2008年兵庫医科大学予想

2008兵庫医科大学予想

 

フェニックスゼミ講師陣

【数学】 
兵医の出題傾向はここ数年で少しずつ変化している。頻出分野から予想してみる。数学Aは「場合の数」か「確率」であろう。球を取り出すときの「確率」の可能性の方が高いと思われる。数学Uからは本年も「整数問題」が出されるであろう。そして「軌跡と方程式」「三角関数の最大値・最小値」が出題されるのではないか!数学Bからは「いろいろな数列」であろう。群数列が狙われるのではないか。本学の定番であった「平面図形とベクトル」の可能性も捨てきれない。微積は数学Vから「回転体の体積」であろう。空洞のある回転体の体積や指数対数関数のグラフで囲まれた図形の回転体の体積の求め方を確認しておこう。

 

 【化学】

兵庫医大の化学は、昨年度の問5(後半)のようなややマニアックな出題が一部含まれる。今年度の予想として(石油等の)分留が狙われるように思われる。

また、直前準備として@窒素・リン・ケイ素化合物 A気体反応の化学平衡B油脂のけん化とセッケン水の性質を重点的に見直しておくとよい。

 

 【物理】(別紙:ひと目でわかる過去10年の分析シート参照)
大問3題が出題される。2004年度から第1問に小問集合が出題されており,2008年度も出題されると予想される。小問集合で各テーマをまんべんなく出題しようという意図が感じられるが, 大問の出題に関しては, 偏りがある。難易度は,易しい問題とやや難しい問題が混在している。平均すると,やや難しいといえる。小問集合は単なる一問一答のような問題もあるが, きっちとした手順を踏まなければならない問題もある。大問は典型的な問題もあれば, やや難しい問題もある。典型問題を探し出し,効率よく解くことが肝要である。今年度の予想は
[1]小問集合…10問 選択形式
[2]で熱力学が出る場合,力学分野の出題数が増
える。
[2]熱力学 … 状態変化, 熱力学第一法則, 内部エネルギー,気体がする仕事, 効率
[3]電磁気… 電磁誘導 または 荷電粒子の運動(ローレンツ力による円運動)小問集合に原子の光子放出が出題されるので気をつけること。原子核の範囲の難しいものではなく,対策は容易なのであきらめてはいけない。 電磁気は, 荷電粒子の運動の出題率が高いのが特徴である。ローレンツ力と円運動には注意が必要である。波動の出題率が若干低いようで,今年度は熱力学の可能性が高い。「単振動」の可能性もあるので, 練習しておくこと。 

 

【英語】
長文のレベルは標準的で、取り組みやすい問題と言えよう。問題はやはり最後の和訳、テーマ英作であろう。

 
一問でもかせぐためにぜひとも直前でやっておくべきこと。
(1)アクセント問題の頻出語のチェック。
  または接尾辞の形でアクセントの位置が決まる語の確認。
(2)前置詞問題を集中的に解いておく。
(3)中級以上の単語のチェック。


 最後のテーマ英作に関して、試験中気をつけたいこと。
(1)日本語で素早く論点を箇条書きにしてから書き出す。
(2)1文をだらだら長くするのではなく、簡潔で平易な文を重ねていくようにする。
   複雑な複文構造の文はなるべく使わない。
(3)  最低限、動詞(時制や自動詞/他動詞などの語法)や名詞(可算/不可算、単数/複数、
   冠詞の有無)などに間違いがないかどうかチェックする。

 

 <NEWS>

「ひと目でわかる物理過去10年の分析シート」兵庫医大、関西医大にて配布予定

以下のファイルからダウンロードできます。

ひと目でわかる兵庫医大物理過去10年の分析シート

兵庫医大傾向-2008予想.pdf

 

【小論文】 2001年からは今年の赤本に問題が掲載されています

 年度  字  時間  配点  テーマ  
 1990  600  40  100  ドストエフスキー「白痴」抜粋文を読み設問に答えさせる。
 1991  600  40  100  救急医療の現状を述べた文を読んで、人命救助に必要なものや人材の育成方法などについて見解を述べさせる。
 1992  600  40  100

 「捕虜収容所の兵士が見えない美少女を想定して節度や規律を守ろうとした」という文を読んで「見えない美少女に」について見解を述べさせる。

 1993  600  40  100

 地球環境問題についての文を読み、地球規模の環境問題への対応について述べさ せる。

 1994  600  40  100  日野原重明「生きることの質」の抜粋文を読み、「病にある患者がなおもよりよく生きるために、患者と医師との間に求められるコミュニケーション」について見解を述べさせる。
 1995  600  40  100

 生命の始期と秋期についての長文を読み、豊かな生を送る潜在的可能性と社会性について読み取らせ、「ひとと認知する時期の設定」について見解を述べさせる。

 1996  600  40  100  堺屋太一「大変な時代」の抜粋文を読み、「21世紀の日本の医学・医療に携わる自己の価値とそれを高める方法」について見解を述べる。
 1997  600  40  100

 「延命治療」についての文章を読み、「医師を目指す者としての延命治療についてどう思うか」を述べさせる。

 1998  600  40  100  「人間活動と環境リスク」に関する図を見て、読み取らせ、また「遺伝子操作」を例として見解を答えさせる。
 1999  600  40  100  「高齢社会」についての抜粋文を読み、超高齢化社会に至った理由と充実した超高齢化社会を実現するための方策について述べさせる。
 2000  600  40  100  「環境白書」の抜粋文を読み、地球温暖化の影響と二酸化炭素排出量を中心にした地球温暖化防止策について述べさせる。

2008年順天堂大学医学部予想

2008順天堂大学医学部予想

フェニックスゼミ講師陣

【数学】 
順天堂大の数学は大問3題で第1問は小問集合の形式である。出題の特徴を調べた。第1問はこの4年間では主に数学2Bからの出題である。第3問は公式証明に関係する出題である。10年間のデータより2008年度を予想してみる。第1問は「二次関数の最大・最小、順列・組合せ、整数問題、点の軌跡、三角関数の最大・最小、漸化式、関数の極限、定積分で表された関数」の可能性が大きいだろう。第2問は放物線・円・楕円・双曲線などの図形が関係する問題で、「接線・法線」と「面積・体積」であろう。第3問については三角関数の定理「正弦・余弦・加法定理」の証明法をチェックしておきたい。 

【化学】 
順天堂の化学は量がすさまじく多いので、特に計算問題を解くスピードが大きなポイントとなる。今年度は、混合気体、電気化学、弱酸(塩基)のPH、濃度、溶解度(再結晶)の計算をよく練習しておくと良い。無機は、気体の発生、有機ではエステルのけん化あたりが要注意と思われる。また、1番の第1問は、計算問題の集合であるので、これをいったん後回しにして問題に取りかかるのも作戦として有効な手段であろう。

 

 【小論文】 
過去3年間、資料・データ型小論文のなかでも、絵や写真を見て論述する形式で出題されている。出題意図を考えると受験生の個性・感性をはかる試験といえるか。’05は英国マンチェスターの病院の外来待合室の絵(1952年)を見て、この絵の中の一人の患者を選んで、その人物になった気持ちで、この場面を説明する問題(800字/75分)。「この絵の中の一人の患者を選んで、その人物になった気持ちで」という指示は患者の立場から病院(医療)を眺めるというものだろう。自分が治療を待つ患者の気持ちになれるか、素直に問う問題だろう。’06は、集中豪雨による土石流のため倒壊した家屋から一匹の犬が救出されている場面をうつす写真から思うことを述べる(800字/75分)。この写真から受け取るべくは「命」の尊さを分け隔てなく認める人間の姿を捉え、それが医療の本質でもあることが指示できればよいだろう。’07は昭和を代表する日本画家・東山魁夷の「道」という作品を見て、思うところを自由に書く(800字/75分)。視点をどこに定めるかが難しい。人のいない風景(まだ人の手が入る前の光景)ととれば、人工的な光景と対比的に論じられるだろう。また、この道をしるべとして進んでいくことの意義を云々することもできるだろう。また、道と周りの緑、空との配置に目を配れば、自然の偉大さが感じられ、われわれ人間は謙虚にならざるを得ない。いずれにせよ、自らの視点を明確に示し、一貫した論展開を試みる。 

 【英語】 
長文2題、文法・語い2題、そしてテーマ英作文という出題形式がここ2年続いており、多少の変動はあるにしても、2008年もほぼ同様の内容でくることが予想される。長文の難度は標準または、やや難というレベルで、それほど難しいものではないが、テーマ英作を含めての時間70分というのはかなりきつく、相当の速読力を要する。また、そのテーマもほとんどすべて医学、医療や健康、生命や体の仕組みに関するもので、医学部を志す受験生として、そういうテーマの長文を数多くこなしてきた者が断然有利であることも言うまでもない。直前にできることと言えばその点を意識しつつ、ひたすら中級以上の単語を覚えることだろうか。試験中においては、パラグラフリーディングの意識をしっかり持って読み進めること。
 最後のテーマ英作文であるが、試験時間が70分と限られていることもあり、平素からかなり訓練しておかないと対処できるものではないが、自信のない者は、論点を箇条書きにして、日本語で簡潔で平易な文を素早く組み立ててから、それに沿って英文を並べていく方が短時間で、しかも一貫したものが作れる。英文を書きながら考え、考えながら書く、というような場当たり的なやり方や、複雑な複文構造の文は出来るだけ避けること。