指導記録95

<1月11日(金)>      願書作成の苦悩
受験生の現在の苦悩の1つに願書作成がある。同じことばっかり書いて「面倒くさいし、
第一勉強に集中できんぞ!」と全国から聞こえてきそうだ。一番いいやり方を今さらアド
バイスしても仕方ないが、まず願書原本をコピーしてまず下書きする。
(まさか、直接最初から消せないボールペンで書いて修正インクで修正したまま出してい
る受験生はいないだろうと思う。もし、いたら「恐いもの知らず」だろう。)


そして、願書が出たら、まずできるだけ早く入手して願書作成だけをする時間を決めて
しまう。例えば火曜日の午後3時から4時は「願書作成時間(ノルマは2大学作成)」とあ
らかじめ決めてしまい、「面倒くささ」を細かく分散して年内に「後は受験料を振り込むだ
け!」の状態を創るのだ。


年明けは「最後の調整」なので勉強のことだけ考えたい。だから、家族の協力は不可
欠だ。「必着なのか?、消印有効なのか?」も調べた方がいい。受験は、「団体戦」とい
われる理由はここにある。もうひとつは、父兄も「各大学の願書締め切り日」チェックして
おくことだ。


生徒は迫り来る受験のプレッシャーで「あれもやらねば、これも見ておかないと」となって
年に1度のチャンスを逃がす可能性もある。今までかなりの失敗例を見て来た。


だから、本人と父兄の「ダブルチェック」が必要だ。もし、期限を忘れて最終日の前日にで
も気がついたら「窓口受付」が可能かどうか?最後の望みを託そう。また、医学部や歯学
部の場合に全国の会場をものすごいスピードで移動しなければならない場合もある。
「たぶん行けばわかるだろう」は厳禁だ。常に最悪の場合を想定して念には念を入れよう。
道に迷い、全力疾走の汗だくで会場に飛び込むことほど愚かなことはないと思う。
第一精神衛生上良くないだろう。


また、東海大学のようにとてつもなく長く「志望動機」を書かせる場合もある。ほとんど小論文
だ。何回か修正も必要だ。一番いいのは誰かに見てもらうこと。


2次の面接で「願書、調査書、面接採点表」を並べて見られている姿を想定しよう。どちらの
生徒を合格させようか?と迷った時に「志望動機をきれいに書いている生徒」と「修正ペンと
手垢でグチャグチャに志望動機を書いている生徒」のどちらを取るだろうか?やはり、「志望
動機をわざわざ書かせるという理由は何なのか?」と考えるべきだろう。


社会に出ても履歴書もまともに書けない奴は絶対に就職できないだろう。そしてもう一つ絶対
に忘れてはいけないのが提出する相手を考えろということだ。文系の大学の教授だってとてつ
もなくプライドが高い。医学部の教授なんか「プライドの高さは日本一クラスだろう。」そこに
面倒くさいという理由で「グチャグチャの願書」を出すなんて普通考えられないだろう。


1000人以上受験するのだから、簡単な願書の方が手続き上楽なはずである。「何かに利用
されるから書かせているのだ」と考えた方がいいだろう。「まだまだ願書は後回し」は自分その
ものに甘いと言える。嫌なことは先に直面する、あるいは嫌な部分をあらかじめ「小分け」にし
ておく。そしてクールに実行する。直面するのを避けても「痛み」は必ずかためてやって来るの
だから、わざわざ自分の焦りを直前に倍増させることもないだろう。


そしてもう一つのポイントとして連絡先の電話番号だ。わざわざ不在がちな自宅電話より、すぐ
につながる携帯を書いておくことだ。当たり前のことだ。
電話で補欠合格かかって来て誰も出なかったら次の受験生に行くだろう。
自分が飛び越えられたことさえわからない。
いきなり3月末に電話がかかって来ることだってある。
網はかけておかないと魚は取れない。


たかが願書の一つではなく「運命が変わるかもしれない公式書類」と思うべきだろう。
また、「おい!願書どうなっとるんや?」と常に聞く人間が必要だ。どうしても後回しにする。
冷静に考えればわかると思う。
これも重要な知恵だと思う。