせん大学入試まで指導できる人材がいないので、高校入学と同時に「小、中から手塩にかけて育ててきた生徒を手放す無念」を直に聞かされて、「なるほどな〜」と思った。
そういう地方の先生と交流させて頂き、今回センターのDVDの企画が持ち込まれた。
DVDではあるが、3人の先生が名乗りを上げてくれた。
協力してくれた3人の先生にはこの場をかりて感謝したい。本当にお疲れさまでした。
忙しい中、岡山のスタジオまで新幹線で時間を割いて行ってくれた労力に感謝したい。
この業界の中には、社会的使命にがぜん燃える人もいるので捨てたものではない。
大体撮影となると準備していた時間の倍以上はかかるものだ。
今回は、岡山の業者さんに「センターDVD教材の製作」で協力させて頂いたが、地方の受験
生がそれで本番で高得点をマークして頂けたらいいと思う。
地方の受験生の方々、地理的条件に負けずにがんばってください。
本番での健闘を心から祈ります。

PS:兵庫県から兵庫医大卒業後、「9年間県の指定するへき地勤務」をすれば学費全額
  免除するシステムの案内が来ていた。兵庫県のへき地とはどのような所だろうか?
  ドクターコトーは完全に不足しているのだろう。 山の方だろうか?ただ、兵庫県であれ
  ば海を渡る必要はないし、飛行機に乗る必要もない。休日車で飛ばして帰って来れる
  だろう。素晴しい親孝行だと思うが。9年を長いと見るかどうかだろう。
  今まで親に迷惑をかけまくった生徒は、懺悔の意味も含めて社会貢献も含めて最大の
  チャンスのような気がするが

 

指導記録43

<11月13日(火)>

医学部等についての話題が多いので歯学部についても触れてみたい。前から疑問に思って
いるのだが、国公立は別として和歌山あたりに私立医大がなぜないのだろう?とかなぜ
関西に大阪歯科しかないのだろう?勝手に疑問に思っていた。
受験者の数から言えば、「あってもおかしくないな」とか思ったりする。歯学部については、
やはり、コンビにより店数が多い状況で「どう生き残っていくか?」を考えるべきだろう。
見たことがあるかもしれないが、「24時間営業の歯科医」とかあるだろう。コンビ二と全く
同じ営業時間である。コンビニの大変な所は、深夜の誰も入りたがらない時間は全て店長
が入らなければならないことと、深夜に駐車場までご親切についているため、「不良のたまり
場」となり、トラブルが多発するから恐ろしいということだろう。
今は自宅を山小屋のロッジ風にした歯医者だとか、フェイスケアまでついでにやってくれる
所もある。エステのような入り口は当たり前で、アロマがたいてあり、ドリルの音なんかは、
絶対に聞こえないようにしてある所が当たり前だという。
たしかにドリルの音だけで帰りたくなるのが嫌がるイメージだろう。成功している歯医者さん
は、「常に研究しているアイデアマン」のようだ。経営能力がないと無理だろう。
N地区の歯医者さんで新聞広告に「私と白い歯」とか「80年代のやえ歯のアイドル」とか歯に
関する連載広告を打っていた方など新規開業と同時に満員御礼を達成したと言うから、「すごい!」としかいいようがない。
普通は、近所の評判とかを聞いて「痛いのではないか?」とおそるおそる行くものだが、
今そんな所ではすぐに潰れてしまうだろう。
お客さんが快適に通院できるのが当たり前の時代だ。
後継者予定の受験生は、歯科医師としての能力に経営能力がないと淘汰される時代だ。
初代、2代まではある程度うまくいくが、3代目あたりで雲行きがあやしくなる。今の受験生
であれば3代目あたりではないだろうか?守り抜く使命を与えられた方も大変だ。
ただ、地域の患者を守るという意味ではやはり守るべき使命だと思う。
「与えられた運命」として受け入れてもいいと思うがどうだろう?
患者さんに感謝されるロマンと「そろばん」どちらも重要な要素だろう。
たったの1日で治療が全て終わる所もあれば、治療に2ヶ月以上かかる所もある。
この「差」は何なのだろう?と昔は思っていた。

指導記録42

<11月12日(月)>
2回にわたり推薦、適正等の入試の本質について書いて来た。
意図として推薦入試が開始されて心配な受験生や父兄に対して情報提供する意味が1つ、
もう1つは入試会場で受験生のお母さん達が子供の受験が終わるまで最後まで心配で待っ
ておられる。その間に「読めるもの」を提供して「暇つぶし」になればいいと思うからである。
幸い全体のボリュームとしてはかなりある。話題や興味としても申し分ないだろう。
携帯で「パケ放題」でも入っておられれば料金も問題ないだろう。
最後終了するまで待っておられる姿は大変だと思う。当然、下の子がいたりしたら主婦業にも影響するだろう。実家のおばあちゃんやおじいちゃんが協力しているケースもあるだろう。
父親は職場でこれ以上ない位の心配をしているだろう。
くれぐれも皆さん体調に気をつけてがんばって下さい。
さて、ここでまとめて見ると医学部の受験には、現在の受験機関でさえかなり未対応の部分があることが意外に多いだろう。現状で無理なものは仕方がない。未対応ということは、未知の世界であり、「人間は知らないものに対して不安になる」ということになる。
もう1度上げてみよう。
1、推薦の適正、一般の適正試験への未対応、AO入試の完全未対応 2、面接試験、小論の評価基準の不透明さ 3、1次合格ラインの非公開の大学がある。4、国公立の総合問題への未対応 それに加えてセンター9割超えの人生を賭けた一発勝負、私立の各医大の傾向を知るための訓練、小論文の傾向を知るための訓練、面接の訓練、集団討論の訓練、等受験生の不安の壁となるものを並べただけでもかなりの数ある。それで終わりか?と言えばそうではない。「補欠繰上げ合格の数と医大の寄付金の問題」がある。
ここまで書くとどろどろした印象を与えてしまうのであえて詳しく書かないが、ここまで来ると普通の試験ではないという印象まで与えてしまうものである。
また、試験ロードの最中に医大の理事長から直接父兄に呼び出し電話がかかったりするからびっくりすのも当然だ。
家や親戚が病院の場合であれば、「そんなもの」という認識はあると思うが30年前の感覚があるので話がずれる。「入試は毎年変化している」ことを忘れてはいけないと思う。
予備校の世界にもわかっている人間はほとんどいないのに、高校の中に「わかる人間」を探すのがほとんど無理と言える。それを象徴するのが、補欠合格の通知を2つも3つももらうと電話がかかってくる。
それもかなりかかって来る。言っておくが1度も会ったことも話したこともない方からだ。最初は驚いたが考えて見ると当然だろう。方言も交えて来るから地方の方に多い。「○○大学と○○大学の2つ補欠きとるんよ。どっち選んだらよろしいやろうか?」
簡単な選択アドバイスはするが、極めつけは「わしらようわからんからお宅が決めてくれ!」と(笑)
1度も会ったことがないのにそこまではできないだろう?それで決められてもらってもこちらが困る。もし読んでおられるなら、「情報は一応与えますよ。でも決めるのはあなたですよ」と再度言っておきたい。「心の準備」が出来ていないと一般の方がどうしたらいいかパニックになる試験と言えるだろう。がんばって栄冠をつかんでいただきたい。そして満足の行く選択をしてください。

指導記録41

<11月10日(土)>
昨日に引き続き適正検査やAO入試等に未対応の部分について書いてみたい。以前何かの
ニュースで高校2年の段階でAOの合格内定なんてなんてニュースがあったが、大学生の就職
内定と同じようなものになっていくかもしれない。例えば、クレペリン検査などは、就職の採用
試験でも使われるものだ。つまり、組織の中で「円滑に人間関係を行えない人間を排除する
試験」と言える。異分子のような受験生をわざわざ入れる必要もない。医学部ならではの閉鎖
性だろう。ただ、このような試験で人間の全てがわかるはずはないと言える。私もクレペリン
検査の問題は見たことはある。印象として「とんがった野心家」のような生徒は不利のような
気がする。面接で見るのは筆記だけではわからないコミュニケーション能力だろう。
これだけ今の患者が権利主張するような世の中で、柔軟でなければ訴訟だらけになるだろ
う。自分のことしか考えてない患者ばかりなのだから、当たり前と言えば当たり前だろう。
それでは、東海のように面接はやらないが、適正検査はやるという場合はどうなるのか?
関西医大の推薦の公務員試験のような問題や兵庫医大のような5教科を混ぜたような適正
は何を見ているのか?何がわかるのか?
おそらく「頭の柔らかさ」を見ているのだろうと思う。日本で1番有名な採用コンサルタント会社
の社長によれば、「頭の柔らかさは何に比例するかというと成長速度に比例するんですよ」と
そう考えると医大からすれば、早く成長して一人前になれる人材はのどから手が出るほど欲し
い人材だろう。一人前になるのにどれだけ時間がかかるか、全国の医師や医学部生ならわか
るだろう。例えば、医大と言えども企業である。広告代理店と組んでプロモーションの企画を考
えたりする。現に今年、医大から依頼された広告代理店から大学のイメージ調査の協力依頼
が来た予備校もあるだろう。なぜなら、電通や博報堂なんかと組めば大学のイメージなんかす
ぐに変えることができるからだろう。
企業と大学が組むことは当たり前の時代だから人気企業の新入社員の取り方を取り入れても
不思議ではないだろう。
「適正=頭の柔らかさ、面接=コミュニケーション能力と意欲、それに保証書としての調査書」
ではないかと考えられる。
ひとつの例として大学の中ではAOか推薦で合宿のようなものをやる大学だってあるだろう。
そこで「焼き肉焼かして見たらわかるんですよ」と「普通の子はただ、裏返すだけなんですよ。
でこの子はアウトと。」こまやかな子は「どれだけ焼いたらうまいか?どれだけの量並べてどれ
だけの時間のタイミングで裏返せばみんなに平等においしく口に廻るかの時間まで考える。要
するにこまやかな気配りなんですよね。」と「肉の焼き方って難しいんですよ」と。
ここで「単に肉を裏返すだけのやつ」は、突発的で自分のことしか考えていないという評価で
あり、肉の種類に応じて焼き加減やみんなに行き渡るタイミングまで計算できる人材は、なぜ
評価できるのか?ということになる。
理由は、仕事というのは状況に応じて2手3手先まで考えられる状況判断が不可欠であると。
その状況判断能力にたけているであろうという評価である。
たしかにくつろいだ焼肉パーティーでは、人間普段の地が出てしまう。
これと似ているのが集団討論の面接だろう。集団の中での動きと発言を吟味している。つま
り将来において採用コンサルタントの企業と大学が結びつく可能性は今後十分に考えられる
と思われる。大学側も任せてしまえば大変な入試も楽になるからだろう。

指導記録40

<11月9日(金)>
推薦入試や総合問題そして適正検査等、クレペリン検査、AOの問題、国立の総合問題
これらははっきり言って現在の教育機関等で十分な対策が取れない分野である。
なぜ、このような問題を出すのか?と言えば「点数だけの頭でっかちのサイボーグ」は問
題がある。お客さんの前に出せない。大学がそんな所まで指導したくない。等様々な理由が
考えられるだろう。誰がどんな所で何を意図に出題しているのか?
厳密な答えはわからないはずだ。指導機関に携わる人間がわからなければ、受験生など
もっとわからないだろう。例えば、国立の総合問題などその分野の研究者に近い人間と
英語の先生と小論文の先生と3人合体しなければいけない場合だって考えられる。
例えば個別に指導すれば1人で3人分の料金かかえるなんてできるわけがないだろう。
だから指導そのものを開講しない場合だってある。また、予備校等の研究が先走り過ぎて
「大学側はそこまで考えて創っていない」ということがわかったりすると拍子抜けする。
それを廻りが「問題傾向が変わった」とか慌てている場合もある。
1度考えて見て欲しい。「プライドの高い大学の教授達が今、高校で高校生が何を勉強してい
るかなんてはっきり言えば興味ない」と言える。自分の研究が何より好きだから研究している
のだから。研究している時に自分の生きがいを感じられて1日中没頭できるのだから当然と
言えば当然だろう。バイクが好きな高校生なら1日中バイクいじりできるだろう。
そこに「おいしいお店の特集号」など持っていっても興味を示すわけがないだろう。
ただ、言えることは2次試験に「人物評価重視」と書かれていたら、2次で落ちると「医師として
不適格の烙印を専門家に押された」「俺は人間として不適格なのか?」「患者に接してはいけ
ない人間なのか?」
はたまた「俺はズレた人間なのか?もうダメだ」と繊細な受験生なら過度にナーバスになってし
まうということを産むということになる。
ある程度訓練されると1次で何割取れたか肌感覚でわかるようになる。そこで2次の限りなく不透明な部分ではじかれると「人間として自信をなくす」場合があるのだ。
「そんなことでくじけててどうするんだ!それこそ無理だ」と簡単に言うかもしれないが、本人にすれば重大な問題である。今まで「あいつは本当にかしこい」とか言われ続けて来た人間ほど「自分を否定された心の傷」は大きいと思う。
浪人生ならその意味がよくわかるだろう。人間そう簡単に自分を変えることはできない。
「自分に自信を持つ」ということがどれだけ大変か、それを廻りに簡単に口にされると腹が立つ
だろう。しかし、前に進もう。受験するということが決まっているなら、それしか道がないのなら
前に出よう。

指導記録39

<11月8日(木)>
受験生がここからどんなことに悩んでいるのか? どういう言葉をかければ「平常心」を保つこと
ができるのか? どういう言葉をかければモチベーションが最大化できるのか?相手が人間で
あるだけに「慎重に洞察しながら声をかける」ことが必要ではないか?
これも失敗を繰り返さないとうまくいかないものだ。心の中で「果たしてあの言葉で良かったの
だろうか?」とか色々考えると声さえもかけられない。行動さえ起こせない。
しかし、相手は今か今かとかけられる言葉を待っているとしよう。
受験生の「ハートにつきささる」言葉は一体何なのか? 
この時期「言葉の力」は大きい。ある意味勉強より重要と言える。
落ち込んでいる生徒にこの時期に「明日があるさ!」とか言ってもダメだろう。逆にキレるかもしれない。現役合格した受験生が3浪の受験生に適当な励ましを送ったとしよう。心を込めてだ。
素直に「ありがとう」という生徒もいるだろう。しかし、「お前に俺の気持ちがわかるんか?」
と思う生徒もいると思う。要するにピリピリしている若者は神経が敏感である。
もし、2通りも3通りも解釈できることばをかける時は、「こういう意味で言っているんだよ」という説明を加えないとダメだと思う。相手に応じて使い分けるのは当然だ。
私も何度も誤解された経験がある。これだけは色々なタイプがいるから確実な答えはない。
可もない不可もない言葉が安全だろう。しかし、それでは起爆剤に欠ける。
「可もない不可もない=効果がない」と言える。私の場合は、誤解される場合は決まっている。
大体は、何も考えずに発言したことが相手に5倍位深く取られてとパターン化しているが
先生という職業は年齢が上がるにつれて技術は上がるが、若者との「心の距離感」はだんだん遠くなっていくと思う。それは時代の変化が速いからだ。
この時期の受験生は聞いてないようでしっかり聞いているものだ。うかつな発言は厳禁だ。
私自身の経験から男子生徒のモチベーションを上げることはある程度できるような気がする。
男子は単純な所があるので単純には単純でいく。本音で行くようにしている。
繊細な生徒には「詳細に説明を加えながら進む」、「言葉を選びながら進む」
こちらの方が相当疲れる。顔色だけではわからない生徒だっている。心の中まで読めない。
こちらが3くらいの程度で考えていても相手は9か10の繊細さで吟味している場合があるから
だ。「自分が相手にどう見られているのか?」と常に警戒している場合もある。
その警戒をまず解くことが先決だ。(このタイプは長く引きずる場合があるので注意が必要だと思う。一気にやる気をなくす場合もある。)
よくわからない先生は、生徒に日記を書かせてみたらわかると思う。
何も深い意味で言っていないことばをかけても、「あの言葉はこの時期ないと思います。相当
傷つきました」なんて書かれて私も相当へこんだことがある。メールだってそうだろ?
送った後になって慌てて「こう解釈されたらまずい!」とお詫びメールを送る場合だってあるはずだ。親にこう言われたとか説教された後なら、その言葉とからめ合わせて「どいつもこいつも
うざいな〜」とかこちらが「とばっちり」を喰う場合だってたくさんある。
保護者の方にも言っておく。日記を書かせると「俺のことは何もわかっとらん」という言葉が
かなりの回数出て来る。見せたらショックを受けるから見せないが
私の苦手なタイプは「ガラスのように繊細な深く考え込む女子生徒」だ。考えこんで「世間話」
するから会話がぎこちないことこの上ない。普段の10倍以上考えながら、しゃべるから会話
が途切れると話題に困る。大体、このタイプはふさぎこんで反応がないから困る。
私の姿は福田総理とモーニング娘が話している位ぎこちない。
しかし、英語の先生に注意されて開眼した。「男と思って接すればいいんですよ。究極につっけ
んどんでいいんですよ。あんな奴なんやなと思われた方がいいんですよ」と
「変に考えてしゃべるから逆に怪しいんですよ」と
それから少しは楽になった。しかし、全日本女子バレーの柳本監督のようにあの年齢で携帯に
絵文字をちりばめてコミュニケーションできるのは尊敬に値する。 弟子入りしたいものだ。

指導記録38

<11月7日(水)>
指導記録どころかもう本を書いているような心境だ。もう仕事のようなものだ。普段、お客さん
に見えていない所に切り込む教育業界の「ルポライター」のような心境だ。1000人近い人間
が毎日見ているプレッシャーはかなり大きい。
受験生もがんばっているのだから書ける所まで書こう。
過去の記事も訂正、加筆、修正を繰り返している、できるだけ偏らないように書いていきたい。
そういえば現場の人間が深い分析をして情報発信している媒体はあまりないな?
お客さんはチラシやパンフレット等のきれいごとの部分と「あることないことの口コミ」位しかな
いな。じゃーここでは「その間を埋める媒体」であればいいのかな?
読者の中心に考えているのは、子供の未来を真剣に考えている「熱心なお母さん」を中心にお
いているつもりだ。母親の子供に対する愛情には常に頭が下がる。子供に対して「幸福な人生
を歩んで欲しい」と心から願っているものだ。
ここに対して知っている限りの選択の役に立つであろう情報を発信したいと思っている。
ブログ等は、好き勝手に日記を書けば良い。と聞いたが、そうか?
読んでいる人が増えていくと「かなりの重圧」だ。少なくともこっちは真剣に書いているぞ。
大学院の担当教授に「お前はこの論文のどこに苦労したのか?」とか至近距離でどなられ
ていたことを思い出す。大学の教授は、大体理系は別として学部生に本気で教えようという気
はあまりないと思う。
しかし、院生に対しては弟子となるので家で修行させられたり、学会のお供というか教授のア
クセサリーというか本気でぶつかってくるものだ。真剣な研究は「院」からだと言える。
「専門バカというのは名誉の称号だ、何でもできるやつは結局何もできんのや!」とよく怒られたことを思い出す。
院生までいくと大学内の教授間の「パワーゲーム」もよくわかる。気を使う。
特に自分の親分と仲の悪い教授の授業に出ていると胃が痛くなる。
親分、子分のルールは破れない。
ほとんど政治家と同じ世界だ。
白い巨塔と同じ世界だ。入試問題がどこの出典から出ているか等もわかる場合もある。学会な
んかは「プライドとプライドのぶつかり合い」とパワーゲームの確認のようなものだ。徹底的に自
分の先生が弟子の前で他の教授にこきおろされている姿は同情を買うものだ。しかし、大学内
で見る気の抜けた姿と学会でプライドのために戦う一面のギャップは非常に興味深い。
不思議と親分が負けると子分も悲しくなるものだ。
しかし、今一部の大学では、大学で高校時代の復習までする時代だ。
なぜなら、受験科目を減らせば、受験生が多数集まるのでそれに合わせて高校の中で「受験
に必要な科目」だけ集中的に指導するものだから大学でその「つけ」を至急大学で補わなくて
はならないからである。
信じられないかもしれないが、「○○高校出身の受験生は数学が全然できんぞ!」とか教授
達が研究室でささやいているものである。
「意外と細かく知ってるもんだな 」と感心したことがある。
さぼった「つけ」は必ずどこかでリセットしなければならないものだ。
それが生徒にはなかなか伝わらないものだ。
本当に 頭を打つまで人間は「他人ごと」なのかも知れない。

指導記録37

<11月6日(火)>
「いや〜痛い所ついてるね!」とか「そんな所まで書いたらモンスターペアレンツが更に強力に
バージョンアップするんじゃないの?」とか知り合いの先生が連絡して来た。認めているから
「痛い所」になるのだろう。2007以降というのは全ての教育機関や受験産業等が激変する
年である。現にAOや適正検査に完璧に対応できる所など皆無だろう?
これからどんどん試験日程が前倒しになるだろう。そこで、今後は「他のサービス業と比較して
どうなのか?」という視点で現場の先生達は考える時だと思うからである。個別指導が急に多
数登場して来たのは、少子化とお客さんのニーズがあまりにも多様化しているから対応するた
めにできたシステムだと思う。悪いいい方をすれば「お客さんのわがまま」に付き合うシステム
と言えるだろう。
十年前から考え方が変化していない先生は、もう市場から「不要宣言」されるだろう。
今までと同じ考え方、常識が全く通用しない時代になると思う。
学校の先生だって入試制度が多様化しているのに、不登校や引きこもりやらで大変だ。ひとつ
明らかなのは、今後少子化が続けば、「高齢化した先生だらけになり、新たな問題が出て来る
のではないか?」ということだろう。なぜなら新たな採用をする必要がないのだから
特に私立など急に「高齢者は全員リストラ」なんてできないのだから
「教育実習生がなぜ人気があるのか?」考えてみたらわかるだろう。
「がむしゃらで熱血で要領は悪いが、異常な人間パワーを発揮しているからだ。」
これが、生徒に異常な魅力を発揮する。
しかし、これが20年も立つと「可もない不可もない体制に従順したおとなしいおじさん」に見事
に変化する。「勢い」もなくなり、チャレンジもしなくなる。
この「上記のおじさん」がおじいさん、おばあさんに変化するのだから問題が起きて当然だろう。
加齢臭防止のためにアロマがたかれているだろう。
授業中に「先生が脳梗塞で倒れた」とか当たり前になるのだから
例えば保護者の方に手が常に震えている70の高齢者達に囲まれた自分の子供を想像して見て欲しい。すこやかに力強く育つだろうか?
多分頭に入らないだろう。すぐに眠り始めるか、終わる時間を待ってイライラしているか、エネルギーを持て余して隣のやつや前後のやつに「悪さ」しているだろう。
「ケアマネージャーや介護福祉士の資格を高齢化社会が来る前に取りつくす」という生徒がいたが、こういう「時代を生き抜くための知恵を教える学校」なんかが出て来そうな気がする。

指導記録36

<11月5日(月)>
風邪がはやっている。お腹に来る風、また秋口の花粉症等この時期は疲れが出るのか本当
に気をつけて欲しいものだ。1度疲れを抜くことも必要だろう。
「ばね」のように最後に「うねりの力」を出すことが必要だ。その力を出すために自分の体と相談することも必要だと思う。
「後がない!」と自分で自分を痛めつけるような状態になって直前で折れるようなことがないよ
うに自分自身をコントロールして欲しい。
のりにのって突入して欲しいものだ。
自分に閉じこもることなく、むしろ「つまらん話」でもしてうまく小さなリフレッシュを繰り返して欲しい。勝つために君に何が必要なのかもう1度共に考えよう。
もう年内60日を切っただろう。時は必ず過ぎてゆく。
気がつけば君は2種類の人間のどちらかになる。
今は苦しいが必ず、休める日も来る。その時いい気分で休みたいはずだ。
臨戦体制を取ることは当然だ。
しかし、こういう時こそ「お茶と大福」でも食べながら誰かと心の整理をすることも重要だ。もう1度改めて「炎」を燃やそう。
つまりモチベーションの炎上がびびっているライバルを追い越していく。
びびりながら、ただ座っているだけで進んでいない受験生だってたくさんいるはずだ。
ここからは「精神消耗戦」の一面もある。
とにかく1日中緊張していたら体がもたないのであえて「人と話す機会を持とう。人の話を聞く機会を持とう。その方が絶対にいい。」
こういう時に普段から自己啓発の本とかを読んでいる人は、自分が赤ラインを引いた所を見直そう。何度も見直そう。その赤ラインの「神」が乗り移る位まで何度も読もう。
意図的に体内から「弱気」を追い出そうではないか?
緊張しやすく、ブレやすい人は、新たな問題にトライして落ち込むのではなく同じ問題を解いて
無駄な心配を抱えないようにしよう。ベストの自分を温存できる勉強の方がいい。そう、自分を暖めるようなイメージだ。びびっている奴は、ぎしぎし氷のようになっている。こけたら簡単に崩れる。
自分から自滅の道を創っているのだから、君はそうなりたいかい?
絶対に試験は終了する。
そのステージで全開のパワーを炸裂させよう!
簡単だが、「試験日は必ず来る。そして君は受ける。そして試験は必ず終わる」
クールにやるべきことを実行しよう。それしかないではないか?
「悩み」を抱えずにむしろ口に出そう。自分の中で自分だけで処理するとかえって重たくなる。
むしろ人にぶつけよう。
最近、わかったことだが、大企業の社長だとか有名人も専属のカウンセラーを持っていたり、お寺のお坊さんに相談しているということがよくわかった。どんな人も不安を抱えていて、それを「はきだせる人」を持っているから強いんだなということがわかった。
君のはきだせる人を予約しておこう。自分も怖い、でも相手も絶対怖いと思う。
最後に笑顔を!

指導記録35

<11月3日(土)>

このままの調子で行けば、読者1000人到達は早いだろうと思う。気楽に指導記録で始めた
ものが、900人に到達すると「読者に対する義務と責任」のようなものが出て来た。夜、眠る
時も「果たしてあの記事の書き方で適切だっただろうか?」とか「もっとこういう風に書けば、
伝わり易いのでは?」とか考えるようになった。 (同じ記事でも後日、加筆、修正されている
ことに気がついている方もおられるだろう。)
昨日に引き続き、塾等の選択基準を「お金と費用対効果」の面から述べてみたい。これから
書くことは、教壇に立ったことがある人なら「まさにその通り!」と言うであろう。まず、中間
期末テストの成績であれば、大学生でも簡単に上げることができる。問題は、出題が読めな
い実力試験や全国模擬試験でどれだけ早く「対価証明」できるかである。
全国の先生の中には、言い訳として「すぐには上がりませんから」とか言って最後まで上がら
ずに悩みに悩んだ先生方も多いだろうと思う。
生徒だけの責任にして逃げている先生だっているだろう。
なぜなら、自分だけが成功したやり方だけを、さも「すべての生徒に効果的な秘伝」のように考
えている方が圧倒的に多いからだ。
「自分が受験生の時に成功したやり方」が必ずしも他人に活きてくるわけではない。
かく言う私も一時忙しくただ「垂れ流すだけの授業」をしていた経験があり、裏方に廻り、
上がって来た数々のクレームを徹底的に分析をかけて初めて色々なことに気がついた
から言えるのである。逆の立場に立って「自分のエゴに近い授業」を聞かされたら迷惑
このうえないと思う。誰も注意しないから気がつかない先生が多いのだと思う。
第1他のバリエーションを研究している人がどれだけいるか聞いてみたらいいと思う。
家庭教師をつけている家庭であれば1度聞いてみたらいいと思う。
「先生、他の方の授業を見たり研究してますか?」と ほとんどがNOと答えるだろう。つまり、
心のより所が自分の受験生時代の経験だけの場合が多い。これが、いかに危険なことか
読んでいる方ならわかるだろう。
第1、他の講師の指導法も研究もせずに「恐くならないのだろうか?」あるいはいそがしい
から「でもそんなの関係ねー」の世界かも知れない。
当方では、自慢するわけでもなんでもないが先生の休憩する所では1日中他の先生のDVD
授業を流している。お茶でも飲みながら、自然に他の先生の映像やしゃべり方を意識させる
配慮である。そうすることによって視野が狭くなることを防止している。自然な研修である。
結論としては、「未知の問題に対しての対応力」をどれだけ早く身につけさせたか、そしてどれだけ数値を上昇させることができたかの技術」が問われている業界だと思う。
まずはプロセスの実績だろう。
まず、お客のどこに問題があるのか「どれだけ早く識別できるか?」が問題だ。
しかし、この世界ではAという先生が「この子はここまで理解させるのに4ヶ月かかる」と言う
としよう。しかし、Bという先生が見ると「ここまでマスターさせるのに2ヶ月あればいける」とか
が頻繁に起こる業界なのである。 目的は1つでもやり方は無限にあるからだ。
講師にわけのわからん我流のテクニックを刷り込まれて変な癖を生徒が刷り込まれる場合だっ
てある。でもお客さんはそんなことは全く見えてないし、わからないはずだ。
私の言ういい先生の定義は、「バリエーションの豊富な水のような先生」であり、「水はカップに入れればカップの形になり、花瓶に入れば花瓶の形になる」、また、「教材のバリエーションの引き出しを多数持っていて柔軟に状況に応じて教材を瞬時に変化できる先生」 である。
ただし、それだけ熱血であって素晴らしい先生に当たっても生徒にやる気がなく、拒絶の意識
があったら無駄なお金になって消えていく。また、生徒をやる気にさせる技術がなければ、どん
なに技術があってもこれも無駄金になって消えていく。生徒が悩んで勉強に進まない期間も無
駄金と言える。宿題もやらず、わかった気になっている状態も費用対効果の点から厳密に見れ
ば無駄金と言えるだろう。精神的に止まった状態は効果を産んでいないのだから
自動販売機に120円入れれば必ず缶コーヒーは選んだものが確実に落ちて来る。
しかし、この世界ではそれはない。
例えば、よく生徒に聞くのが「この1年間で確実に栄養になった期間を圧縮したらどれ位だ?」とそこで「8ヶ月です!」と答えれば泣いて喜ぶ位の効果だと思う。
この前、ある総合大学の学生に「大学の4年間で役にった期間を圧縮したらどれ位だ?」と聞いたら「3ヶ月もないでしょ!」と瞬時に答えが返って来た。 親はこれを聞いたら泣くだろう。
つまり、「生身の人間対生身の人間であるが故の複合的な問題」を9ヶ月の中でどれだけ早く
発見でき、どれだけ早く処置が出来、常にやる気を出させ、どれだけいい人がつくか?という
複合的な問題のある状況に「お客様達がはまれるか?」という「運」も関係して来ると思う。
そこにはまれば、偏差値10〜15の上昇は行けるのではないか?という結論だ。
私個人の意見としてこの世の中で「最も多額の無駄金を産み出している業界」だと思う。

指導記録34

<11月2日(金)>
わずか30位の記事で読者が900人に届こうとしている。なぜ、急激に増えたのかこちらが聞きたい位だ。たぶん現場サイドの「深く切り込んだ視点」が受けているのだと分析しているがどうだろう? もしかしたら全国のモンスターペアレンツが見ているのかも知れない。
たぶん母親から母親への「伝言ゲーム」のように伝えられたのかも知れない。
塾や予備校や病院、学校などは母親の評判を大切にしなければならない。
特に小児科で開業しているドクターなどは、いかに公園や様々な場所で主婦仲間の「話題の中心」になっているか恐ろしい位である。悪い噂など出ようものならすぐに大挙して病院を変更するから恐ろしい。「学校」「塾」「病院」この3つは話題の中心と考えて間違いない。もし、これを見ている指導者に当たる方がおられたらこう言いたい。
大学生のバイト講師も含めてだ。
「先生達の名前は、夕食の時にかなりの回数で名前が挙がってますよ」と 「気をつけた方がいいですよ」とよく、受験生の母親から「下の子の塾はどこに行かしたらいいでしょうか?」とか聞かれることがあるが、特定の塾名とかを出すわけにはいかないので「異なる角度」からのアドバイスを母親対象に書いてみたい。
あくまでも当方のような「特殊な所」ではなく「普通の塾」と仮定して話をしたい。
まず、塾等の教室産業は大きく3つの経費がかかる。1、広告宣伝費 2、教室家賃、3、先生の人件費だ。今回のNOVAの倒産のスピードの早さは全て「駅前の一等地」に全国に1000近くあったのだから資金が圧迫されるスピードが全然違う。
駅前の家賃の高さは当たり前のことだが異常だ。
そしてTV広告という最も金のかかる宣伝方法だ。
つまり、3つの経費のうち1と2の経費に圧迫されると、教える人間の人件費を徹底的に切り
詰めなくてはいけない。外部を優先すると内部が崩壊する。
「先生の質やマッチング」に応じて成績は上がるのだから、質にこだわればこだわるほど大きくなれず、利益も上がらないのが塾等の教室産業である。
かといって個人塾の先生のように1人で5教科全部指導すると、大体先生が過労で倒れて生徒に迷惑がかかる。また、天才のように頭が良くても指導が下手だとこれもまた困る。性格のきつい先生であれば気の弱い生徒は尻込みするから「マッチング」も大切だ。大手予備校の広島や福岡に大阪の講師がいったりするのは地方に人材がいないからである。「司法試験に合格するためには都会に出なければならない」というのはある意味正解だと頷く。「お金で時間を買う」という意味で試験の輪郭が「我流では解決できない」というのはあると思う。
つまり、自分で勉強していたら10時間かかる仕事が2時間で済むという意味である。
本来の8時間のロスがなくなるから時間を有効活用できる。受験勉強において「効率」は最大のテーマである。
「本当にいい先生」というのは皆さんが思っているよりはるかに数が少ないのが現実である。
(自分でそう思い込んでいる人は腐るほどいるが)。
お客様の側のどこかで妥協が必要だと思う。
設備を充実させたり、送迎者を走らせたりして経費が過剰になれば、環境が変われば、まず人件費のカットに進む。そして先生が「やる気」をなくせば当然結果は出ない。「やる気のない先生」でもいいのであれば設備や便利さを優先してもいいと思うが。中の部分はお客さんには見えない。
研修制度のしっかりした所もポイントだ。我流に付き合わされる生徒もたまらないだろう。
つまり、様々な観点から総合的に判断した方がいいという結論となる。
また、急激に大きくすれば「質」が落ちる。大学生の誰でも何でも派遣で「生徒に問題やらせて、自分は横でDSやっている」ということが起こったりする。
基本的な指導さえできなくなる。結論として「100%の満足はありえない」から総合的な引き算で考えてポイントの高い所を選ぶのが賢明だと思う。

指導記録33

<11月1日(木)>
昨日ZEROというニュース番組で近年のモンスターペアレンツのクレーム対策についての特
集が放送されていて興味深く見ていた。先生同士がそれぞれのクレームを言う側、それを受
ける側に立ち、「ロールプレイング」によって訓練していた。代表的なのは、1、給食費は払わ
ないが、塾の費用は払う。 2、うちの生徒と仲が悪い生徒は同じクラスにするな 3、子供の
携帯を取り上げるなら、代わりに基本料金支払え 4、卒業アルバムの自分の子供の写真掲
載が少ない 5、風邪を引いた生徒を来させるな(うちの子にうつるから) 6、うちの子はもっと
できるはずだ、なぜ推薦できないのか?等出せばきりがないそうだ。
それに対して、覆面の先生達がインタビューに出て来て自分の職場に「うつ気味」の先生は多
いとか今は教職員の3人に1人が「訴訟保険」に入っているというのに驚いた。
学校役員の圧力によって、役員の子は「学芸会で主役がもらえる」とか「遅くても役員の子は
リレー選手に選ばれる」「音楽界でいい楽器を演奏できる」そしてそれをねたんだ親が更に学
校に乗り込んで文句を言うとか耳にする。
確かに保護者の中には1時間以上も「出身高校、先生、塾や予備校とそこの講師を今でも恨んでいる」とか延々と聞かされる場合もある。聞いてやらないと精神的に楽にならないのでこちらも忍耐で聞く。TVの中である先生が言っていたことが印象的だった。「思い切ったことをやるよりは、最もクレームが出ない選択肢をいつも選ぶ」と
なぜなら「生徒の顔の後ろに保護者の顔がちらつく」と つまり完全な安全策しか絶対に取らないということだ。生徒の保護者が学校を「つまらない空間」にすると、ますます不登校や引きこもりが増加するように思えるのだがどうだろう? 
全て「〜してはいけない」空間では息が詰まるだろう。ある非常勤の先生が、生徒を研究講演会に非公式に連れていって教頭と校長にこっぴどく怒られ、「生徒は喜んだが、もう2度とやらない」と言っていた。「もし、何かあったらどうするのか?」と徹底的にこれ以上ない位に吊るし上げられたそうである。
また、TVの中で親は子供のことを「自分の作品」だと思っているとプール学院の教授が言っていた。
甲子園に出て来る有名校なんかは、「なぜレギュラーになれないのか?」というあの手この手
の圧力がかかると言う。たしかに人生をかけて野球をやっているのだから、TVに写らないと
大学やプロのスカウトの目に止まらないから手段を選ばないというのも頷ける。誰も職員質で
クレーム電話を取らないというから悲惨だ。ある幼稚園では、毎日2時になると一斉にクレーム
電話が鳴るという。クレーム対応だけでその日のほとんどが終わるから家に仕事を持ち帰り、
どんどんエネルギーが消耗していくから病んでいくのだと思う。
「うつ」になって当たり前の環境だろう。教育など期待する以前の段階だろう。
そう言えば、カウンセリングを受けに来る患者に学校の先生が多いと聞いたことがある。
うつの患者が生徒や親のカウンセリングが出来るのだろうか?
逆に相談しているのかも知れない。
「うつ気味の先生」は多数いるから指導される生徒も大変だ。大体1クラス40人以上に「完全に目がいく」などもともと最初から不可能だろう。やって見たらわかる。
学校も「気に入らなかったら辞めて他に移れるようなシステム」になればいいと思うが。