指導記録91

<1月7日(月)>    危機感と叱ってもらえることの重要性


数学CのDVDの第1弾が今日の朝から飛び立って行った。待たせていたお客さんには
本当に申し訳ありませんでした。ぜひ、メールででも批評をお願いします。批評を受け
ないと成長しないんですよ。変に保護されてしまうとダメなんですよね。これは指導され
ている方ならわかるでしょう。言ってみれば、「頑固な芸術家」みたいになるんですよ。
私もそうですよ。年々、頭が固くなっているような気がしますよね。
もうひとつは固定観念との戦いですね。
体が固くなるにつれて頭の中も固くなるし、第一時代に取り残される。


「お前のやり方はおかしい」と助言されても心の中で「いや、絶対にそんなことはない」
「ずっと前の生徒は私を賞賛していた」なんて反抗している自分がいるんですよ。
バカですよね。以前、カウンセリングの記事で長く受験生活を送っている生徒が「変に
プライドだけが高くなり、性格が屈折してくる」と書きましたが、これは受験生だけでなく
指導者側も同じようにそうなっていくんですよ。
麻痺するのが怖いから自分自身で気をつけないとダメですね。


「言うことを聞かない」とわかると次に「言っても聞かないからしゃ〜ない」となり、最後は
相手にされなくなるんですよね。「自分を怒ってくれる人がいなくなる」ということは恐ろし
いことですよ。全部、自分で勝手に判断しますからね」気がつけば「誰からも相手に
されない裸の王様」だけがいるんですよ。
社長とか先生とか髪型とか服とかダサい人多いじゃないですか?
きっと廻りが「ダサい」と言えないから変わらないんじゃないですかね?
恐いですね。


ある弁護士受験生が、最も傷つけられたが、「最も危機感を感じたことば」を紹介しまし
ょう。弁護士受験だから長くかかるのが当然だから「ゆっくり行こう」なんて思っていた
わけですよ。そんなに家庭も経済的にも困っていない家の子ですよね。
はっきり言えば「危機感ゼロ」ですよね。


なんと言われたかというと「お前な、今のお前は何の価値もないんやで。たしかに大学
まではいい大学出てると思う。でもな、お前はな、日本のGNPに全く貢献してないんやで
駄菓子屋のおばあちゃんだって日本のGNPに貢献してるで、お前それ以下やで」と。
たったのひと言で変わったりするわけですよ。でも、そのひと言で叱ってくれた
人間がいなかったら「ぞっ!」とするはずですよ。いつまでもわからんからですよね。
「その時は腹が立って腹が立って仕方なかった」と言ってましたけど、
よく考えると事実なんですね。だから、よけいに腹が立つんですよ。


何年か立ってその時のひと言を受け入れることができるようになってて、今は怒って
くれたこと、そう言ってくれたことに感謝しているって今でも言ってますよね。


もう、一人上げましょう。兵庫医大に合格して「さ〜入試で苦労したから遊ぶぞ〜」と留年
はするわ、国試何回も落ちるわでどうしようもない奴でしたよ。
でもある事件ですぐ国試も合格したんですよ。
阪神大震災で親父が亡くなり、病院も地震で壊滅、母親は新興宗教に走り、兄弟は全て
大学在学中だったんですけど皆辞めざるをえなくなってしまったんですよ。
文字通り「全くのゼロ」になったわけですよね。長男ですよ、そいつ
「さすがに焦った」と言ってましたね。第一国試の予備校に通学する交通費がないから
予備校まで歩かなければならないわけですが、これはそいつにとって経験したことのな
い世界ですよ。それまで親父のいい車でいつも遅刻寸前で通学してたんですからね。


その年にすぐ国家試験合格しましたよ。今は有名な病院で働いてますけどね。
とにかく受験とか言う世界には「叱ってくれる人間や危機感」が不可欠なんですね。
そういう意味では「先生」と呼ばれる職業の人達は、生徒以上に一番気をつけるべき人
種なんですよね。

 

自分自身を「単なるサービス業の親父」と置き換えて認識を変える必要
があるんですよ。そうすれば多少は謙虚になりますよ。「先生」なんて高尚な名前で呼ば
れるから大きな勘違い起こすんですよ。
(これは常に自分自身にも言い聞かせないとすぐに勘違いするんですよ)


「そんなに言うほど大したこと教えてないでしょ!」と言いたいですね。

ただし、今の時代は先生は「怒らない」より「怒れない」ようになって来ているのが心配
ですよね。 これも問題ですよね。
もしかするとこの「勘違いから反省そして迎合の繰り返し」かも知れないですよね。

 

PS:福井県のSさんへ
  できるだけ早く数CDVDを送ります。今週中に入手できるように送ります。
 お待ち下さい。がんばって合格してください。もし、指導者の方であれば生
 徒さんの合格のお役に立てれば幸いです。

PS:東京のNさんへ
 東京のNさん、今日朝9時過ぎに送りました。明日には到着すると思います。
 「僅差の戦い」ですから勝ちに行ってください。合格を心から祈ります。
 波に乗ってくださいませ。 時間配分に気をつけてください。