指導記録94

<1月10日(木)>    公立校と塾
以前の記事にも書いたと思うが、元リクルート出身の区立和田中学の藤原和博校長が
進学塾SAPIXと提携して学校で「夜間塾」を実施する予定だったが、賛否両論でどうな
るかわからない。理由は、「公教育の施設を使い、一部の生徒に有償で授業をするの
は相当違和感がある」とか「塾の営業活動に丸ごと乗っかっていると都民に思われか
ねない」という理由と朝日新聞に掲載されていた。


リクルートという企業は、素晴しいDNAを持っており、元リクルート出身の企業家はもの
すごい勝率だと思う。つまり「ゼロ」から起業し、成功させる確率はリクルート出身者が
圧倒的に強い。たぶん和田校長の企業家としての「自由な柔軟な考え」が摩擦を起こし
ているのではないかと思う。「教師が教えるのが当然で個人的には公共の建物に営利
目的の塾が入ることに抵抗がある」とも記載してあった。少し、言い換えて見よう。


「難関に入るには公立では浪人するのが当然で、個人的には公共の建物に参加して
いるが、卒業してから営利目的の塾に最初からお世話になることになる」の方が正解
ではないだろうか? 「競争原理ゼロ」の先生達に期待する方が無理だと思うが


「絶対にクビにならない」と言われる場所に長年慣れきった人達が急に変化できるだ
ろうか? 多分一時的に変化したと言っても「本質」は絶対に変わらないと思う。
例えば、大阪なんて「公立離れの代表選手」のようなものだろう。


今、大阪でも予備校の先生を「傭兵部隊」として入れている私立高校だってたくさんあ
るだろう。うちに来ている先生でも何人か行っているから当然の時代ではないだろう
か? 私立高校だって生き残りがかかっているから必死だと思う。手段を選ばない高
校だってある。


ただ、高校と傭兵部隊のカリキュラムや教材の「すり合わせ」が問題であって、傭兵部
隊を入れたはいいが、うまく廻らない高校だってあると思う。そこが最大の問題であっ
てそこをどう解決するかの方が重要だと思う。お客さん側の立場に完全に立てば、公立
中高校に行ったが、卒業後2〜3浪してしまったら大変だろう。確かに今、簡単に入れ
る大学もあると思う。しかし難関大学を選択する場合は圧倒的に不利だと思う。


卒業後、経済的負担がかかっては意味がないような気もするが、絶対に交われない
人間同士が「お互いの予想通りの展開」になっているだけのような気もする。
個人的には和田校長の意見に大賛成なのでエールを送る。一度話を聞いたが、
「素晴しく頭の切れる視野の広い方」だと心から尊敬している。


素晴しい魅力と言うかオーラを放っていた。リクルートが産んだ素晴しい教育業界
のDNAだと思う。教育に熱心な父兄は機会があれば、ぜひ話を聞きに行った方が
いいと思う。「人間の幅を拡げる教育」の見本のような人だと思う。