指導記録99

<1月15日(火)>    戦い終了後の家族ケア
そろそろセンターだ。受験生はもう競技場に入り、スタートラインにつくまでのストレッチを
やっているような状況だろう。家族の方も「完全祈りモード」だと思う。当然、99号は受験
生の家族に向けて書きたい。センター終了後、自己採点して喜ぶ子供には、「気を抜くな」
と言えばいいだろう。問題は大失敗をして泣き崩れる場合だ。また、自分の部屋に閉じこ
もって出て来ないのも多いだろう。受験生は、「暗黒の闇」に落ちていく自分を感じていくも
のだ。自分が「世界で一番不幸な人間」のように落ち込むかも知れない。


一つの勝負である限り、「勝者」と「敗者」のコントラストが出て当然だ。特に今まで経験し
たことのない位、勉強した生徒の落胆は相当なものである。こういう時には、医学部等の
難関大学の方が簡単ではあると思う。一定の期間は落ち込ませていてもかまわない。
それでもメソメソしていたら、頃合いを見計らって「お前いつまで落ち込んでるんや、大体
お前な、そもそも落ち込む位やったんか?」と言えばいい。


自分を完全な「悲劇のヒーローかヒロイン」に包み込んでいるのだから「はっ!」と気がつい
て「それもそうやな」と思う場合も多い。仮にそう言われて生徒が反抗しても、どうせ社会に
出て、別の何らかの形で頭を打つと思う。その時に振り返ると思う。いつか必ず「そう言わ
れた言葉」を受け入れられる時は来ると思う。そう信じて言い切るしかない。


大体、ここ1〜2年がんばって落ち込む気持ちもわからんことはない。しかし、幼稚園から
計画を立ててやって来た生徒だっているのだから生徒も少なくとも理解は出来ると思う。
また、現に「苦節13年」とかやっている強者だっている世界だから立ち直らせるのは早いと
思う。(それで安心されたら逆効果ではあるが) もし、プライドの高い生徒で今年を受験の
最終年と決めていて、ダメだったならば「別の目標」を立てさせればいいと思う。

 

以前にカウンセリングの記事で書いたと思うが、現役合格して、天狗になって「廻りがバカ
に見えるぜ」とかなってしまうと、どうせ今度は社会の勉強で頭を打つからプラスマイナス
「ゼロ」だと思う。

この子は苦しい思いをしたから、「人の痛みがわかると思う」と保護者も納得すればいいと思う。
喜ぶとまでは必要ないが、少なくとも「人間の幅」はプラスされたと思う。

ただし、生徒が全力で自分に納得しての場合だけだが。ここで言っていることは、「中途半端
でやる気なし」の場合は含まない。全力で駆け抜けた場合のみの話である。

例えば、指導者の中にも「完璧なサラブレッドのような履歴」を持った指導者が伝える能力
がダメな場合だってある。決まって言う言葉が、「わからんということが俺にはわからん」だ。
「わからん」から来てるのに、それさえわからない。

日本は資本主義だから、「競争」によって成長するものだと思うし、「失敗というやけど」を
負うと自分が損をするから間違いなく賢くなる。「やけどこそ最強の先生」とも言えると思う。
そして、失敗をすることによって人間の魅力も創られていくものだと考えたらいいと思う。

おおげさなキリストのような助言をする必要もないと思うが、いつまでも暗黒状態が最も
良くないし、家族の誰かが暗い状況を好転させる必要がある。
しゃべれなければ、メールでも手紙でも手段はある。

全国の保護者の方々、準備はいいですか?
いよいよ出番ですよ!
パソコンから失礼ですが、ひとつよろしくお願いします。

最後は「親子でしかかけられないエール」ですよね。