指導記録97

<1月13日()>   「心」の詰め
いよいよカウントダウン体制に入って来た。私立医大など受ける人は、今から1ヶ月後には
もう終了していることになる。センター試験を受験される方は知識の回転につぐ回転だろう。
ひとつ言えることは、「自分に満足のいく戦い」をして欲しいということだ。


最後の受験校が終了した帰り道にでも「家族に電話した後に、うまいもんでも喰って帰れ、自
分に褒美を与えろ。そして翌日に爆睡しろよ!」とよく言う。でも付け加える。「しかし、その時
自分に納得してなかったらその時の褒美はまずいぞ、うまい食事をしたいやろ。そんなら自分
を出し切れよ!」と言う。


ここから大切なことは、試験と試験の間のモチベーションを保つことだと思う。
医大入試を西へ東へ移動する受験生は、送られて来る通知と戦いながら前に進まなければ
ならない。合格であれば、波に乗るだろう。もうひとつエンジンがついた位に馬力が出るだろ
う。問題は、ダメだった場合に「心の軌道修正」をどれだけできるかだろう。ここで落ち込むと
どんどん落ち込む。


だから、ここから最も大切なことは、「心の軌道修正」以外にない。バッターがバッターボックス
に入る前に不安や弱気になっていたら、当然打てないだろう。
「もう打てません」と弱気になっているバッターを「大丈夫だ、君ならやれる」と何回も打たせる能力だ。


ここからは、「コミュニケーションのうまさ」が問われる。
よく、腫れ物にさわるように「何も言わない家庭」が多いと思うが、お茶とお菓子でも買ってきて
「つまらん話」でもした方がいい。しゃべらせる方がいいと思う。「黙る」と色々考えるから
本番では、試験と試験の間に2〜3日しかない場合とか1日しかない場合だってある。
その間にそれまで受験した大学の通知も当然やって来る。いい知らせなら言うことない。
しかし、そうでない場合だって多いにありうる。


できるだけ気持ちを上向きに持っていくように家族も協力すべきだ。
「勢い」を取り戻すことだ。どちらかと言うと「後がない浪人生」の方がアドバイスに気を使う。
現役は簡単だ。落ち込んでいても一喝するだけだ。


「お前な、落ち込んでいる暇あるか?お前よりはるかに苦労している浪人、全国に山ほどおる
ぞ!そんなんで落ち込んでいたら全国の多浪生からリンチもんやで」と 
これで大体「しゃきー!」っとする。
だから現役は「迷いそのもの」がないのだからぎりぎりまで伸びる。


浪人生の場合は、「もうこれ以上わがままは言えない、親に迷惑をかけられない」とか色々
と考えているから難しい。また、親戚等も色々口出しするから大変だ。
意外に医系の子供は、親戚の影響(親戚のことば、おせっかい、勝手なアドバイス)を気にして
いるものだ。できれば、親戚は遮断して欲しい。


親子だけであれば、話が進んでいたものが親戚が介入することによりひっくり返されることも
よくある。とにかくここから最も大切なことは、「試験と試験の間の心の軌道修正」だ。
つまり、テンションを上げ続けるためにあらゆる手を打つことだ。


心が折れる=つまり負けを意味するから