指導記録88

<1月4日(金)>   どんぐりの背比べ


昨日実施した「小論文コンテスト」の問題を「最新入試問題の研究コーナー」にアップしておい
た。興味のある方は参考にして頂きたい。業界の先生達にひとこと言いたい。今、入試制度は
激変の転換期である。
今後、入試制度はどんどん前倒しになり、「人物評価」「AO入試」「適正検査」の人物入試に急
速に変化する。お客さんの要望にダイレクトに対応できる能力を準備しておいた方がいい。
「逆にお客さんに指導を請う」という情けない状況に直面する。
次に面接の意義について少し意見を述べたい。企業は広告費と同様に新卒採用に最もお金を
かける。つまらん人間をいったん採用してしまうと急にクビにはできない。ということは企業その
ものは「役に立たない人間」に高い人件費を払い続けなくてはならない。これは、企業としては
致命的損害と言える。次に仕事の覚えの悪い人材をたまたま採用してしまったとする。企業側
からすれば、1日も早く組織に利益をもたらして欲しいと思うのは当然である。
つまり、「一人前になるまで利益を組織にもたらさないのであるから、企業組織側からすれば
一人前になるまで捨て金を支払わなければならない」つまり、戦力になるまでは捨て金を垂れ
流す(組織に「痛み」を与え続ける)というのが人材採用に対する基本的考え方と言えると思う。
受験生であれば、留年することなくストレートで国家試験合格まで走れる人材を取りたいという
ことになるだろう。だから推薦入試の評定が高いということになる。
人材採用はとてつもなく重要で「人材=人財」と言われる所以である。
個人的意見で恐縮だが、毎日見ている印象の良い生徒でも模擬面接をすると不思議と印象
が薄くなり、普段あまり目立たない生徒に対して「この子欲しいな〜いいな〜」とか思ってしま
うのである。自分自身で「あれ?」とか思ってしまう。その場の魅力に誘導されているのだろう。
引き込まれている自分に後から気づくのである。面接官が3人ということは、ボクシングの
ジャッジと同じで「ドロー(引き分け)を発生させないため」とも言えるだろう。つまり3人中の
2人以上を「言葉と態度の魅力」で引き寄せなければならない計算と言える。
つまり、言いたいことは毎日良い印象を受けているにもかかわらず、「面接の場というフィルタ
ー」を通すとかなり逆転が起こるということだ。
大体、視野が極端に狭くなっている受験生が「自分を客観的に観る機会などない」のだから、
講師の中には無理して「洗脳」を仕掛けようとする講師もいる。例えば、私立の獣医学部
の受験生なんて日本に5大学しかないのだから、ほぼ同じ顔の受験生だろう。私立の医大
も、これほど受験校が重なる受験もないだろう。悩みもほぼ同じだ。
だからこそ「僅差」にこだわる。これが見えているようで見えていない。また、指導できる人材
が市場に少ないからという理由もある。これも「盲点」と言えるかも知れない。