指導記録96

<1月12日(土)>   恐怖とストレス


昨日は、「願書作成」のポイントを書いたら、「もっと早く書いてくれよ、もう出したよ〜」
なんて連絡が来た。こちらとすれば、「当たり前のことを当たり前に書いた」だけなの
にその当たり前のことが全く抜けている場合が多々ある。だから、「聞くのが当たり前」
と思っている先生に、「聞けない」とか「聞くのを忘れた」とか「待っていれば教えてもらえ
るものと思っていた」というこの業界特有のクレーム原因につながる。


例えば、大手の予備校の先生に「聞きたいけど聞きにくい」「聞くのが恥ずかしい」「もう
いいわ、帰る!」という「生徒との距離感を遠くしてしまっている」のは生徒からよく聞く 
問題だ。この「距離感」で得する生徒と損する生徒の「差」は大きいと思う。
「聞きたいけど聞けない生徒」は損をするから、そこを指導者に見抜いてもらえるかど
うか?そこでサービスレベルの満足度は異なる。なぜなら指導者が忙しくなればなる
ほど生徒が無視されてしまう可能性は十分にある。


また、昨日に続く細かいポイントだが、受験番号が早い方が周りに「きっちりした本気
の受験生に囲まれる」、遅ければ遅いほど「記念受験生」や「最初の1教科だけで諦め
て帰る受験生に囲まれやすい」 つまり、受験本番の環境が悪くなる。


周りが「真険そのもの」と「気がついたら10人以上昼までに帰っていた」では影響が異
なるだろう。「自分ももう帰ろうかな?」とテンションが下がる場合も考えられる。
しかし、全く知らない人間から「もっと早く書けよ〜」と言われてもな〜(笑)、いかに受験
というものが、「できれば誰かの責任にしたい」というドロドロしたものになるかは、全国
の指導機関の指導者の方は理解すべきだ。

 

「誰かの責任にしないとやり切れない」からだと思う。だからクレーム等には冷静に耳を
傾ける必要があると思う。

自分の名前が「恨みの代名詞」で常に自分の知らない場所で出されているのは誰でも
いやだろう。お客さんは人生を賭けて戦っているのだから仕方がない。
例えば、女子生徒なんかは、ストレスで吹き出物が顔にいっぱい出て来る。受験の
ストレスで「まゆ毛」を指で抜き続け、「気がついたら両方のまゆ毛がなくなっていた」
なんてのもある。


女子だからなくなったまゆ毛を書けば問題ないのだが、お母さんがびっくりして「あなた、
まゆ毛抜くなら、鼻毛か、すね毛の方を抜きなさい!」と笑うに笑えないケースもある。
また、男子によくあるのはトイレでぶつぶつ何かつぶやいたり、急に笑ったり、大声を出
す場合もある。正直、「危ないな〜」と思う。


疲れて風呂で寝てしまって沈んでびっくりして飛び出る場合もある。最も恐いのは、「神経
性の下痢」と「朝に足がつって動けない」とかだと思う。
受験会場で「先生、息子が車から降りれんのですわ!」なんてのもあった。
全く何が起こるかわからない。受験会場に行く途中でタクシーが事故を起こした場合も
あったと思う。「首が痛い、痛い」といいながら合格したから大したものだ。


この辺になると、ほとんど「消防隊員」か「レスキュー隊」だ。
また、明らかに受験生と思われる生徒が(ボストンバックを持っているから地方の受験生
だと思う)受験をせずに喫茶店でひとりで座っている場合もある。


たぶん気持ちが途中で折れたのだと思う。


心の中で「疲れたんだろうな〜」とそこにやけに同情してしまう自分がいる。