指導記録85

<1月1日(火)>   戦争開始


いよいよ年が明けた。最後の調整という所か?センター試験まであとわずか、私立について
は1月第3週から2月第2週のわずか3週間で終了する。
ただし、その受験日程の間で「すべり止め」を入れたりすると更に複雑になる。
つまり、各大学が「考えられるあらゆる試験のやり方」をさまざまな日程で行う時代なので、
お客さんが「情報の整理」ができていないことが最大の問題だ。
生徒も親も目の前のことに精一杯になり、願書だ、調査書だ、ホテルの予約だ、新幹線は?、
飛行機は?とかなるから本来は合格できた生徒が、あまりにも目の前でやることに翻弄されて
「十分に考え抜く期間」がないことが失敗の原因だ。
また、「第3者の客観的な目」も必要なものだ。
やはり、計画を立てて「どう転んでもこれ以上は考えられない」という所までいかずに、ただ目
先のことだけに翻弄されて慌てるのは毎年同じだ。言いたいことは、「お前、この志望校でも
いいけど、こういうリスクもあるで。こう考えたらこうなる可能性もある、けどこういう利点がある
で」とかあらゆるケースを考える時間が必要だと思う。
そして、「この学校に入学したら自分の満足度は○、でも将来の希望する仕事につける可能
性は×、親の満足度は△、自分は大学でクラブやりたい。でもこの大学にはそのクラブはない
から×、この大学は通学時間が片道2時間だからバイトはできない。でも自分の研究はできる
から△」とか一度、心の中にあるものを全て吐き出して「一覧表を造り、自分の心を完全整理す
る時間」が必要だと思う。
更に「この大学に受かれば行くから○、この大学しか受からなかったらもう一浪するから×
(でも親にこれ以上迷惑かけられないから浪人反対されたら行くかも知れない。仮面浪人す
るかも知れない。休学して自宅浪人する可能性もあるから最終的には△)
とか心の底までえぐり出しておく必要があると思う。そうすれば悩みは少なくなる。
満足度55%の学校しか受からない場合だってあるのだから。
そして、今の時代「子供が受験したくても親が反対して潰される場合も多々ある」ということだ。
年々増加していると思う。ただ保護者に気をつけて欲しいのは、子供は親の満足度を非常に
気にかけている点だ。最悪の場合、「自分の気持ちを殺して入学する場合がある」ということだ。
心の中では、「本当は行きたくない」のにだ。
これは、どこかで爆発する。中退する可能性も十分ある。退学する可能性も十分あるし、
とりあえず単位だけ取って最後まで不満の気持ちを抱えながら不完全燃焼のまま卒業する場
合もある。保護者に言いたいのは「この時の判断を絶対に間違えてはいけない」という点だ。
これが非常に難しい。なぜなら、何十年も後に「実は、あの時はこういう進路に行きたかったん
や。
でも親に気を使って行きたくない所に進学して、夢をあきらめたんや。実は」とか言われたら
保護者もその時に複雑な気持ちになると思うからである。
これが意外に多い。これを読んでいる人の中にも「俺もそうや!」という人もいると思う。
後になって入学してから本当の現実を知るから難しいのだと思う。
ぜひとも自分の心に正直に進んで欲しい。それを伝えたいと思う。
「やらなくて後悔するより、やって後悔した方がいい」

「自分に納得できないと、いつまでも引きずる」のだから